この度の山洋電気株式会社の決算報告は、企業の堅調な業績を示している印象です。コロナ禍からの回復基調を確認でき、今後の安定成長に期待が持てる決算内容になりました。
企業情報
企業名: 山洋電気株式会社
証券コード: 6506
決算期: 3月
山洋電気株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
山洋電気株式会社の決算は、3月31日を期末とする年1回の決算となっています。第3四半期までの状況が報告されており、今回は2023年12月31日時点の四半期決算報告書となります。
主な事業
山洋電気株式会社は、冷却ファン、電源機器、サーボモータなどの製造・販売を中心とする電気機器メーカーです。国内外で幅広い事業展開を行っており、特に製造業向けのファクトリーオートメーション製品が同社の主力事業となっています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間(2023年4月~12月)の連結業績は、売上収益86,556百万円、営業利益9,674百万円と前年同期から減収減益となりました。しかし、税引前四半期利益は10,663百万円と増益基調にあり、堅調な収益力を示しています。
売上・利益の推移
売上収益は前年同期比で3.1%減少しましたが、営業利益は前年同期比で0.4%減少にとどまっています。一方、税引前四半期利益は前年同期比で1.8%増加と、収益性の維持・向上が図られています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の連結貸借対照表は、資産合計145,692百万円、負債合計42,368百万円、純資産合計103,324百万円となっています。前期末から純資産が約10,100百万円増加するなど、財務体質の強化が進んでいます。
資産の部
流動資産が減少したものの、有形固定資産の増加などにより、総資産は前期末比1,820百万円増加しています。現金及び現金同等物が2,725百万円増加し、安定した資金繰りが確保されています。
負債の部
借入金が大幅に減少したことなどから、負債合計は8,286百万円減少しています。有利子負債の削減が進み、財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産合計は10,107百万円増加し、自己資本比率は70.9%と高水準を維持しています。利益剰余金の積み上がりと為替変動による増加により、財務基盤が強化されています。
ROAとROE
ROAは前期末の6.5%から当第3四半期末の6.8%に改善。ROEも前期末の12.2%から当第3四半期末の12.1%と高水準を維持しています。収益力の向上と財務体質の改善により、企業価値の向上が図られています。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが15,969百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが5,548百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが8,507百万円の減少となり、現金及び現金同等物は2,725百万円増加しています。
配当の支払額
当第3四半期累計期間における配当金の支払額は、中間配当が848百万円、期末配当が847百万円となっています。配当性向は約22%と、株主還元も着実に実施されています。
今後の展望
冷却ファンなどの主力製品は、EV関連や高性能サーバなどの需要が好調に推移しており、引き続き中長期的な成長が期待できます。一方で、半導体関連製品の需要減退が課題となっています。収益性の高い新製品の開発や、事業の多角化などに取り組み、安定成長を目指していくものと考えられます。
編集部のまとめ
山洋電気株式会社の今回の決算は、コロナ禍からの確実な回復基調にあり、業績面でも安定した収益力を維持しています。また、財務体質の改善も進み、健全な経営基盤の構築が進んでいると評価できます。冷却ファンなどの主力製品は今後も需要拡大が見込まれ、持続的な成長への期待が持てる決算内容となっています。
山洋電気株式会社の決算日や配当についてまとめました。
山洋電気株式会社の決算は、3月31日を期末とする年1回の決算となっています。今回の決算は第3四半期までの状況が報告されたものです。配当については、中間配当が1株70円、期末配当が1株70円と、年間140円の配当を実施しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。