油研工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が公表されました。同社は、建設機械やショベル、フォークリフトなどに使用されるさまざまなアクセサリー製品を手掛ける企業です。今回の決算では、売上高が前年同期並みを維持したものの、利益面では減少しました。ただし、資産と負債のバランスは良好で、財務状況は健全に推移しています。
企業情報
企業名: 油研工業株式会社
証券コード: 6390
決算期: 3月期
油研工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
油研工業株式会社の決算日は3月31日です。また、四半期決算の発表時期は、第1四半期が8月、第2四半期が11月、第3四半期が2月、そして本決算は6月に行われます。
主な事業
油研工業株式会社は、主に建設機械、ショベル、フォークリフトなどに使用される各種アクセサリー製品の開発・製造・販売を行っています。製品の多くは油圧制御機器で、国内外の建機メーカーや代理店などに広く供給されています。同社は国内外の生産拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
今第3四半期の業績は、売上高が213億15百万円とほぼ前年同期並みを維持しました。一方で、営業利益は8億68百万円と前年同期比で8.5%減少しており、経常利益も10億47百万円と10.4%の減少となりました。減益の主な要因は、原材料価格の高騰などによるコスト増加が影響しています。
売上・利益の推移
同社の過去3年の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2021年3月期の216億84百万円から2023年3月期には286億84百万円と大幅に増加しています。一方で、利益面では、2022年3月期に最高益を更新したものの、その後は減益基調に転じています。原材料高などのコスト上昇が足かせとなっている状況です。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が424億57百万円と、前期末比で16億59百万円増加しています。負債合計も170億44百万円と前期末比で6億42百万円増加しています。自己資本比率は51.6%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が61億73百万円と前期末比で12億23百万円増加したほか、有形固定資産が94億8百万円と5億18百万円増加しています。一方で、受取手形及び売掛金は減少しました。
負債の部
負債の部では、短期借入金が36億26百万円と前期末比で7億89百万円増加しています。長期借入金も25億51百万円と4億26百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が123億25百万円と前期末比で1億52百万円増加しています。一方で、自己株式が増加しており、純資産合計は254億12百万円と前期末比で10億17百万円増加しました。
ROAとROE
油研工業のROA(総資産利益率)は2.5%、ROE(自己資本利益率)は4.8%となっています。前期に比べ、いずれも低下しています。これは、売上高は維持しつつも、利益面での減少により、収益性が低下したことが影響しています。今後は原材料高等の外部要因への対策が課題となっています。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは21億5百万円の収入となり、前年同期比で29億31百万円の増加となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは7億75百万円の支出で、前年同期比で1億36百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1億51百万円の支出と、前年同期比で4億75百万円の増加となっています。この結果、現金及び現金同等物は61億73百万円となりました。
配当の支払額
油研工業は前期(2023年3月期)に1株当たり100円の期末配当を実施しました。また、今期(2024年3月期)の第2四半期の配当も1株当たり100円と、前年同期と同水準の配当を行っています。業績が堅調に推移する中、株主還元にも積極的に取り組んでいる様子がうかがえます。
今後の展望
油研工業は、建設機械市場の回復を背景に、引き続き国内外の顧客への製品供給を拡大していく計画です。一方で、原材料価格高騰など、収益面への懸念も指摘されています。今後は、コスト管理の強化や生産性の向上などに取り組み、収益基盤の強化を図っていくことが重要になると考えられます。
編集部のまとめ
油研工業は、建設機械関連分野での地位を確立した企業です。今回の決算では、売上高は前年同期並みを維持したものの、利益面では減少となりました。財務体質は健全で、安定配当も実施しているなど、企業基盤は堅調に推移していると言えます。今後は、原材料高などの外部要因への対応が課題になると見られますが、生産性向上やコスト管理に注力し、収益力の強化を目指していくことが重要だと考えられます。
油研工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
油研工業株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は8月、11月、2月に発表されています。また、同社の配当金は1株当たり100円と安定的に推移しています。これまでの業績からも、同社は建設機械関連分野で確固たる地位を築いている企業といえます。今後は、原材料高などの影響に対する対応力強化が課題になると考えられます。