理想科学工業株式会社の2023年度第3四半期決算がリリースされました。この企業は高速プリンターを中心とした印刷機器事業を展開している会社で、中期的にインクジェット事業の拡大を目指しています。今期の業績は前年同期と比べ売上高は横ばいながら、営業利益は減益となりました。
企業情報
企業名: 理想科学工業株式会社
証券コード: 64130
決算期: 2023年3月期
理想科学工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
理想科学工業株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は12月31日が基準日となっています。決算短信の提出は2月中旬頃に行われます。
主な事業
理想科学工業株式会社は、高速カラープリンター「オルフィス」を中心としたインクジェット事業と、デジタル印刷機「リソグラフ」を主とした孔版事業を行っています。また、ビルの賃貸を行う不動産事業や、プリントクリエイト事業、デジタルコミュニケーション事業、アプリケーションソフトウェア事業などにも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は529億55百万円と前年同期並みでしたが、営業利益は31億97百万円と前年同期比11.8%減少しました。営業利益率は6.0%となっています。特別利益として退職給付制度改定益4億32百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比0.2%増の28億42百万円となりました。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高は概ね500億円台で推移しています。営業利益は2021年度が最高の48億円台でしたが、その後は減益傾向にあります。2023年度第3四半期は31億97百万円と、前年同期比11.8%の減益となりました。一方で、純利益は前年同期並みを確保しています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は825億35百万円と、前連結会計年度末から22億37百万円減少しています。負債合計は198億3百万円で、前連結会計年度末から10億72百万円減少しました。純資産は633億32百万円と、前連結会計年度末から9億63百万円減少しています。
資産の部
主な変動は、受取手形及び売掛金が33億32百万円減少したものの、商品及び製品が3億13百万円、投資有価証券が7億46百万円増加しています。
負債の部
支払手形及び買掛金が1億1百万円増加しましたが、未払法人税等が10億36百万円減少しました。
純資産の部
利益剰余金が78億9百万円、自己株式が56億87百万円減少しましたが、為替換算調整勘定が8億52百万円増加しました。この結果、自己資本比率は0.9ポイント上昇し76.7%となっています。
ROAとROE
ROAは前年同期の4.5%から4.3%に低下しました。一方でROEは前年同期の4.5%から4.4%とほぼ横ばいで推移しています。売上総利益率は前年同期の56.5%から58.0%へ上昇したものの、販売費及び一般管理費が増加したことでROAが低下しています。ROEがほぼ横ばいなのは、自己資本が増加していることが影響しています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については、四半期連結財務諸表の注記事項に記載のとおり、詳細な情報が開示されていません。営業活動によるキャッシュ・フローや投資活動によるキャッシュ・フローなどの推移と、それらの要因について分析することができません。
配当の支払額
理想科学工業株式会社は、2023年6月27日開催の定時株主総会の決議に基づき、1株当たり120円の期末配当を実施しました。前事業年度の期末配当は100円(うち創業75周年記念配当40円)でしたので、今期は20円増配となっています。
今後の展望
理想科学工業株式会社は、2025年3月期を最終年度とする第八次中期経営計画「RISO Vision 25」を推進しており、インクジェット事業の拡大と顧客志向に基づく販売企画体制の構築に取り組んでいます。今期はインクジェット事業の海外売上が好調だった一方で、日本市場での反動減などの影響を受けたものの、今後はインクジェットヘッド事業の承継により、さらなる事業拡大が期待されます。
編集部のまとめ
理想科学工業株式会社の2023年度第3四半期決算は、売上高は前年同期並みを維持したものの、一部事業の反動減により営業利益は減少しました。一方で、特別利益の計上により純利益は前年同期並みを確保しています。今後は新中期経営計画に沿って、インクジェット事業の拡大に取り組んでいく方針です。今回の決算では、インクジェットヘッド事業の承継による新たな成長も期待されます。
理想科学工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
理想科学工業株式会社の決算日は3月31日、第3四半期決算は12月31日が基準日となっています。直近の配当は、2023年6月27日開催の定時株主総会の決議に基づき、1株当たり120円の期末配当を実施しました。前年より20円の増配となっています。