日本精工株式会社の決算報告書を分析しましたので、その内容をご紹介したいと思います。日本精工株式会社は、産業機械事業や自動車事業を手掛ける大手メーカーです。今回の第3四半期の決算では、新型コロナの影響が和らぐ中で、売上高が前年同期比1.2%増の5,880億円となりました。一方で、原材料高の影響などから営業利益は35.4%減の193億円となりました。今後は中国経済の動向や地政学リスクなど、先行きの不透明感はありますが、自動車の電動化やデジタル化など、成長分野での取り組みを強化し、業績の回復を目指していきます。
企業情報
企業名: 日本精工株式会社
証券コード: 6471
決算期: 2023年3月期
日本精工株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本精工株式会社の決算日は3月31日となっています。毎年5月に期末決算を、2月に第3四半期決算を発表しています。
主な事業
日本精工株式会社は、産業機械事業と自動車事業を手掛けています。産業機械事業では、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システムの製造・販売を行っています。自動車事業では、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受及び自動車部品等の製造・販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績では、売上高が前年同期比1.2%増の5,880億円となりました。一方で、利益面では営業利益が35.4%減の193億円となりました。これは、原材料高の影響などによるものと見られます。全体としては、景気の回復基調の中で、堅調に推移しているものの、収益性の改善が課題となっていると言えるでしょう。
売上・利益の推移
当社の業績を見ると、売上高は堅調に推移しています。第3四半期連結累計期間では、前年同期比1.2%増の5,880億円となりました。一方、営業利益は前年同期比35.4%減となっています。これは、原材料高などのコスト増加の影響を受けたためと考えられます。今後は、電動化やデジタル化などの成長分野での取り組みを強化し、収益力の向上につなげていく必要があります。
四半期連結貸借対照表について
四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は1兆2,610億円となっています。前期末から278億円増加しました。負債合計は6,232億円で、前期末から247億円増加しています。一方、資本合計は6,378億円となり、前期末から30億円増加しました。自己資本比率は49.2%と、健全な財務体質を維持できています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が1,630億円と、前期末から29億円増加しています。また、棚卸資産が1,845億円と、前期末から13億円減少しています。
負債の部
負債の部では、仕入債務及びその他の債務が1,409億円と、前期末から89億円増加しています。また、金融負債が3,536億円と、前期末から49億円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が4,131億円と、前期末から22億円増加しています。また、その他の資本の構成要素が1,200億円と、前期末から28億円増加しています。
ROAとROE
当社のROAは1.5%、ROEは0.8%となっています。ROAは前年同期比で0.8ポイント低下し、ROEは1.6ポイント低下しています。これは、主に原材料高などのコスト増加により、利益率が低下したことが影響しています。今後は、収益性の改善に向けて、成長分野への投資や構造改革などに取り組んでいく必要があります。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業キャッシュ・フローは892億円の収入となりました。これは前年同期比で435億円の増加です。一方、投資キャッシュ・フローは822億円の支出となり、前年同期比で481億円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得や子会社株式の売却によるものです。財務キャッシュ・フローは70億円の支出となり、前年同期比で35億円の減少となりました。全体としては、現金及び現金同等物の残高が前期末から29億円増加し、1,630億円となっています。
配当の支払額
当社は、中間配当金を1株当たり15円、期末配当金も1株当たり15円を予定しています。これにより、年間配当金は1株当たり30円となる見通しです。この水準は前期と同額となっています。配当性向は約34%を見込んでおり、株主への利益還元を行っています。
今後の展望
当社は、2022年度から2026年度までの5ヵ年を「中期経営計画2026」と位置付け、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいます。今後は、自動車の電動化やデジタル化などの成長分野での競争力強化、さらには新商品の開発と市場投入などにより、収益性の向上と持続的な企業価値の向上を目指していきます。世界経済の先行き不透明感も残されていますが、経営基盤の強化と新分野への取り組みで、中長期的な成長を実現していくことが期待されます。
編集部のまとめ
日本精工株式会社は、産業機械事業と自動車事業を主軸に据え、事業の収益性向上に取り組んでいます。当第3四半期決算では、売上高は堅調に推移したものの、原材料高の影響などから利益は減少しました。しかし、今後は自動車の電動化やデジタル化など、成長分野での取り組みを強化し、中長期的な企業価値の向上を目指していく方針です。財務体質も健全で、安定した配当も行っていることから、日本を代表する製造業として、今後の動向が注目されます。
日本精工株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本精工株式会社の決算日は3月31日で、毎年5月に期末決算、2月に第3四半期決算を発表しています。配当は中間配当、期末配当ともに1株当たり15円を予定しており、年間配当は1株当たり30円となる見通しです。配当性向は約34%を見込んでいます。