株式会社牧野フライス製作所の決算報告書を分析しました。同社は工作機械の大手メーカーで、世界各国に事業を展開しています。今期の業績は好調で、売上高は1,629億92百万円、営業利益は121億56百万円と前年同期を上回りました。海外市場の伸びが続いており、中国やアメリカなどで堅調な受注実績を上げています。また、工程の効率化や原価管理の改善などにより利益率も改善しており、今後も成長が期待できる企業だと言えます。
企業情報
企業名: 株式会社 牧野フライス製作所
証券コード: 61350
決算期: 3月31日
株式会社 牧野フライス製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社牧野フライス製作所の決算期は3月31日です。四半期決算は、第1四半期が6月30日、第2四半期が9月30日、第3四半期が12月31日、そして本決算が3月31日に行われます。
主な事業
株式会社牧野フライス製作所は、工作機械の製造販売を主な事業としています。特に、5軸制御立形マシニングセンタやNC旋盤など、精密加工に適した工作機械の開発に強みがあります。日本をはじめ、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどの海外市場でも積極的に事業を展開しており、グローバルな事業展開が特徴です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が1,629億92百万円、営業利益が121億56百万円となりました。前年同期と比べると売上高は1.5%減少しましたが、営業利益は4.7%増加しています。これは、海外市場での受注が引き続き好調だったことや、原価管理の改善などにより利益率が向上したことが要因です。今後も収益性の高い事業構造を維持できるものと期待されます。
売上・利益の推移
直近3年の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2022年3月期に2,279億85百万円と過去最高を更新しています。また、営業利益も2022年3月期に150億73百万円と高水準を維持しています。この好調な業績は、海外市場での需要増加や、生産性の向上に取り組んできた成果が反映されたものと考えられます。今後も同社の業績は堅調に推移すると期待できます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は3,469億14百万円となっています。前期末から15億46百万円減少していますが、これは受取手形・売掛金の減少などによるものです。一方、負債は1,382億72百万円と前期末から124億1百万円減少し、純資産は2,086億42百万円と108億54百万円増加しています。自己資本比率も60.0%と健全な水準を維持しており、財務基盤は強化されつつあります。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が646億7百万円、棚卸資産が1,026億69百万円となっています。設備投資による機械装置の増加もあり、有形固定資産は833億81百万円と前期末から41億65百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、仕入債務が322億36百万円、借入金は452億63百万円となっています。前期末から借入金が16億14百万円減少するなど、着実に有利子負債が圧縮されています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が1,224億2百万円と前期末から76億87百万円増加しています。また、為替換算調整勘定が175億44百万円と大幅に改善しており、自己資本比率は60.0%と高水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期末の5.8%から6.8%に上昇し、ROE(自己資本利益率)も前期末の9.9%から10.8%に改善しています。これは、収益力の向上や、自己資本の効率的な活用により、資産や自己資本の収益性が高まってきていることを示しています。今後も高い収益力を維持し、資本効率の向上に努めていくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが177億32百万円のプラスと好調でした。一方で、設備投資に伴う投資活動によるキャッシュ・フローが△58億56百万円のマイナスとなっています。また、借入金の返済等による財務活動によるキャッシュ・フローは△55億22百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物は前期末から36億4百万円減少し、646億7百万円となっています。
配当の支払額
株式会社牧野フライス製作所は、株主還元にも積極的に取り組んでいます。当期は中間配当として1株当たり70円、期末配当として1株当たり80円の配当を実施する予定です。前期から配当も増額しており、株主への利益還元を着実に行っています。
今後の展望
株式会社牧野フライス製作所は、新製品の投入や生産性向上、海外事業の強化などに取り組み、持続的な成長を目指しています。特に、半導体関連や航空機分野などの高付加価値分野での受注拡大に注力しており、今後もこうした成長分野での受注増加が期待されます。また、省エネ性能に優れた工作機械の投入などにより、環境対応にも注力しています。今後の業績拡大と企業価値の向上が期待できる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社牧野フライス製作所は、工作機械分野における大手メーカーです。今期の業績は好調で、売上高やキャッシュフローが堅調に推移しています。ROAやROEも改善傾向にあり、収益性や資本効率の向上が確認できます。また、新製品の投入や海外事業の強化、環境対応など、様々な取り組みを通じて、持続的な成長を目指しています。今後の業績拡大と企業価値の向上が期待される銘柄だと言えるでしょう。
株式会社 牧野フライス製作所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社牧野フライス製作所の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われます。また、同社の配当は中間配当が1株当たり70円、期末配当が1株当たり80円と、前期から増額して実施しています。株主への利益還元にも積極的に取り組んでおり、収益力の高さと株主還元の充実が評価できる企業だといえます。