富士精工株式会社の決算報告書をチェックしてみました。同社は、機械部品の製造・販売を行う企業で、自動車産業をはじめとした幅広い業界に製品を供給しています。直近の第1四半期の業績は、世界経済の不透明感から受注環境が依然として厳しい状況でしたが、生産性向上に努め、収益確保に取り組んでいます。
企業情報
企業名: 富士精工株式会社
証券コード: 61420
決算期: 2月末日
富士精工株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
富士精工株式会社の決算期は2月末日です。毎年5月下旬に定時株主総会が開催され、7月中旬に四半期報告書が提出されます。
主な事業
富士精工株式会社は、超硬工具、自動車部品、包装資材などの製造・販売を行う総合機械メーカーです。特に超硬工具は同社の主力製品で、自動車、航空機、金属加工などの幅広い業界で使用されています。また、自動車部品事業や包装資材事業にも強みを持っており、グローバルに事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
直近の第1四半期連結累計期間の業績は、売上高4,800百万円、営業損失77百万円、経常利益95百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益55百万円となりました。受注環境の悪化により売上高は前年同期比4.6%減少し、営業利益も減少しましたが、経常利益と四半期純利益は堅調に推移しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、売上高は2023年2月期に21,424百万円と過去最高を更新しました。一方、経常利益は2024年2月期の95百万円と減少傾向にあります。これは、主力の超硬工具関連事業の需要減少などが影響していると考えられます。利益率も低下しており、事業構造の改革が課題となっています。
四半期連結貸借対照表について
2024年5月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は29,552百万円となっています。前期末比で848百万円の増加です。また、負債合計は4,634百万円、純資産は24,918百万円と、財務体質は健全に推移しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が9,263百万円と前期末比374百万円増加しており、安定的な財務基盤を持っていることがわかります。一方で、受取手形及び売掛金は2,960百万円と、前期末比で242百万円減少しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が331百万円と前期末比269百万円増加しています。また、繰延税金負債が423百万円と増加しています。
純資産の部
純資産の部では、為替換算調整勘定が1,740百万円と前期末比357百万円増加し、その他有価証券評価差額金が768百万円と160百万円増加しています。これにより、自己資本比率は76.0%と高水準を維持しています。
ROAとROE
富士精工株式会社のROA(総資産経常利益率)は、2024年2月期が0.3%となり、前期の0.9%から大幅に低下しています。これは、経常利益の減少が主な要因です。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は、2024年2月期が0.2%と前期の0.7%から低下しています。これは、自己資本が増加傾向にある一方で、当期純利益が減少したことが影響しています。今後は収益力の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
第1四半期連結累計期間のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは256百万円の収入となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは206百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは57百万円の支出となっています。全体としては374百万円の現金及び預金の増加となっており、財務体質の健全性が維持できています。
配当の支払額
富士精工株式会社は、株主への利益還元を重視しており、直近の2024年5月の定時株主総会で1株当たり25円の期末配当を決議しました。この結果、年間配当金は1株当たり50円と、前期と同水準を維持しています。今後も安定的な配当の実施を目指していきます。
今後の展望
富士精工株式会社は、主力の超硬工具事業の需要減少や原材料価格高騰など、厳しい経営環境に直面しています。しかし、生産性向上や新製品開発、事業領域の拡大などに取り組み、収益力の改善を目指しています。また、海外事業の強化やM&Aによる事業基盤の拡大など、中長期的な成長戦略も展開しています。今後の業績回復と企業価値の向上に期待が高まっています。
編集部のまとめ
富士精工株式会社は、主力の超硬工具事業が低迷するなか、収益力の改善に向けて様々な施策に取り組んでいます。直近の業績は厳しい状況にありますが、生産性向上やコスト削減、事業領域の拡大などに着手しており、中長期的には業績回復が期待されます。また、健全な財務体質を維持しつつ、株主への利益還元を継続していく方針です。今後の動向に注目が集まります。
富士精工株式会社の決算日や配当についてまとめました。
富士精工株式会社の決算期は2月末日です。毎年5月下旬に定時株主総会が開催され、7月中旬に四半期報告書が提出されます。また、直近の2024年5月の定時株主総会では、1株当たり25円の期末配当が決議されており、年間配当金は1株当たり50円を維持しています。今後も安定的な配当の実施に期待が高まっています。