舞鶴発電所:超々臨界技術と環境対策で支える地域電力

コラム
スポンサーリンク

掲載内容は投資判断の参考情報であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。
情報の正確性には配慮しておりますが、完全性や将来の結果を保証するものではありません。
詳細は各企業の公式開示資料などをご確認ください。

スポンサーリンク

舞鶴発電所とは

関西電力の舞鶴発電所は、京都府舞鶴市に位置する石炭火力発電所です。大浦半島の西端、若狭湾国定公園内に立地し、関西電力唯一の石炭火力発電所として、安定した電力供給を支える重要な役割を担っています。所在地は京都府舞鶴市字千歳560番地5で、舞鶴港の近くに位置しています。

発電設備の概要

舞鶴発電所の総出力は180万kWで、2つのユニットで構成されています。1号機は2004年8月に営業運転を開始し、2号機は2010年8月に増設されました。各ユニットの出力は90万kWで、いずれも汽力発電方式を採用しています。

この発電所の特徴は、最新鋭の超々臨界圧ボイラーを採用していることです。1号機は関西電力として約30年ぶりとなる石炭火力発電所であり、発電効率を向上させるため、主蒸気温度および再熱蒸気温度を595℃、主蒸気圧力を24.5MPaに設定した超々臨界圧のボイラーおよび蒸気タービンを採用しました。これは関西電力初の試みとなります。

高度な技術仕様

舞鶴発電所の蒸気タービンは、プライマリ軸に高圧タービンと中圧タービンが接続され、セカンダリ軸に第1低圧タービンと第2低圧タービンが接続される構成となっています。プライマリ軸の回転数は3600rpm、セカンダリ軸は1800rpmで運転されます。給水ポンプ駆動タービンの高容量化により、60万kWまで1台での運転が可能となっており、これは大容量化による効率性の向上を実現しています。

1号機の熱効率は45%(低位発熱量基準)で、これは高い発電効率を示しています。2号機も同様の高い効率を備えており、両ユニットともに約43%のプラント熱効率を有する最大900MWの発電能力を持つ設計となっています。

燃料調達と運用体制

舞鶴発電所は24時間連続で運転するベース電源として機能しており、安定した電力供給を実現するため、月に平均4回から5回のペースで石炭が運ばれてきます。石炭はオーストラリア、インドネシア、中国など諸外国から輸入され、舞鶴港を利用して供給されています。

発電所内には長さ729メートルの桟橋があり、735本の鋼管杭で支えられています。この桟橋は8万トンの石炭船を2隻同時に接岸させることができる設計となっており、毎時2,000トンを処理できるバケット式石炭アンローダーを使用して効率的に荷揚げが行われています。

敷地の有効活用のため、自然のままの地形を利用して敷地を二段造成し、省スペースで石炭を貯蔵できるサイロ方式を採用しています。これにより開発面積を最小限に抑えながら、必要な燃料を確保する工夫がなされています。

環境への配慮と取り組み

舞鶴発電所では、環境への配慮としてバイオマス燃料である木質ペレットの混焼を実施しています。2008年度より石炭との混焼を開始し、これにより石炭の消費が抑制され、年間約9万トンのCO2削減効果が期待できます。このような取り組みは、エネルギーセキュリティと経済性を維持しながら、環境負荷を低減する重要な施策となっています。

さらに発電所の構内には、先進的な環境技術の研究開発施設が設置されています。CO2分離回収技術研究設備では、排ガス中のCO2を固体吸収材に吸収させる「吸収塔」、固体吸収材中のCO2を取り出して回収する「再生塔」、固体吸収材に残された水分を除去する「乾燥塔」の3塔で構成されたシステムが運用されています。3つの塔の中の固体吸収材を循環させることで、連続的に排ガスからCO2を分離回収できる仕組みになっています。

また、世界初の低温・低圧液化CO2輸送技術確立のための研究開発および実証試験事業の諸設備も設置されており、将来のカーボンニュートラル社会実現に向けた先進的な取り組みが進められています。

運営体制と人員配置

舞鶴発電所の安定運用を支えるため、総勢約420人の職員が配置されています。関西電力の職員のほか、関係会社や協力会社の従業員が一体となって、180万kWの安定供給を実現するための点検作業を日々実施しています。

発電所では「ご安全に!」というスローガンのもと、当社、関係会社、協力会社関係なく、毎日現場の作業に従事する全員が安全意識を高く保ちながら業務に当たっています。このような体制により、長期間にわたる安定的な発電所運営が実現されています。

技術開発と信頼性向上

舞鶴発電所1号機の主タービンには、同形先行機の実績をベースとして、大幅な信頼性向上が図られています。完全三次元フローパターン設計の採用により、タービン性能の向上も実現されており、プラント全体の性能向上に貢献しています。

このように最新技術を適用することで、高効率と経済性、そして高信頼性の共存を図った技術が実装されています。国内最新鋭の超臨界圧石炭焚きプラントとして、舞鶴発電所は継続的な技術革新と改善を通じて、その役割を果たし続けています。

地域との関係と情報発信

舞鶴発電所は、地域社会との良好な関係構築にも力を入れています。発電所の敷地内には、一般向けの情報発信施設が設置されており、発電所の運営概要や最新技術について、参加者向けの説明会やビデオ上映などを通じて情報提供が行われています。

このような取り組みにより、舞鶴発電所は単なる電力供給施設としてだけでなく、地域の産業や教育に貢献する施設として認識されています。

エネルギー供給における役割

舞鶴発電所が担うベース電源としての役割は、関西地域の安定した電力供給に不可欠です。石炭は埋蔵量が豊富で、安定したエネルギー供給を支える重要な燃料です。舞鶴発電所は、このような石炭の特性を活かしながら、最新の発電技術を組み合わせることで、経済的かつ安定的な電力供給を実現しています。

発電効率の向上、環境負荷の低減、そして継続的な技術開発を通じて、舞鶴発電所は関西電力のエネルギー供給戦略における中核的な施設として機能しています。

まとめ

関西電力の舞鶴発電所は、京都府舞鶴市に位置する関西電力唯一の石炭火力発電所であり、総出力180万kWの2つのユニットで構成されています。1号機は2004年8月、2号機は2010年8月に営業運転を開始し、最新鋭の超々臨界圧ボイラーと蒸気タービンを採用した高効率な発電設備を備えています。舞鶴港を利用した安定的な石炭調達、バイオマス燃料との混焼によるCO2削減、そして先進的なCO2分離回収技術の研究開発など、環境への配慮と技術革新を両立させながら、関西地域のベース電源として重要な役割を担っています。約420人の職員による24時間体制の運営により、安定した電力供給が実現されています。

舞鶴発電所:超々臨界技術と環境対策で支える地域電力をまとめました

舞鶴発電所は、関西電力が運営する重要なエネルギー供給施設として、最新技術と環境配慮を融合させた運営を実現しています。超々臨界圧技術による高い発電効率、バイオマス燃料との混焼によるCO2削減、そしてCO2分離回収技術の研究開発など、多角的なアプローチで持続可能なエネルギー供給を目指しています。舞鶴港という地理的優位性を活かした安定的な燃料調達体制と、約420人の職員による継続的な運営管理により、関西地域の電力需要を支える基盤となっています。今後も技術革新と環境への配慮を継続することで、舞鶴発電所はエネルギー供給における重要な役割を果たし続けるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました