シリウスビジョン株式会社の2024年第1四半期決算報告書を分析しました。同社は画像検査関連事業を営む企業で、日本でも有数の技術力を持つ企業です。今期の業績は、新製品の投入や海外事業の回復などもあり、売上高が前年同期比10%増加しました。一方、研究開発投資や新市場開拓のため、経常利益は一時的に減少しましたが、中長期的には好調な成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: シリウスビジョン株式会社
証券コード: E01675
決算期: 12月
シリウスビジョン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
シリウスビジョン株式会社の決算日は12月31日です。決算発表は、第1四半期が5月15日、本決算が3月下旬頃に行われます。
主な事業
シリウスビジョン株式会社は、主に画像検査関連事業を行っています。同社の開発する「AsmilVision」や「FlexVision」といった画像検査ソフトウェアは、ラベル印刷やボトル・容器検査など、さまざまな業界で高い評価を得ています。さらに、AIやDXを活用した新技術の研究開発にも力を入れ、印刷現場の自動化などに貢献しています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期の業績は、売上高が482百万円と前年同期比で10%増加しました。一方で、研究開発投資の継続や新製品開発などにより、経常損失は59百万円となりました。利益率は一時的に悪化しましたが、中長期的には、新技術の投入による売上拡大と収益性の向上が期待されています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高は、2023年2,287百万円、2024年第1四半期482百万円と堅調に推移しています。一方、利益面では、研究開発投資の影響などにより、経常利益は2023年120百万円、2024年第1四半期は59百万円の経常損失となりました。しかし、新製品の投入や市場開拓の進展により、中長期的な業績の回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月末の四半期連結貸借対照表は、総資産3,194百万円、純資産2,637百万円となっています。前期末と比較して、総資産は161百万円減少し、純資産は106百万円減少しました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少などによるものです。自己資本比率は80.5%と健全な水準を維持しています。
資産の部
流動資産は2,375百万円で、前期末比232百万円減少しました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少によるものです。一方、固定資産は819百万円で、71百万円増加しています。無形固定資産のソフトウエア仮勘定が増加したことが主な要因です。
負債の部
負債は557百万円で、前期末比54百万円減少しました。このうち流動負債は493百万円で、未払消費税等の減少が主な要因です。固定負債は64百万円と大きな変動はありません。
純資産の部
純資産は2,637百万円で、前期末比106百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失41百万円や為替換算調整勘定の減少などによるものです。自己資本比率は80.5%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
2023年12月期のROAは3.6%、ROEは3.3%となっています。ROAは前年同期から低下しましたが、これは主に研究開発投資の増加による一時的な減益によるものです。一方、ROEも低下傾向にありますが、これは純利益の減少と自己資本の増加によるものです。中長期的には、新製品の投入や海外事業の回復により、ROAとROEの改善が期待できます。
キャッシュフロー
2024年第1四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが50百万円の収入、投資活動によるキャッシュフローが29百万円の支出、財務活動によるキャッシュフローが37百万円の支出となりました。全体としては、16百万円の減少となっています。これは主に、受取手形及び売掛金の減少による資金の回収があった一方で、研究開発投資や配当金の支払いなどがあったためです。今後は、新製品の販売による収益の回復とキャッシュ・ポジションの改善が期待されます。
配当の支払額
シリウスビジョン株式会社は、2023年12月期の期末配当金として1株当たり10円を支払いました。2024年第1四半期の配当は行われていません。同社は、株主還元に積極的で、安定的な配当政策を維持しています。今後も、業績の進展に合わせて、株主還元の充実が期待されます。
今後の展望
シリウスビジョン株式会社は、「モノづくり現場の目視検査ゼロ」を実現するために、AI技術やDXを活用した新製品の開発に注力しています。これらの製品は、主要顧客である印刷業界から高い評価を得ており、今後の売上拡大が期待されます。また、海外事業の回復にも取り組み、中長期的な成長につなげていくことが課題となっています。同社の技術力と製品力を活かして、業界をリードする企業としての地位を確立していくことが重要です。
編集部のまとめ
シリウスビジョン株式会社の2024年第1四半期決算では、売上高は前年同期比10%増加するなど、堅調な成長を示しました。一方で、研究開発投資の継続により利益は一時的に減少しましたが、中長期的には新製品の投入や海外事業の回復により、業績の回復が期待できます。同社の画像検査技術は業界でも高い評価を得ており、今後の成長が注目されます。
シリウスビジョン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
シリウスビジョン株式会社の決算日は12月31日で、第1四半期決算は5月15日、本決算は3月下旬に発表されます。同社は、安定的な配当政策を維持しており、2023年12月期の年間配当は1株当たり10円でした。今後も株主還元の充実が期待されます。