サイジニア株式会社の直近の四半期決算が発表されました。売上高は前年同期に比べて45.9%減少したものの、同社が強みとする「CX改善サービス」の業績は堅調に推移しました。また、構造改革の一環としてネット広告事業からの撤退も行われるなど、収益力と効率性の向上に取り組んでいることがわかりました。このようなサイジニアの経営状況と今後の展望について詳しく見ていきましょう。
企業情報
企業名: サイジニア株式会社
証券コード: 6310
決算期: 6月
サイジニア株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
サイジニア株式会社の決算日は6月30日で、決算時期は6月中となります。四半期決算は9月30日、12月31日、3月31日の各四半期末に実施しています。
主な事業
サイジニア株式会社は、デジタルマーケティングソリューション事業を主力としています。顧客企業のEC(電子商取引)サイトのCX(カスタマーエクスペリエンス)の改善を支援するサービスなどを提供しています。ネット広告事業や自社サービス「ZETA CX」の展開も手掛けてきましたが、この度ネット広告事業から撤退するなど、事業ポートフォリオの見直しを進めています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期(2023年10月~12月)の連結売上高は598,927千円と前年同期比45.9%減となりました。これはネット広告事業の譲渡の影響が大きかったためです。一方で主力のCX改善サービスの売上は順調に推移しました。利益面では営業損失13,308千円、経常損失18,179千円となりました。第2四半期は費用が先行するため季節変動の影響を受けやすく、利益率は低めとなる傾向にあります。
売上・利益の推移
直近の第18期(2022年7月~2023年6月)の連結業績は、売上高2,437,677千円、営業利益94,709千円、経常利益81,833千円となっています。この数年は増収増益基調を維持してきましたが、今回の第2四半期決算では売上が減少に転じています。今後の経営改善策に注目が集まります。
四半期連結貸借対照表について
サイジニアの四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が2,353,180千円となっています。主な資産は売掛金や顧客関連資産、現金・預金などです。一方、負債合計は1,619,628千円で、借入金や未払金などが中心です。純資産は733,552千円となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が1,663,265千円、固定資産が674,697千円となっています。前期末から165,648千円減少しており、これは売掛金の減少などが要因です。
負債の部
負債の部では、流動負債が592,675千円、固定負債が1,026,952千円となっています。前期末から138,233千円減少しており、未払法人税等や買掛金の減少が主な理由です。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が726,051千円となっています。前期末から67,873千円減少しており、利益剰余金が減少したことが主な要因です。
ROAとROE
サイジニアのROA(総資産経常利益率)は3.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は-6.4%となっています。ROEが低い水準にあるのは、当期純損失の計上などが影響しています。今後、収益力の向上やコスト効率化に取り組むことで、収益性指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第2四半期のキャッシュフローをみると、営業活動によるキャッシュ・フローは53,561千円の収入となりました。一方で財務活動では9,612千円の支出となっています。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,214,113千円となっています。財務体質の健全性は確保されているといえます。
配当の支払額
2023年9月28日開催の定時株主総会の決議に基づき、1株当たり5円の配当を実施しています。総額は25,654千円となりました。今後の業績動向を見据えながら、株主還元策の充実も課題と言えるでしょう。
今後の展望
サイジニアは、EC市場の成長に伴い拡大するCX改善需要を捉えて事業を展開していく方針です。ネット広告事業からの撤退により経営資源をCX改善サービスへ集中させ、収益性と事業効率の向上を目指します。加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援分野での新サービス開発にも取り組み、持続的な成長を目指していきます。
編集部のまとめ
サイジニア株式会社の決算内容を確認すると、主力のCX改善サービスが順調に推移し、事業ポートフォリオの見直しも進められています。一時的な利益の減少は見られるものの、中長期的にはデジタル化の進展に伴う事業成長が期待できそうです。今後の業績回復と株主還元策の充実に注目していきたいと思います。
サイジニア株式会社の決算日や配当についてまとめました。
サイジニア株式会社の決算日は6月30日で、四半期決算は9月30日、12月31日、3月31日に実施しています。2023年9月に1株当たり5円の配当を実施しました。今後の事業成長と株主還元に期待がかかっています。