株式会社マキタの2023年12月期第3四半期決算を分析してみましょう。同社は電動工具や園芸機器の老舗メーカーで、四半期決算では国内外の事業環境の変化を知ることができます。
企業情報
企業名: 株式会社マキタ
証券コード: 6586
決算期: 3月期
株式会社マキタの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社マキタの決算日は3月31日で、四半期決算は6月、9月、12月に発表されています。年間の決算スケジュールは、6月に第1四半期、9月に第2四半期、12月に第3四半期、そして翌3月に本決算を行っています。
主な事業
株式会社マキタは、電動工具や園芸用機器の製造・販売を主な事業としています。電動ドライバーやブロワなど幅広い製品を展開し、国内外でトップシェアを誇る老舗メーカーです。また、近年はバッテリー式の製品開発にも力を入れており、同社の主力製品の一つとなっています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上収益が5,506億円と前年同期比5.1%減少しましたが、営業利益は前年同期比76.9%増の480億円となりました。これは原価率の改善などによって利益率が向上したためです。税引前四半期利益は461億円(前年同期比77.3%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は326億円(前年同期比129.5%増)と、大幅な増益となっています。
売上・利益の推移
直近3年の売上高は、2022年3月期が7,647億円、2023年3月期が6,447億円となっています。利益面では、2022年3月期の営業利益が239億円、2023年3月期は490億円と大きく改善しています。前期から現在にかけての増益は、為替の影響などによる原価率の改善が寄与したものと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の総資産は9,972億円と前期末から1,021億円減少しています。この主な要因は、棚卸資産の減少によるものです。一方、負債は1,651億円と前期末から1,586億円減少し、純資産は8,321億円と前期末から564億円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が1,516億円、営業債権及びその他の債権が930億円、棚卸資産が3,629億円となっています。前期末から棚卸資産が大きく減少したことが特徴的です。
負債の部
負債の部では、営業債務及びその他の債務が422億円、短期借入金が241億円となっています。前期末から借入金が大幅に減少しています。
純資産の部
純資産の部では、親会社の所有者に帰属する持分が8,254億円となっています。利益剰余金が6,564億円、その他の資本の構成要素が1,212億円を占めています。
ROAとROE
株式会社マキタのROA(総資産利益率)は、2022年3月期が4.3%、2023年3月期が4.6%と、前期から改善しています。一方、ROE(自己資本利益率)は、2022年3月期が5.2%、2023年3月期が6.1%と同様に上昇しています。これは前述の通り、利益水準が改善したことが主な要因と考えられます。
キャッシュフロー
2023年12月期第3四半期のキャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,907億円の収入となっています。これは棚卸資産の減少が大きかったことなどが要因です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローが233億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,847億円の支出となっています。
配当の支払額
株式会社マキタは、2023年6月に1株当たり11円、2023年12月に10円の配当を支払っています。前期の年間配当が72円だったことから、今期の年間配当は計21円となる見通しです。
今後の展望
今後の展望としては、世界経済の下振れリスクなどから販売環境が厳しくなる可能性がありますが、同社は原価低減などによる収益性の向上に取り組んでおり、業績は比較的堅調に推移するものと考えられます。また、同社の強みであるバッテリー製品の需要も今後さらに高まると期待されます。
編集部のまとめ
株式会社マキタの2023年12月期第3四半期決算では、販売が減少したものの、原価率の改善などによって大幅な増益となりました。財務状況も健全で、自己資本比率は80%以上と高水準を維持しています。今後は世界経済の先行き不透明感が高まる中で、同社の収益力がどう推移するか注目されます。
株式会社マキタの決算日や配当についてまとめました。
株式会社マキタの決算は3月31日に行われ、四半期決算は6月、9月、12月に発表されています。また、同社の配当は年2回で、2023年度は年間21円の配当を予定しています。株価の動向とともに、今後の業績や配当の推移にも注目が集まりそうです。