株式会社ニチダイの2023年12月期第3四半期決算報告書について分析しました。同社は京都府に本社を置く金型・精密部品・フィルタ事業を手掛ける企業です。自動車業界向けが主力で、同業界の需要に大きく影響を受けています。
企業情報
企業名: 株式会社ニチダイ
証券コード: 64670
決算期: 2023年3月期
株式会社ニチダイの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ニチダイの決算日は3月31日で、決算短信は5月中旬に、有価証券報告書は6月下旬に公表されます。第2四半期決算と第4四半期決算は、それぞれ11月と5月に決算短信が発表されます。
主な事業
株式会社ニチダイは、金型事業、精密部品事業、フィルタ事業の3つを主要な事業領域としています。金型事業では自動車向けの精密鍛造金型の製造、精密部品事業では自動車のターボチャージャー部品の製造、フィルタ事業では自動車用エアクリーナ用フィルタの製造などに取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
第3四半期累計期間の業績は、売上高82億7,291万円、営業損失1億6,152万円、経常損失7,534万円、親会社株主に帰属する四半期純損失1億2,982万円となりました。利益率では、売上総利益率が18.4%となっています。
売上・利益の推移
最近3期の売上高は、2022年3月期が108億4,760万円、2023年3月期第3四半期が82億7,291万円、2024年3月期第3四半期が82億7,291万円と推移しています。利益面では、2022年3月期は経常損失6,577万円、2023年3月期第3四半期は経常損失7,534万円となっており、赤字が続いている状況です。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表では、総資産が155億3,399万円、負債が41億5,425万円、純資産が113億7,973万円となっています。
資産の部
主な資産は、現金及び預金39億9,841万円、受取手形及び売掛金24億1,709万円、有形固定資産50億7,039万円などとなっています。
負債の部
主な負債は、買掛金10億5,675万円、短期借入金8億円、長期借入金55億6,161万円などとなっています。
純資産の部
純資産の主な内訳は、資本金14億2,992万円、資本剰余金11億9,285万円、利益剰余金66億2,947万円、為替換算調整勘定8億3,050万円などです。
ROAとROE
2023年3月期のROA(総資産経常利益率)は-0.4%、ROE(自己資本利益率)は-0.6%となっています。このように、収益性が低下しているため、経営効率の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
2023年12月期第3四半期累計のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが2億7,155万円の収入、投資活動によるキャッシュフローが5億2,039万円の支出、財務活動によるキャッシュフローが2億6,991万円の支出となっています。設備投資に加え、借入金の返済などにより資金が減少しています。
配当の支払額
2023年3月期の年間配当金は6円でしたが、2024年3月期第2四半期(中間期)では4円の配当を実施しています。業績の厳しい状況を反映し、配当金は減少傾向にあります。
今後の展望
自動車業界の生産回復に期待しつつ、原材料価格高騰への対応や生産性の向上に取り組むとしています。また、環境対応製品の拡充などにも注力していく方針です。同社の主要顧客である自動車メーカーの業績次第で、今後の業績動向にも影響があると考えられます。
編集部のまとめ
株式会社ニチダイは、主力の自動車関連事業が厳しい環境にあるため、収益性の改善が大きな課題となっています。原材料高騰への対応や生産性向上、環境対応製品の拡充など、業績回復に向けた取り組みに注目していく必要があります。今後の自動車市場の動向次第では、同社の業績にも大きな影響があると考えられます。
株式会社ニチダイの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ニチダイの決算日は3月31日で、決算短信は5月中旬、有価証券報告書は6月下旬に公表されています。また、配当は2023年3月期が年間6円、2024年3月期第2四半期(中間期)が4円と、業績の悪化を反映して減少傾向にあります。