株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの最新の決算報告書を分析してみました。舶用内燃機関の製造や販売を主な事業とする同社は、上期から下期にかけての生産拡大により、大幅な増収・増益を達成しています。
主力の舶用機関事業の好調に加え、業界最高水準の環境性能を誇るUEエンジンの販売増や国内外のライセンス事業の伸長など、強固な収益基盤を築いています。
更に2025年にはアンモニア燃料エンジン、2027年には水素燃料エンジンの実機完成を控えるなど、脱炭素化に向けた先進的な取り組みも注目されます。
業績・事業の両面で順調な展開を遂げている企業といえそうです。
企業情報
企業名: 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
証券コード: 60160
決算期: 2023年3月31日
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの決算日は3月31日です。
決算発表のスケジュールは、第1四半期決算が8月、中間決算が11月、第3四半期決算が2月、本決算が6月となっています。
主な事業
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションは、舶用内燃機関の製造・販売を主な事業としています。
具体的には、船舶用の主機関やディーゼル発電機、船舶用排ガス浄化装置などの製造・販売を手掛けています。
また、製造したエンジンに関する修理・部品供給のアフターサービスも展開しています。
更に、自社の主力製品であるUEエンジンのライセンス事業も重要な収益源となっています。
今期の業績と利益率は?
当社の当第3四半期累計期間の業績は、売上高が14,462百万円と前年同期比で23.3%の増収を達成しています。
損益面では、営業利益が1,411百万円と前年同期比で341.4%の増益となり、経常利益が1,643百万円と266.2%の大幅増益を実現しています。
この結果、当第3四半期の四半期純利益は1,137百万円と、前年同期比で124.9%の増益となりました。
売上・利益の推移
当社の最近3年間の売上高は、2023年3月期が15,248百万円、2022年3月期が11,726百万円、2021年3月期が10,992百万円と、ほぼ毎期増加傾向にあります。
利益面では、2023年3月期の経常利益が614百万円、2022年3月期が448百万円、2021年3月期が453百万円となっており、直近2年間は増益基調で推移しています。
四半期連結貸借対照表について
当社の2023年12月末時点の総資産は25,465百万円と、前期末比で24.7%の増加となっています。
これは主に、現金及び預金や受取手形・売掛金、製品・仕掛品の増加などによるものです。
負債合計は17,092百万円と前期末比30.8%増加しており、長期・短期借入金やその他の債務が増加しています。
純資産は8,373百万円と、前期末比で14.0%増加しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が20,622百万円と前期末比で35.6%増加しています。
特に、現金及び預金が5,061百万円、受取手形及び売掛金が4,287百万円、製品が4,839百万円、仕掛品が4,262百万円と大幅に増加しています。
一方で、固定資産は4,842百万円と前期末比で7.1%減少しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が13,834百万円と前期末比で32.4%増加しています。
主な増加要因は、電子記録債務が4,920百万円、前受金が2,541百万円と大幅に増加したことです。
固定負債は3,257百万円と前期末比で24.1%増加しています。
純資産の部
純資産合計は8,373百万円と前期末比で14.0%増加しています。
利益剰余金が4,360百万円と着実に積み上がっているのが特徴です。
ROAとROE
当社のROA(総資産経常利益率)は6.4%と、前期の4.3%から2.1ポイントの大幅な改善を見せています。
これは、経常利益が大幅に伸びたことに加え、総資産も増加したものの、経常利益の伸びが相対的に大きかったためです。
ROE(自己資本当期純利益率)も13.6%と、前期の6.9%から6.7ポイントアップしています。
自己資本の効率的な運用により、株主価値の向上に寄与していると言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,361百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが462百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが100百万円の支出となっています。
営業CF増加は、利益の確保と運転資本の管理が奏功したものと考えられます。
投資CFの支出は、設備投資に伴うものですが、財務CFの支出は配当金の支払いが主な要因です。
配当の支払額
当社は株主への利益還元として、年2回の配当を実施しています。
最近の配当実績は、2023年3月期が年間40円、2022年3月期が年間24円と、増配基調で推移しています。
当第3四半期では、中間配当として1株当たり30円を実施しました。
今後の展望
当社は、舶用エンジンの受注拡大を具体化するとともに、ライセンス事業の強化により世界シェアの向上を目指しています。
また、次世代脱炭素燃料エンジンの開発にも注力しており、2025年にアンモニア燃料エンジン、2027年に水素燃料エンジンの実機完成を目指しています。
このように、既存事業の強化と新分野への投資を両立させることで、持続的な企業価値向上を実現していく方針です。
編集部のまとめ
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションは、舶用内燃機関の製造・販売を主力事業として、堅調な業績を遂げています。
特に、主機関事業の生産能力拡大と高付加価値製品の販売伸長により、大幅な増収・増益を実現しました。
加えて、アフターサービスやライセンス事業の好調も寄与しています。
今後は、脱炭素燃料エンジンの開発にも注力し、持続可能な事業展開を目指しています。
環境対応と事業拡大の両立を実現できる同社に注目が集まります。
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの決算日は3月31日で、年2回の配当(中間配当・期末配当)を行っています。
最近の配当実績は、2023年3月期が年間40円、2022年3月期が年間24円と増配基調で推移しており、当第3四半期では中間配当として1株当たり30円を実施しました。
同社は、舶用内燃機関事業の拡大とともに、次世代脱炭素燃料エンジンの開発にも注力するなど、着実な業績向上と株主への利益還元に取り組んでいます。