こんにちは。今回は株式会社日阪製作所の2023年12月期の第3四半期決算報告書の分析をお届けします。日阪製作所は熱交換器、プロセスエンジニアリング、バルブなどを手掛ける老舗メーカーです。この第3四半期は売上高は減少したものの、受注高は前年同期比6.9%増と好調でした。決算の内容を詳しくご紹介いたします。
企業情報
企業名: 株式会社日阪製作所
証券コード: 6247
決算期: 3月期
株式会社日阪製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
決算日は3月31日で、第3四半期の期間は2023年10月1日から12月31日までとなります。決算発表は第3四半期では2024年2月14日に行われました。
主な事業
日阪製作所は熱交換器、プロセスエンジニアリング、バルブなどを主力事業としています。熱交換器事業では船舶向けや産業用の製品を、プロセスエンジニアリング事業では食品・医薬品向けの装置を、バルブ事業では化学プラントや二次電池向けのバルブなどを製造・販売しています。これらの事業を通じて、幅広い業界のニーズに対応しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、売上高は24,001百万円と前年同期比4.4%減となりました。一方、受注高は28,587百万円で6.9%増と好調でした。利益面では、原材料価格高騰や不採算案件の引当てなどにより、営業利益は1,180百万円と35.3%減となりました。しかし、通期の業績予想は修正されていないことから、通期では改善が期待できるでしょう。
売上・利益の推移
直近の過去3年間の売上高は34,074百万円でした。利益面では、経常利益は2,392百万円、当期純利益は2,040百万円と好調に推移しています。コロナ禍の影響を受けた2年前の業績から回復基調にあり、中期的な成長が期待できる企業といえます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の連結貸借対照表では、総資産は74,466百万円となりました。前期末比で3,489百万円増加しており、財務体質の改善が進んでいることが分かります。
資産の部
資産の主な内訳は、現金及び預金8,167百万円、受取手形及び売掛金10,813百万円、有形固定資産24,083百万円などとなっています。前期末に比べ現金・預金が増加し、受取債権も増加していることから、流動性が高まっていると言えます。
負債の部
負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金6,359百万円、契約負債4,059百万円などです。前期末に比べ3,786百万円増加しており、受注増加に伴う前払金の増加などが背景にあります。
純資産の部
純資産は58,005百万円と、前期末比で1,703百万円増加しています。自己資本比率は77.6%と高水準を維持しており、財務の健全性が高いことがわかります。
ROAとROE
ROAは前期が3.0%、当期が2.2%と若干低下しています。一方でROEは前期12.5%、当期9.3%と高水準を維持しています。これは、利益率の低下と自己資本の増加が要因と考えられます。設備投資や新事業開発などで先行投資が必要な時期にあると言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュフローは営業CF1,794百万円、投資CF△2,084百万円、財務CF△2,762百万円となりました。営業活動によりキャッシュを積み上げながら、設備投資や配当金の支払いなどでキャッシュは減少しています。これらの資金使途は、中長期的な成長に向けた投資と位置づけられます。
配当の支払額
当期の配当金は中間配当が1株当たり20円、期末配当も同額を予定しています。前期実績と同水準の年間40円の配当を維持する見通しです。配当性向は55.2%となっており、株主還元にも力を入れています。
今後の展望
日阪製作所は、船舶向け熱交換器やエネルギー関連プラントなどの受注拡大に加え、バルブ事業の二次電池や産業ガス向けの好調な推移などから、収益基盤の強化が期待できます。また、設備投資や新事業開発にも積極的に取り組んでおり、中長期的な成長が見込めます。今後の企業価値向上に大きな期待が寄せられています。
編集部のまとめ
今回の決算では、売上高は前年同期比減少したものの、受注高の増加や利益率の高さから、日阪製作所の強みが明確になりました。特に、熱交換器事業や二次電池・産業ガス向けのバルブ事業の好調が目立ちます。今後は、この需要の取り込みと新事業展開により、更なる業績拡大が期待できる企業といえるでしょう。株主還元も手厚く、魅力的な銘柄と評価できます。
株式会社日阪製作所の決算日や配当についてまとめました。
日阪製作所の決算期は3月末で、第3四半期決算は2024年2月14日に発表されました。配当は年間40円(中間20円、期末20円)を計画しており、配当性向は55.2%と株主還元も手厚い企業です。業績は現在堅調に推移しており、引き続き成長が期待できる企業だといえます。