株式会社 放電精密加工研究所は、さまざまな金属加工技術を駆使して、航空機エンジン部品やクロムフリー塗料など高精度な製品を提供しています。この度の決算報告では、需要回復に加えて価格転嫁とコスト削減などの取り組みにより、業績が着実に改善していることがわかりました。今後も自社製品の拡販など、景気に左右されにくい事業体制を目指していくことが期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社 放電精密加工研究所
証券コード: 64690
決算期: 2024年2月期
株式会社 放電精密加工研究所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社 放電精密加工研究所の決算日は2月28日です。第3四半期決算は2023年11月30日に行われています。
主な事業
株式会社 放電精密加工研究所は、精密金属加工技術を核とした事業を展開しています。主な事業は、放電加工・表面処理、金型、機械装置等の3つのセグメントで構成されています。航空機エンジン部品や環境・エネルギー関連部品、住宅用アルミ押出金型、自動車用セラミックスハニカム金型など、高精度な製品を製造し提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が8,811百万円と前年同期並みを確保できました。利益面では、資源費やエネルギー費の高騰の影響を受けつつも、増収と価格転嫁およびコスト削減効果により、営業利益が92百万円、経常利益が89百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が87百万円と、黒字に転換しました。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は11,679百万円から8,784百万円、8,811百万円と推移しています。一方、経常利益は△322百万円から△242百万円、89百万円と改善してきました。短期的に資源高やエネルギー費高の影響を受けつつも、中長期的には航空機や環境・エネルギー分野の需要回復とともに、業績の改善が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産が15,873百万円と前期末比1,043百万円増加しました。負債合計は10,901百万円と952百万円増加しましたが、純資産は4,972百万円と90百万円増加しています。
資産の部
流動資産は7,043百万円と前期末比745百万円増加しました。現金及び預金の増加や売掛金、仕掛品の増加などによるものです。固定資産は8,830百万円と298百万円増加し、土地や機械装置の増加が主な要因です。
負債の部
流動負債は7,027百万円と944百万円増加しました。支払手形及び買掛金の減少はありましたが、電子記録債務の増加や短期借入金の増加が影響しています。固定負債は3,873百万円と9百万円増加しました。
純資産の部
純資産は4,972百万円と前期末比90百万円増加しました。利益剰余金の減少はありましたが、その他有価証券評価差額金の増加や為替換算調整勘定の増加、非支配株主持分の増加などによるものです。
ROAとROE
ROAは前期の△2.18%から当期は0.55%へと改善し、ROEも前期の△26.36%から当期は1.77%と改善しています。経営効率の向上と収益性の回復が進んでいる様子がうかがえます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが375百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが△366百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが528百万円のプラスとなりました。全体としてキャッシュ・ポジションが538百万円改善しています。
配当の支払額
当事業年度の期末配当金は1株当たり20円と決定されています。また、中間配当においても1株当たり20円の配当を実施しており、年間配当金は1株当たり40円となる見込みです。株主還元の積極化が期待されます。
今後の展望
株式会社 放電精密加工研究所は、「自社製品の拡販」や「価格転嫁」「コスト削減」などに注力し、景気変動の影響を受けにくい事業体制の構築を目指しています。加えて、成長分野である航空・宇宙分野や環境・エネルギー分野での受注回復にも期待が高まっています。今後の業績改善と株主還元の継続が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社 放電精密加工研究所は、航空機部品や環境エネルギー関連部品など高精度な製品を提供する企業です。当期は資源高やエネルギー費高の影響を受けつつも、増収と価格転嫁、コスト削減により収益性の改善が見られました。自社製品の拡販などによる安定収益基盤の構築が期待されるとともに、株主還元にも注力していく方針です。今後の成長が期待される企業といえるでしょう。
株式会社 放電精密加工研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社 放電精密加工研究所の決算日は2月28日で、第3四半期決算は2023年11月30日に行われています。配当については、年間配当金が1株当たり40円となる見込みで、株主還元の積極化が期待されます。