富士精工株式会社の2023年3月期第3四半期の決算報告がありました。売上高は16,324百万円と前年同期比4.7%増加し、経常利益は923百万円と29.2%も増加しています。中国でガソリン車の需要が減少したものの、北米でハイブリッド車向けの工具需要が拡大し、業績は好調に推移しました。今後も経費最小化や生産性向上など収益力の強化に取り組んでいきます。
企業情報
企業名: 富士精工株式会社
証券コード: 61420
決算期: 2023年2月期
富士精工株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
富士精工株式会社の決算期は2月末日で、決算発表は第3四半期は1月中旬、本決算は5月下旬に行われます。
主な事業
富士精工株式会社は、精密切削加工技術を核とした金型・治工具の製造・販売を主な事業としています。自動車、電機、IT関連などの幅広い業界に製品を提供しています。特に自動車業界向けの製品が売上の6割以上を占めています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は16,324百万円と前年同期比4.7%増加しました。利益面では、営業利益は499百万円と前年同期比242.1%と大幅に改善しています。収益性も上がり、経常利益は923百万円と29.2%の増加となりました。
売上・利益の推移
直近3年の業績をみると、売上高は堅調に増加しています。利益面でも、前年同期比で29.2%増の923百万円と大幅に改善されています。中国の需要減少がありましたが、北米での高付加価値品の販売が好調だったことが影響しています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は29,862百万円と前期末比1,720百万円増加しました。負債合計は4,461百万円で76百万円の増加、純資産は25,400百万円と1,644百万円増加しています。自己資本比率も76.0%と健全な財務状況を維持しています。
資産の部
流動資産は17,990百万円と前期末比1,431百万円増加しました。現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加しています。固定資産は11,872百万円と289百万円の増加です。
負債の部
流動負債は3,314百万円と23百万円増加、固定負債は1,147百万円と53百万円増加しました。借入金は減少傾向にあり、健全な財務体質を維持しています。
純資産の部
純資産は25,400百万円と前期末比1,644百万円増加しました。利益剰余金や為替換算調整勘定の増加により、自己資本比率も76.0%まで上昇しています。
ROAとROE
ROAは前期3.3%から当期3.1%となり、ROEは前期2.8%から当期3.1%と横ばいで推移しています。減価償却費の増加や新製品開発などの投資を行っているため、ROAの改善は緩やかですが、財務体質の健全化により自己資本利益率は改善傾向にあります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは787百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは677百万円のマイナスとなっています。大型設備投資などにより資金が流出していますが、営業活動によるキャッシュ・フローが堅調に推移しているため、財務体質は健全に維持されています。
配当の支払額
当期の配当金は1株当たり50円を予定しており、前年同期の46円から増配となります。配当性向は30.5%となっています。株主還元を重視しており、今後も安定的な配当を維持していく方針です。
今後の展望
自動車業界の電動化やIoT化の進展を受け、当社の高精度・高品質な製品需要が拡大すると見込まれています。中国や欧州での販路拡大、IoT関連製品の開発にも注力し、事業領域の拡大を図っていきます。また、生産性向上とコスト削減にも取り組み、収益力の更なる向上を目指します。
編集部のまとめ
富士精工株式会社は、自動車部品などの精密加工部品の製造・販売を中心に事業を展開しています。当期は中国での需要減少がありましたが、北米でのハイブリッド車向け工具の需要拡大などにより、売上高は前年同期比4.7%増加しています。また、経費削減などにより営業利益と経常利益も大幅に改善し、堅調な業績を残しました。今後は、電動化の進むEV市場での製品開発や、中国や欧州での拡販に注力していく方針です。
富士精工株式会社の決算日や配当についてまとめました。
富士精工株式会社の決算期は2月末日で、第3四半期決算は1月中旬、本決算は5月下旬に発表されます。当期は1株当たり配当金が50円と前期から増配となっており、配当性向は30.5%と株主還元も重視されています。今後も安定的な配当を維持し、収益力の向上に努めていく方針です。