この決算報告では、株式会社太平製作所の好調な業績が目立ちます。同社は木材加工機械の製造を主力事業とする企業で、木材需要の高まりを背景に売上高や利益が大幅に増加しています。コロナ禍でも堅調に事業を展開し、生産性向上や新製品開発にも取り組むなど、今後の成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社太平製作所
証券コード: 63420
決算期: 2023年3月期
株式会社太平製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社太平製作所の決算日は3月31日で、決算時期は4月〜6月頃に行われます。四半期報告書は、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月の各第3四半期の決算内容が公表されています。
主な事業
株式会社太平製作所は、合板製造機械やフィンガージョイントマシンなどの木工機械の製造が主力事業です。住宅建材事業としては、2×4工法の住宅用パネルの製造販売も手がけています。国内の木材産業を支える重要な役割を担っている企業といえます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は6,216百万円と前年同期比で33.1%の大幅増加となりました。利益面では、営業利益が893百万円と83.8%増、経常利益が909百万円と78.3%増と伸長しています。需要の高まりと生産性向上への取り組みが奏功した結果といえるでしょう。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移をみると、コロナ禍の影響を受けつつも、徐々に売上高と利益が増加傾向にあります。特に、当期第3四半期の業績は好調で、通期でも大幅な増益が期待できそうです。同社は新製品開発や生産性向上にも取り組んでおり、今後の成長への期待も高まっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は11,612百万円と、前連結会計年度末に比べて17.0%の大幅増加となりました。これは主に受注増加に伴う売掛金やたな卸資産の増加などが要因です。
資産の部
流動資産は9,315百万円と前連結会計年度末比18.2%増加しています。現金及び預金、受取手形・売掛金などが大きく増加しています。固定資産は2,296百万円と12.2%増加しており、投資その他の資産が増加しています。
負債の部
流動負債は4,844百万円と前連結会計年度末比32.4%増加しており、受注増加に伴う前受金の大幅増加が主な要因です。固定負債は420百万円と0.4%減少しています。
純資産の部
純資産合計は6,346百万円と前連結会計年度末比8.6%増加しました。利益剰余金が増加したことが主な要因です。自己資本比率は54.7%となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は当第3四半期累計期間で7.8%、ROE(自己資本利益率)は9.9%となっています。前年同期と比べてROA、ROEともに大幅に改善されており、収益性が向上していることがわかります。需要拡大に加え、生産性向上などの経営改善への取り組みが奏功した結果だと言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは詳細が記載されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローが大幅な黒字となっていることがうかがえます。受注と売上の増加に伴い、売上債権やたな卸資産が増加したことで運転資金需要が高まっていると考えられます。設備投資などの投資活動への資金使途も気になるところです。
配当の支払額
当期の中間配当は1株当たり50円と、前年同期比で25円の増配となっています。通期の年間配当金は合計110円の見通しで、増配基調が続いています。業績好調を反映した配当施策だと言えるでしょう。株主還元にも力を入れている企業と評価できます。
今後の展望
需要の高まりを背景に、今後も売上と利益の増加が期待できそうです。特に合板機械事業の伸びが顕著で、引き続き経済情勢に留意しつつ、グローバル展開の加速や新製品の開発に積極的に取り組んでいく方針のようです。住宅建材事業も厳しい環境ではありますが、製品の差別化などで収益性の改善を図っていきたいと考えています。
編集部のまとめ
この決算報告を見る限り、株式会社太平製作所は木材加工機械の需要拡大を捉え、大幅な増収増益を果たしています。コロナ禍の影響も徐々に和らぎ、設備投資の回復基調もうかがえます。生産性向上やグローバル展開、新製品開発にも取り組み、持続的な成長が期待できる企業といえるでしょう。株主還元も強化しており、株主としても安心して保有できそうです。
株式会社太平製作所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社太平製作所の決算日は3月31日で、四半期報告書は4-6月、7-9月、10-12月の第3四半期の決算内容が公表されています。配当については、当期の中間配当は1株50円、通期の年間配当見通しは110円と、増配基調が続いています。業績好調を反映した配当政策だと評価できます。