株式会社ウィルグループの2023年12月期第3四半期決算がでましたので、決算内容をわかりやすく分析してお伝えします。
今期の業績は、売上収益が1,039億円で前年同期比4.3%減となりましたが、主力の国内Working事業が堅調に推移しました。このように、ウィルグループは着実に業績を伸ばしており、今後の期待が高まっています。
企業情報
企業名: 株式会社ウィルグループ
証券コード: 6890
決算期: 3月期
株式会社ウィルグループの決算日・決算時期(スケジュール)は?
ウィルグループの決算日は3月31日です。通常の年次決算は6月下旬頃に行われ、また、四半期決算は2月、5月、8月、11月頃に発表されます。
主な事業
ウィルグループは、主に「国内Working事業」と「海外Working事業」の2つのセグメントで事業を展開しています。
国内Working事業では、販売、コールセンター、工場、介護施設、建設技術者などカテゴリーに特化した人材派遣・紹介・業務請負などの人材サービスを提供しています。
一方、海外Working事業では、シンガポールやオーストラリアを中心に人材派遣・紹介事業を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益1,039億円(前年同期比4.3%減)、営業利益28億円(同27.7%減)、税引前四半期利益27億円(同27.5%減)、四半期利益17億円(同33.0%減)となりました。
セグメント別の業績では、主力の国内Working事業が堅調に推移しましたが、海外Working事業は一部顧客の採用抑制や人材紹介需要の一巡により減収減益となりました。
売上・利益の推移
ウィルグループの過去3年間の売上収益及び当期純利益の推移は以下の通りです。
売上収益は1,439億円(2023年3月期)と堅調な推移を示しています。一方、当期純利益は32億円(2023年3月期)と足元で減益傾向にあります。
今後は、主力の国内Working事業の更なる成長や海外事業の収益改善などにより、売上及び利益の向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
ウィルグループの2023年12月末の財政状態は以下の通りです。
資産の部
総資産は 521億円で、前期末比28億円減少しました。このうち、現金及び現金同等物が68億円、営業債権及びその他の債権が168億円となっています。
負債の部
負債合計は350億円で、前期末比41億円減少しました。借入金が37億円、営業債務及びその他の債務が160億円となっています。
純資産の部
純資産合計は172億円で、前期末比13億円増加しました。親会社所有者帰属持分比率は30.7%と前期末の26.6%から改善しています。
ROAとROE
ウィルグループのROA(総資産利益率)は前期末の5.9%から当第3四半期連結累計期間で3.2%に低下しました。
一方、ROE(自己資本利益率)は前期末の22.1%から当第3四半期連結累計期間で10.1%と減少しています。
これは主に利益の減少によるもので、今後の業績回復が課題となっています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは以下の通りです。
営業CF:28億円の収入(前年同期は56億円の収入)、投資CF:-8億円の支出(前年同期は-22億円の支出)、財務CF:-52億円の支出(前年同期は-39億円の支出)となりました。
現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は67億円で、前期末から28億円減少しています。
配当の支払額
ウィルグループは2023年6月に、1株当たり44円の配当金を支払っています。前期実績と同額の配当となっており、安定した配当政策を維持しています。
今後の展望
ウィルグループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「WILL-being 2026」に取り組んでおり、国内Working事業の再成長を図っています。
特に、建設技術者領域やグループ内での正社員派遣、外国人管理受託の拡大などに注力し、収益力の向上を目指しています。また、海外事業においても収益性改善に向けた取り組みを進めていきます。
今後の業績回復に期待がかかっている企業といえるでしょう。
編集部のまとめ
ウィルグループは、当第3四半期決算で売上は減少したものの、主力の国内Working事業が堅調に推移するなど、収益基盤は健全に推移していると評価できます。
今後は、建設技術者領域の強化や海外事業の収益改善など、中期的な成長に向けた取り組みに注目が集まるでしょう。ウィルグループの業績回復と更なる成長に期待したいと思います。
株式会社ウィルグループの決算日や配当についてまとめました。
ウィルグループの決算日は3月31日で、年間の決算発表は6月下旬頃に行われます。四半期決算は2月、5月、8月、11月頃に発表されています。
また、同社は2023年6月に1株当たり44円の配当を実施しており、安定した配当政策を維持しています。今後の業績回復と株主還元に期待が高まっています。