NCホールディングス株式会社の決算報告書を分析してみましょう。この企業は立体駐車装置やコンベヤ、再生エネルギー関連機器の製造・販売を行っている会社です。今期の業績は、コンベヤ関連の売上が減少したものの、立体駐車装置関連の売上が増加したことで、連結での売上高は微減にとどまりました。利益面では、原材料価格の高騰などの影響により、営業利益は若干の黒字ながら、経常利益はマイナスとなりました。
企業情報
企業名: NCホールディングス株式会社
証券コード: 62360
決算期: 3月期
NCホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
NCホールディングス株式会社の決算日は3月31日です。4月から翌年3月までの1年間を会計期間としています。
主な事業
NCホールディングス株式会社グループは、コンベヤ関連事業、立体駐車装置関連事業、再生エネルギー関連事業の3つの事業を展開しています。コンベヤ関連事業では、石炭火力発電所向けや石灰石運搬用設備向けのコンベヤの製造・販売を行っています。立体駐車装置関連事業では、主に大型の立体駐車装置の製造・販売やメンテナンスサービスを提供しています。再生エネルギー関連事業では、太陽光発電設備の製造・販売などを行っています。
今期の業績と利益率は?
今期の連結売上高は93.58億円と前年同期比2.4%の減収となりました。一方で利益面では、コンベヤ関連事業の原価低減や立体駐車装置関連事業の増収などにより、連結営業利益は4.44億円の黒字となりました。ただし、受取配当金の減少や手数料の発生などにより、連結経常損失は2,055万円となりました。
売上・利益の推移
過去数年の売上高と利益の推移を見ると、コンベヤ関連事業の売上高は緩やかに減少傾向にあります。一方で、立体駐車装置関連事業の売上高は増加しており、全体の売上を支えています。利益面では、コンベヤ関連事業の利益率が改善した一方で、立体駐車装置関連事業は原材料高の影響などから収益性が低下しています。今後は、各事業の収益性向上に向けた取り組みが重要になってきそうです。
四半期連結貸借対照表について
NCホールディングス株式会社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は140.03億円となっています。このうち、流動資産が107.48億円、固定資産が32.55億円となっています。一方の負債合計は65.85億円で、短期借入金や支払手形・買掛金などが主な内訳です。純資産は74.17億円となっており、自己資本比率は53.0%となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が45.59億円と大きな割合を占めています。また、受取手形・売掛金などの債権が23.35億円、製品や仕掛品などの棚卸資産が16.73億円となっています。固定資産では、有形固定資産が13.22億円、無形固定資産が1.89億円、投資その他の資産が17.06億円となっています。
負債の部
負債の部では、支払手形・買掛金が19.84億円、電子記録債務が8.75億円となっています。また、短期借入金が4.20億円、1年内返済予定の長期借入金が1.77億円など有利子負債が6.31億円となっています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が38.00億円、資本剰余金が10.94億円、利益剰余金が34.02億円となっています。自己株式が2.79億円ありますが、その他有価証券評価差額金が3.45億円となっています。全体として、自己資本比率は53.0%となっており、健全な財務体質が維持されています。
ROAとROE
NCホールディングス株式会社のROAは前期の4.9%から今期は3.2%に低下しています。一方でROEは前期の4.5%から今期は1.8%と大きく低下しています。これは、利益水準の低下に加え、自己資本が減少したことが影響しているものと考えられます。今後は収益性の改善とともに、財務体質の強化も課題となってきそうです。
キャッシュフロー
キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは減少しています。これは、売上債権の減少があった一方で、たな卸資産の増加などがありました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより支出が増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより減少しています。全体として、現金及び現金同等物の残高は減少傾向にあるのが現状です。
配当の支払額
NCホールディングス株式会社は、2023年6月29日の定時株主総会で、1株当たり47.50円の期末配当を決議しました。また、前回の中間配当は1株当たり17.50円でしたので、年間では1株当たり65円の配当を実施しました。この配当水準は前期と同水準となっています。
今後の展望
NCホールディングス株式会社は、主力事業である立体駐車装置関連事業の受注拡大に注力していきます。また、コンベヤ関連事業では、顧客ニーズに即した新機種の投入や新たな販路の開拓に取り組みます。再生エネルギー関連事業でも、太陽光発電設備の販売とメンテナンス事業の拡大を目指します。さらに、原材料価格高騰の影響を吸収するためのコスト削減策を強化し、収益力の向上を図っていく方針です。
編集部のまとめ
NCホールディングス株式会社は、立体駐車装置やコンベヤ、再生エネルギー関連機器の製造・販売を手がける企業です。今期の業績は、売上高が微減で、利益面でも厳しい結果となりました。しかし、注力している立体駐車装置関連事業が伸張するなど、明るい材料もありました。今後は、各事業の収益性向上に向けた取り組みと財務体質の強化が課題となっています。株主還元では、1株当たり65円の安定配当を維持しており、株主への還元も継続しています。
NCホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
NCホールディングス株式会社の決算日は3月31日で、4月から翌年3月までの1年間を会計期間としています。また、2023年6月29日の定時株主総会で、1株当たり47.50円の期末配当を決議し、中間配当と合わせて年間65円の配当を実施しました。今後も安定的な配当を維持していくことが期待されます。