MRT株式会社の2024年第1四半期決算報告書が公開されました。医療人材紹介事業を中心とした同社のビジネスモデルが安定的に推移しているようです。新型コロナ関連の業務は前年同期から大幅に減少したものの、地域医療課題解決への取り組みが着実に成果を上げています。
企業情報
企業名: MRT株式会社
証券コード: E31071
決算期: 12月
MRT株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
MRT株式会社の決算期は12月です。第1四半期決算は4月下旬頃に発表されています。
主な事業
MRT株式会社は、医療人材サービスを中心に事業を展開しています。医療人材の紹介や派遣に加え、オンライン診療・健康相談サービス、医療機関情報提供サイトの運営など、医療DXプラットフォームの提供にも注力しています。地域の医療課題解決に向けて、行政機関との連携強化にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の売上収益は9億3700万円となり、前年同期比で46.9%の減収となりました。新型コロナ関連の業務が大幅に減少した一方で、地域医療課題解決への取り組みがグループ全体の収益基盤の構築につながっています。一方で、積極的な先行投資による営業損失1億300万円、税引前四半期損失1億800万円を計上しました。
売上・利益の推移
MRT株式会社の売上収益は、2023年は54億円を超えて過去最高を記録しました。利益面でも、税引前利益は4億4000万円と前年比で大幅な増加となりました。この背景には、医療人材事業の安定的な成長とM&Aによる事業基盤の拡大が寄与しています。今期は先行投資により一時的な減益となっていますが、中長期的な成長に向けた投資と位置付けられています。
四半期連結貸借対照表について
MRT株式会社の資産総額は63億5300万円となっています。そのうち現金及び現金同等物が33億8700万円と手元流動性が高い水準を維持しています。一方、負債は17億1100万円と健全な財務体質を保っています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が減少した一方で、営業債権及びその他の債権が増加しています。これは、事業の伸長に伴う売掛金の増加によるものです。また、のれんや無形資産が3.9億円と企業買収の影響も残っています。
負債の部
負債の部では、借入金が4.1億円となっています。また、未払法人所得税が5500万円減少しています。これらのことから、MRT株式会社の財務体質は健全に推移していると言えます。
純資産の部
純資産の部では、親会社の所有者に帰属する持分が45億円となっています。自己資本比率は70.7%と高水準を維持しており、財務基盤は強固だと評価できます。
ROAとROE
MRT株式会社のROA(総資産経常利益率)は7.1%、ROE(自己資本利益率)は6.1%となっています。前期に比べて一時的に低下しているものの、依然として高水準の収益性を維持しています。これは、医療人材事業の強みを生かしつつ、DX事業の拡大などにより収益基盤を多角化できていることが要因と考えられます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、営業活動で2億4,900万円の支出、投資活動で5,100万円の支出、財務活動で9,600万円の支出となりました。前年同期と比べて支出が減少傾向にあり、健全なキャッシュ・マネジメントが行われています。
配当の支払額
MRT株式会社は、2023年3月に1株当たり30円の配当を実施しました。また、2024年について配当予想は未定となっています。業績の変動と今後の成長投資に合わせて、柔軟な配当政策を取っていくものと考えられます。
今後の展望
MRT株式会社は、医療DXプラットフォームの活用により、地域の医療課題解決への取り組みを加速させていく方針です。自治体との連携強化や医療人材プラットフォームの拡大など、事業基盤の強化に努めていきます。一時的な業績悪化が見られるものの、中長期的な成長に向けた先行投資を続けていくと表明しています。今後の動向に注目が集まります。
編集部のまとめ
MRT株式会社の2024年第1四半期決算は、新型コロナ関連業務の減少があったものの、医療人材事業を中心とした安定的な収益基盤を示しました。また、地域医療課題解決に向けたDXサービスの拡充など、中長期的な成長への投資も積極的に行っています。健全な財務体質を維持しつつ、医療業界のニーズにきめ細かく対応していく同社の戦略に注目が集まります。
MRT株式会社の決算日や配当についてまとめました。
MRT株式会社の決算期は12月であり、第1四半期決算は4月下旬頃に発表されています。配当については2023年3月に1株当たり30円の配当を実施しましたが、2024年について配当予想は未定となっています。業績変動と成長投資に合わせて、柔軟な配当政策を取っていく方針です。