野村マイクロ・サイエンス株式会社の2023年第3四半期決算が発表されました。売上高は61,297百万円と前年同期比で大幅な増収となり、営業利益は8,451百万円と大幅な増益を達成しました。半導体関連企業の設備投資好調を受けて、水処理装置の受注が好調に推移したことが業績の牽引役となりました。今後も業界のニーズに柔軟に対応し、収益性の向上にさらに取り組んでいく方針です。
企業情報
企業名: 野村マイクロ・サイエンス株式会社
証券コード: 62540
決算期: 3月期
野村マイクロ・サイエンス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
野村マイクロ・サイエンス株式会社の決算期は3月期で、決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日を期末としています。
主な事業
野村マイクロ・サイエンス株式会社は、半導体製造装置や医薬品製造設備などのエンジニアリング事業を展開しています。半導体産業向けの水処理装置や配管材料、医薬品製造プラントの設計、製造、メンテナンスなどが主要な事業内容となっています。半導体業界や製薬業界をメインのターゲットとしており、この分野での技術力と提案力が同社の強みとなっています。
今期の業績と利益率は?
2023年第3四半期の業績は、売上高が61,297百万円と前年同期比で85.6%の大幅増収となり、営業利益は8,451百万円と170.8%の大幅増益を達成しました。受注済みの大型水処理装置案件の工事進捗が順調に推移したことが主な増収要因です。利益面でも採算性の高い案件が増加したことで大幅な増益となりました。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、2023年3月期の売上高が49,595百万円、営業利益が6,416百万円と好調に推移しています。同社は中期的な成長を目指し、2026年3月期には売上高860億円、営業利益120億円の達成を目標に掲げています。今後も半導体関連企業の設備投資需要に支えられ、堅調な業績が続くことが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は60,671百万円と前期末比で大幅に増加しています。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が18,304百万円増加したことによるものです。一方、負債合計は34,262百万円と前期末比で13,744百万円増加しており、短期借入金が15,864百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が大幅に増加しており、現金及び預金が11,565百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が33,639百万円となっています。固定資産は4,912百万円と堅調に推移しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が前期末比で大幅に増加しており、支払手形及び買掛金が8,792百万円、短期借入金が19,307百万円となっています。固定負債は368百万円とほぼ横ばいです。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が19,921百万円と大幅に増加しており、自己資本比率は43.0%を維持しています。堅実な財務基盤が構築されている状況です。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は13.9%、ROE(自己資本利益率)は24.3%と高水準を維持しています。半導体関連企業の設備投資需要の高まりを背景に、高収益性を確保できていることが伺えます。今後も安定的な収益力を維持し、株主還元を含めた成長戦略を展開していくことが期待されます。
キャッシュフロー
キャッシュフローに着目すると、営業活動によるキャッシュ・フローは3,323百万円のプラスとなっており、順調に事業を推進できている様子がうかがえます。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが213百万円のマイナスとなっており、設備投資などが行われています。財務面でも借入金が増加していることから、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていると考えられます。
配当の支払額
2023年6月期の1株当たり配当金は110円、2023年12月期の中間配当は60円となっています。安定した収益確保と株主還元を両立する方針のもと、配当性向も35%程度を維持しています。今後も高収益体質を背景に、株主への還元を継続していくことが期待されます。
今後の展望
半導体製造装置需要の中長期的な成長が見込まれる中、同社は中期経営計画「TTT-26」において、2026年3月期に860億円の売上高、120億円の営業利益の達成を目標に掲げています。設備投資需要の取り込みや、メンテナンス・消耗品販売の拡大、コストダウンなどの施策により、さらなる業績向上が期待されます。半導体および製薬業界において、「プラントメーカーの総合力」を活かし、顧客ニーズに的確に応えていくことが同社の成長につながるでしょう。
編集部のまとめ
野村マイクロ・サイエンス株式会社の2023年第3四半期決算は、売上高が大幅に増加し、利益率も大幅に改善するなど、良好な業績を残すことができました。半導体業界を中心とした設備投資需要の取り込みが奏功した結果といえるでしょう。今後も顧客ニーズに合致した提案力と収益性の高い案件獲得により、持続的な成長が期待できる企業です。同社の技術力と事業展開に期待が高まるところです。
野村マイクロ・サイエンス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算期は3月期で、決算日は3月31日です。2023年6月期の年間配当金は1株当たり110円、2023年12月期の中間配当金は1株当たり60円と、安定した株主還元を行っています。今後も高収益体質を背景に、株主への還元を継続していくことが期待されます。