株式会社タクマの2023年12月期第3四半期決算報告を分析しました。同社は環境・エネルギー事業や民生熱エネルギー事業を手がける老舗メーカーです。今期は売上高104,852百万円と前年同期に比べ増収となり、営業利益6,264百万円と堅調な業績を維持しました。特に国内の環境・エネルギー事業の受注が好調で、エネルギープラントの新設やごみ処理プラントのDBO事業(建設・運営)などを積み上げています。一方で不具合対応に係る費用計上もあり、利益面では減益となりました。今後も環境・エネルギー分野での積極的な受注活動を続け、収益の維持・向上につなげていくことが期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社タクマ
証券コード: E01469
決算期: 3月期
株式会社タクマの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社タクマの決算日は3月31日です。第3四半期決算の対象期間は2023年4月1日~2023年12月31日までの9ヶ月間となります。
主な事業
株式会社タクマは、環境・エネルギー事業と民生熱エネルギー事業を中心に事業を展開しています。環境・エネルギー事業では、ごみ処理プラントやバイオマス発電など、再生可能エネルギーの利活用に関する幅広い事業を手がけています。また、民生熱エネルギー事業では、ガス・石油ボイラーやヒートポンプなどの熱源機器を提供しています。これらの事業を通じて、地球環境保護と省エネルギー化に貢献することが同社の大きな役割となっています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期累計の業績は、売上高104,852百万円、営業利益6,264百万円、経常利益7,095百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4,947百万円となっています。前年同期に比べ売上高・営業利益は増加し、堅調な業績を維持しています。一方で、不具合対応に係る費用の計上により、利益面では減益となりました。
売上・利益の推移
同社の売上高は、環境・エネルギー事業や民生熱エネルギー事業の好調な受注を背景に、2023年3月期に142,651百万円と過去最高を更新しました。当第3四半期も104,852百万円と前年同期比4.2%の増収となっています。利益面では、2023年3月期の経常利益が10,989百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が8,622百万円と、過去最高を記録しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の同社の総資産は182,485百万円で、前期末比2,796百万円の増加となっています。現金及び預金は減少したものの、棚卸資産や投資有価証券などが増加したことが主な要因です。一方、負債は76,505百万円と2,015百万円減少しました。純資産は105,979百万円と、前期末比4,812百万円増加し、自己資本比率は57.8%と健全な水準を維持しています。
資産の部
同社の資産は、現金及び預金51,078百万円、受取手形、売掛金及び契約資産64,100百万円、棚卸資産12,091百万円などで構成されています。前期末に比べ現金及び預金は減少しましたが、受取手形・売掛金や棚卸資産が増加しており、事業の拡大に伴う資産の積み上がりが見られます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金24,948百万円、電子記録債務17,549百万円などで構成されています。未払法人税等が2,797百万円減少したことが、負債全体の減少につながっています。
純資産の部
純資産は105,979百万円と前期末から4,812百万円増加しました。その他有価証券評価差額金が3,602百万円増加したことや、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、利益剰余金が1,108百万円増加したことが主な要因です。自己資本比率は57.8%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社タクマの2023年3月期のROA(総資産経常利益率)は6.1%、ROE(自己資本当期純利益率)は8.6%となっています。前期と比べROAは微増、ROEは減少しました。これは、利益が前期に比べ若干減少したものの、総資産や自己資本が増加したことが影響しています。同社は環境・エネルギー分野での受注好調を背景に着実に業績を伸ばしており、今後もさらなる収益力の向上が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが+4,909百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが-3,114百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが-15,919百万円となっています。営業CF、投資CFともに前年同期に比べ減少しましたが、配当金の支払いなどにより財務CFが大幅に減少しています。財務基盤は健全であり、今後の事業拡大に向けた設備投資などに活用できるキャッシュリザーブを有しています。
配当の支払額
株式会社タクマは、2023年6月期の期末配当金を1株当たり24円、2023年12月期の中間配当金を1株当たり24円と、安定した配当を実施しています。直近3年間の年間配当金は48円となっており、同社の業績や財務体質の健全性を考えると、今後も安定配当を維持していくことが期待されます。
今後の展望
株式会社タクマは、引き続き環境・エネルギー分野での受注に注力し、収益力の向上を目指していきます。特に国内のごみ処理プラントやバイオマス発電などの大型案件の受注が好調で、今後も受注増加が見込まれます。さらに、海外事業での展開や民生熱エネルギー事業の強化、IoT活用による省エネ提案など、幅広い事業分野での成長が期待されます。健全な財務基盤を背景に、業績と株主還元のバランスを取りながら、企業価値の向上に努めていくことが同社の課題となっています。
編集部のまとめ
株式会社タクマは、環境・エネルギーを中心に事業を展開する老舗メーカーです。当第3四半期の業績は増収となりましたが、一部の案件における不具合対応費用の計上により減益となりました。ただし、同社の財務基盤は健全であり、今後も環境・エネルギー事業を中心に着実な成長が期待されます。配当面では、過去3年間の年間配当金が安定して48円と株主還元にも力を入れている企業です。引き続き、事業の拡大と収益力向上に取り組んでいくことが重要だと考えられます。
株式会社タクマの決算日や配当についてまとめました。
株式会社タクマの決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年4月1日~12月31日までの期間を対象としています。また、同社は安定配当を重視しており、直近3年間の年間配当金は48円と株主還元にも注力しています。今後も環境・エネルギー分野での事業拡大と収益力向上を目指し、株主への利益還元にも尽力していくことが期待されます。