フロイント産業株式会社の2023年11月期の決算報告が発表されました。同社は医薬品の生産設備や添加剤などを手がける企業で、この度の決算では売上高、利益ともに前年同期を上回る好業績を達成しました。医薬品業界における需要の高まりを捉えた」営業活動が功を奏したと言えるでしょう。
企業情報
企業名: フロイント産業株式会社
証券コード: 63120
決算期: 2024年2月期
フロイント産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
フロイント産業株式会社の決算期は2月末です。今回発表された第3四半期決算は2023年3月1日から11月30日までの業績報告となります。
主な事業
フロイント産業株式会社は、医薬品製造設備や医薬品添加剤などを手がける企業です。医薬品業界に特化した製品・サービスを提供しており、国内外のメーカー企業を中心に事業を展開しています。特に、ジェネリック医薬品メーカーへの設備投資需要の高まりが、同社の業績を後押ししている模様です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高141億70百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益1億18百万円(同161.5%増)と、前年同期を大きく上回りました。特に機械部門の受注残高が180億12百万円と過去最高を更新するなど、同社の主力事業が好調に推移しています。利益率も改善傾向にあり、収益力の向上が見られます。
売上・利益の推移
フロイント産業の売上高は過去3年間で19,658百万円から14,170百万円と増減があるものの、利益面では559百万円の損失から125百万円の経常利益に回復してきています。ジェネリック医薬品市場の拡大を背景に、同社の製品需要が増加傾向にあるため、今後の業績改善が期待できるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の資産合計は238億58百万円と、前期末に比べ11億円増加しました。負債合計も96億71百万円と10億円増加しており、財務体質の改善が課題となっています。一方、純資産合計は141億87百万円と、前期末から70百万円増加しており、企業としての健全性は保たれています。
資産の部
資産の部では、仕掛品が17億円、原材料及び貯蔵品が85百万円増加したものの、受取手形・売掛金及び契約資産が6億94百万円減少しています。生産設備投資に伴う在庫の積み上がりが見られます。
負債の部
負債の部では、契約負債が8億18百万円、電子記録債務が3億65百万円増加した一方で、短期借入金が2億28百万円減少しています。事業拡大に向けた設備投資資金の調達が進んでいるものと推察されます。
純資産の部
純資産の部では、為替換算調整勘定が3億20百万円増加したほか、自己株式が73百万円減少しています。一方で、利益剰余金が3億35百万円減少しており、収益の着実な積み上げが重要となってきています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期0.5%から当期0.5%と横ばいですが、ROE(自己資本利益率)は前期-3.8%から当期0.4%と改善しています。これは、主に自己資本が増加したことによるものと考えられます。今後は、収益性の向上と財務体質の強化が重要な課題となってくるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、直近の状況は不明です。ただし、前期の連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは11億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは9億円の支出となっており、一定の資金創出力を有している模様です。
配当の支払額
当社は年2回の配当を実施しています。前期の年間配当金は20円でしたが、当期第3四半期累計期間における配当は同水準の20円を維持しています。今後も安定的な配当政策を続けていくことが期待されます。
今後の展望
医薬品業界における生産設備の需要増加が続くと見られ、同社の主力事業である機械部門の受注環境は良好に推移すると予想されます。また、医薬品添加剤事業でも、国内外の製薬企業の生産増強に伴う需要の高まりが期待できます。グローバル5極体制の強化による事業拡大も、今後の成長の柱になるでしょう。
編集部のまとめ
フロイント産業株式会社の2023年11月期第3四半期決算は、売上高、利益ともに前年同期を上回る好業績でした。医薬品業界の需要増加を捉えた営業活動が功を奏した形となっています。今後も、ジェネリック医薬品や医薬品添加剤の需要増加が期待できるため、同社の業績拡大が見込まれます。ただし、一部の財務指標では改善の余地があるため、収益性の向上と財務基盤の強化にも注力していく必要があるでしょう。
フロイント産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
フロイント産業株式会社の決算日は2月末となっています。また、同社は年2回の配当を実施しており、前期の年間配当金は1株当たり20円でした。当期も同水準の配当を維持しており、安定した株主還元を行っているといえます。