株式会社椿本チエインの2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は前年同期比7.6%増の1,968億円と好調な業績となりました。中国やアメリカでの販売が伸び、営業利益も同4.0%増と改善傾向にあります。海外需要の取り込みが業績を押し上げている様子です。また、経常利益は同3.2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同9.5%増と、各利益段階で前年同期を上回る結果となりました。
企業情報
企業名: 株式会社椿本チエイン
証券コード: 6371
決算期: 3月期
株式会社椿本チエインの決算日・決算時期(スケジュール)は?
椿本チエインの決算期は3月期で、毎年6月下旬に定時株主総会を開催し、決算内容の報告を行っています。また、第2四半期(9月期)と第4四半期(3月期)には四半期決算が行われ、その結果が開示されます。
主な事業
椿本チエインは、チェーン、モーションコントロール、モビリティ、マテリアルハンドリングの4つの事業領域を展開しています。チェーンは工場や物流現場で使用される各種チェーンの製造・販売が中心で、モーションコントロールは自動化機器向けの駆動部品の製造、モビリティは自動車向けのタイミングチェーンシステムの製造、マテリアルハンドリングは搬送・プロセス機器の製造が主な事業内容となっています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期の業績は、売上高が前年同期比7.6%増の1,968億円と好調でした。各事業セグメントでも増収となり、特にモビリティ事業が10.8%増と大きく伸びています。一方、利益面では、営業利益が同4.0%増の143億円、経常利益が同3.2%増の161億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.5%増の119億円と、堅調に推移しています。
売上・利益の推移
椿本チエインの業績は近年右肩上がりで推移しており、2022年度の売上高は2,515億円、経常利益は209億円、当期純利益は137億円と過去最高を更新しました。第3四半期までの決算でも好調に推移しており、通期でも増収増益が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は3,737億円となり、前期末から278億円の増加となっています。これは主に現金及び預金が135億円増加したことや投資有価証券が85億円増加したことが要因です。一方、負債合計は1,295億円で、前期末から102億円増加しました。
資産の部
資産の部では、流動資産が前期末比176億円増加の1,996億円となりました。これは現金及び預金の増加や電子記録債権の増加が主な要因です。また、固定資産も102億円増加の1,740億円となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が前期末比119億円増加の775億円となりました。これは電子記録債務の増加や未払費用の増加が主な要因です。固定負債も50億円増加の520億円となっています。
純資産の部
純資産の部では、176億円増加の2,441億円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加や利益剰余金の増加によるものです。自己資本比率は64.7%となっています。
ROAとROE
椿本チエインのROA(総資産利益率)は5.3%、ROE(自己資本利益率)は4.9%となっています。ROAは前年同期から0.3ポイント改善し、ROEは0.4ポイント改善しており、収益性が向上していることがわかります。今後はさらなる設備投資や研究開発投資を通じて、生産性と収益性の向上を目指していくと考えられます。
キャッシュフロー
キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは231億円のプラス、一方で投資活動によるキャッシュ・フローは93億円のマイナスとなっています。これにより、フリー・キャッシュ・フローは137億円のプラスと、財務体質が強化されている状況です。今後の設備投資や成長投資に活用されていくものと期待されます。
配当の支払額
椿本チエインは年2回の配当を実施しており、直近の第2四半期(9月期)配当では1株当たり60円、通期では1株当たり130円の配当を予定しています。この水準は前期実績から横ばいで、配当性向は約35%となっています。今後も安定配当を維持していく方針です。
今後の展望
椿本チエインでは、長期ビジョン「2030年のありたい姿」の実現に向けて、既存事業の収益力強化と新事業開発に注力しています。世界各地での販売拡大やESG経営の推進などを通じて、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献していく考えです。通期業績予想については、売上高2,600億円、営業利益180億円、経常利益205億円、当期純利益140億円と、過去最高水準を更新する見通しです。
編集部のまとめ
椿本チエインの2023年12月期第3四半期の決算は、好調な業績となりました。国内外での販売が増加し、各利益段階で前年同期を上回る結果となっています。また、財務面でも現金が増加するなど、健全な経営状態にあると言えます。今後も既存事業の強化と新事業開発に注力し、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
株式会社椿本チエインの決算日や配当についてまとめました。
椿本チエインは3月決算で、6月下旬に定時株主総会を開催しています。配当については年2回(中間配当と期末配当)行っており、直近では1株当たり60円の中間配当を実施しています。通期では130円の配当を計画しており、配当性向は約35%となっています。今後も安定配当を続けていく見通しです。