株式会社日宣の2023年11月期第3四半期決算が発表されました。売上高3,885百万円と前年同期比で微増、営業利益は199百万円と26%減となりましたが、着実に業績を積み上げている企業です。広告宣伝事業を中心に、ケーブルテレビ局向け「チャンネルガイド」の編集・制作や、住宅・暮らし関連業界への広告・マーケティング支援などを展開しています。今後も「コミュニティ発想」のビジネスを強化し、企業価値の向上を目指していく方針です。
企業情報
企業名: 株式会社日宣
証券コード: 65430
決算期: 2月末
株式会社日宣の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社日宣の決算日は2月末です。第3四半期決算は11月30日、年次決算は2月末に行われます。
主な事業
株式会社日宣は、「広告宣伝事業」と「その他」の2つのセグメントで事業を展開しています。広告宣伝事業では、全国のケーブルテレビ局向けの「チャンネルガイド」の編集・制作や、住宅・暮らし関連業界、外食チェーンなどへの広告・マーケティングサービスを提供しています。また、自社メディアを活用したフリーペーパーの発行なども手がけています。その他セグメントでは、子会社の印刷事業なども行っています。
今期の業績と利益率は?
2023年11月期第3四半期の業績は、売上高3,885百万円、営業利益199百万円となりました。前年同期比では売上高が0.9%増加しましたが、営業利益は26.1%減少しました。利益率は営業利益率が5.1%と低下しています。これは用紙価格の高騰や印刷費用の上昇の影響を受けたためです。
売上・利益の推移
最近3年間の売上高と利益の推移をみると、2021年2月期に売上高5,058百万円、営業利益244百万円と過去最高業績を記録しました。その後は一時的な落ち込みがありましたが、2023年11月期第3四半期では売上高3,885百万円、営業利益199百万円と回復傾向にあります。今後のさらなる成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社日宣の2023年11月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産4,556百万円、負債1,342百万円、純資産3,213百万円となっています。前連結会計年度末と比べ、総資産は19百万円増加、負債は49百万円減少、純資産は68百万円増加しています。財務基盤は自己資本比率70.5%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が1,305百万円と大きな割合を占めています。また、受取手形及び売掛金が659百万円、有形固定資産が1,682百万円となっています。前期末から資産総額が19百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、買掛金が481百万円、長期借入金が296百万円となっています。前期末から49百万円減少しており、財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、資本金が347百万円、利益剰余金が2,740百万円となっています。前期末から68百万円増加しており、自己資本比率は70.5%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社日宣のROA(総資産経常利益率)は3.9%、ROE(自己資本当期純利益率)は4.0%となっています。前年同期に比べROAは1.6ポイント、ROEは1.8ポイント低下しましたが、依然として高い水準を維持しています。これは用紙価格や印刷費用の上昇により利益率が低下したためです。今後は収益性の向上に向けて、さらなるコストコントロールや新規事業の開拓が重要になってきます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが132百万円の収入となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが289百万円の支出となっています。これは株式会社東京ニュース通信社よりケーブルテレビ向けの事業の一部を譲り受けたことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは79百万円の支出となり、結果として現金及び預金が371百万円減少しました。
配当の支払額
株式会社日宣は、2023年5月に1株当たり21円の期末配当を実施しました。前年同期比では1円減少していますが、配当性向は60.1%と高水準を維持しており、株主還元に積極的な企業です。
今後の展望
株式会社日宣は、「コミュニティ発想」のビジネス化と成長基盤構築による企業価値向上を目指しています。全国のケーブルテレビ局向けの「チャンネルガイド」事業や、住宅・暮らし関連業界への広告・マーケティング支援などを強化していく方針です。また、自社メディアを活用したフリーペーパーの発行など、ライフスタイルコミュニティの開発にも取り組んでいきます。これらの施策により、安定的な収益基盤の構築を図っていく考えです。
編集部のまとめ
株式会社日宣は、ケーブルテレビ局向けの「チャンネルガイド」事業や、住宅・暮らし業界への広告・マーケティング支援を中心として、着実に業績を積み上げています。第3四半期の決算では売上高が微増したものの、利益率は低下しました。今後は収益性の改善に向けて、コストコントロールや新規事業の開拓が重要になってきます。株主還元面では、高水準の配当性向を維持しており、株主重視の経営姿勢が窺えます。今後の成長に期待が高まる企業といえるでしょう。
株式会社日宣の決算日や配当についてまとめました。
株式会社日宣の決算日は2月末です。そのため、第3四半期決算は11月30日に行われます。配当については、2023年5月に1株当たり21円の期末配当を実施しており、配当性向は60.1%と高水準を維持しています。今後も株主還元に注力していく方針のようです。