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三櫻工業株式会社(6584)の最新の決算報告を分析してみました。自動車部品製造を手掛ける同社は、足元の業績が大幅に改善しており、今後の成長に期待が高まっています。
企業情報
企業名: 三櫻工業株式会社
証券コード: 6584
決算期: 3月期
三櫻工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三櫻工業株式会社の決算は3月期となっています。つまり、毎年3月31日が会計年度の期末日で、その決算短信が5月中旬に発表されます。
主な事業
三櫻工業株式会社は、自動車部品の製造・販売が主力事業です。具体的には、燃料系、冷却系、油圧系などの自動車用配管部品を世界各国の自動車メーカーに供給しています。
特に近年は、電気自動車(EV)需要の伸びに着目し、EVアプリケーション向けの部品開発にも注力しています。今後のさらなる事業拡大が期待されます。
今期の業績と利益率は?
三櫻工業株式会社は、直近の第3四半期累計期間(2023年4月~12月)で、売上高1,147億円、営業利益55億円と大幅な増収増益を達成しました。
特に営業利益は前年同期の278億円の損失から一転して黒字転換しており、利益率も大幅に改善しています。コスト管理の徹底とともに、主要得意先の生産回復により収益性が向上した結果といえます。
売上・利益の推移
三櫻工業は、2023年3月期の業績が大きく改善する見通しです。前年同期比で売上高は13.8%増、営業利益は5.5億円から55億円と大幅な伸びを示しています。
この背景には、主要市場である北米や欧州での自動車生産台数の回復に加え、円安による為替換算効果も寄与しています。材料価格高騰や人件費増加といった課題はあるものの、価格転嫁などの取り組みにより収益力を高めていることが分かります。
四半期連結貸借対照表について
三櫻工業の最新の四半期連結貸借対照表を確認すると、総資産が1,071億円と前期末比99億円の増加となっています。
資産の部
流動資産は623億円で、受取手形・売掛金の増加などから前期末比53億円増加しています。また固定資産は448億円と、機械装置の増加などから46億円増加しています。
負債の部
負債合計は611億円と前期末比38億円増加。短期借入金が増えた一方で、長期借入金は減少しています。
純資産の部
純資産は460億円で、前期末比61億円の増加。為替換算調整勘定の増加や利益剰余金の積み上がりなどにより、自己資本比率は39.9%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
三櫻工業の収益性を示す指標として、ROA(総資産経常利益率)は4.8%、ROE(自己資本当期純利益率)は7.7%となっています。
前年同期と比べると大幅に改善しており、特にROEについては前期のマイナス5.3%から大きく回復しています。自動車需要の回復と同社の収益改善努力が功を奏した結果といえるでしょう。
キャッシュフロー
三櫻工業は当第3四半期累計期間、営業キャッシュ・フローが75億円の収入となりました。売上債権の増加などがあったものの、減価償却費の計上や棚卸資産の減少などにより、キャッシュを生み出すことができました。
一方、投資キャッシュ・フローは50億円の支出で、主に有形固定資産の取得によるものです。財務キャッシュ・フローは27億円の支出となり、配当金の支払いなどがあったことが要因です。
配当の支払額
三櫻工業は、年2回の配当を実施しています。直近の決算では、1株当たり12.50円の中間配当を行っています。前期と同水準の配当を継続しており、業績回復を背景に株主還元も強化されています。
今後の展望
三櫻工業は、自動車生産の回復基調を背景に、今後も持続的な業績拡大が期待されます。加えて、環境対応車向けの新製品開発にも注力しており、EVシフトに伴う新たな需要取り込みにも期待が持てる状況です。
材料価格高騰やエネルギーコスト上昇など、先行き不透明な要素もありますが、価格転嫁の推進やコスト管理の強化などにより、収益力の向上につなげていく方針です。
編集部のまとめ
三櫻工業株式会社は、自動車需要の回復を背景に、直近の決算で大幅な増収増益を達成しました。特に営業利益の大幅な黒字化は、同社の収益力の高さを印象付けています。
今後もEV化の波に乗って新製品開発を進め、更なる成長が期待できそうです。株主還元も手厚く、株式投資の魅力的な銘柄の1つといえるでしょう。
三櫻工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三櫻工業の決算は3月期で、毎年3月31日が決算期末となります。中間配当と期末配当の年2回、1株当たり12.50円づつの配当を行っており、着実な株主還元を実施しています。業績が改善傾向にあることから、今後も株主への配当増加が期待できそうです。