株式会社アドテックプラズマテクノロジーが第3四半期連結決算を発表しました。半導体や液晶ディスプレイ向けプラズマ製造装置を手掛ける同社は、売上高が前年同期比13.6%減と苦戦しつつも、経常利益は減益も1,355百万円と高水準を維持しました。今後は海外顧客の引き合いが活発化し、収益改善が期待されそうです。
企業情報
企業名: 株式会社アドテックプラズマテクノロジー
証券コード: E02092
決算期: 8月
株式会社アドテックプラズマテクノロジーの決算日・決算時期(スケジュール)は?
同社の決算日は8月31日で、第3四半期の会計期間は2023年9月1日から2024年5月31日までとなっています。
主な事業
同社は半導体製造装置やディスプレイ製造装置を主力事業としています。特にプラズマ処理技術を活用した成膜装置や研磨装置などを得意としており、半導体やディスプレイの製造プロセスで広く使用されています。 また、研究機関向けにも電源装置や超電導電磁石などを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高8,107百万円、営業利益1,041百万円、経常利益1,355百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益909百万円となりました。売上高は前年同期比13.6%減少しましたが、経常利益率は16.7%とかなり高水準を維持できました。
売上・利益の推移
同社の売上高は過去3年で12,498百万円から8,107百万円へと減少傾向にあります。一方で、経常利益は2,293百万円から1,355百万円へと減益となったものの、依然として高い水準を保っています。これは製品の高付加価値化や生産効率化などにより、利益率の改善に成功しているためです。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表をみると、総資産は26,444百万円と前期末から806百万円減少しています。一方で、負債は14,780百万円と前期末から1,598百万円減少し、純資産は11,663百万円と前期末から792百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が5,659百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2,448百万円、原材料及び貯蔵品が8,348百万円となっています。前期末から現金及び預金、受取手形・売掛金が減少し、原材料が増加しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が6,650百万円、1年内返済予定の長期借入金が1,054百万円と金融負債が主な構成です。前期末から短期借入金が減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が9,449百万円と主な構成要素となっています。前期末から721百万円増加しており、自己資本比率も44.1%まで改善しています。
ROAとROE
同社のROAは前年同期の6.1%から5.1%に低下しましたが、依然として高水準を維持しています。一方でROEは前年同期の10.7%から7.9%へと低下しています。これは自己資本が増加したものの、純利益が減少したためです。今後は収益力の回復により、両指標のさらなる改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが827百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが502百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが627百万円の支出となりました。前年同期に比べ、投資活動による支出が増加し、財務活動による支出が減少しています。
配当の支払額
同社は2024年4月12日開催の取締役会で、2023年8月期の期末配当を1株当たり10円と決定しました。これにより、年間配当金は1株当たり22円となる見込みです。
今後の展望
同社は、半導体製造装置向けでの海外顧客の引き合いが活発化しており、設備投資需要の回復が期待されています。また、ベトナム子会社の第2工場が稼働を開始するなど、生産体制の強化にも取り組んでいます。今後は、こうした設備投資需要の取り込みと生産性向上で、収益力の回復が見込まれます。
編集部のまとめ
株式会社アドテックプラズマテクノロジーは、半導体やディスプレイ向けのプラズマ製造装置を得意とする企業です。当第3四半期は売上高が減少したものの、経常利益率は16.7%と高水準を維持しており、製品の高付加価値化や生産効率化に成功しています。今後は海外顧客の引き合いが活発化し、設備投資需要の回復が期待できるほか、ベトナムの新工場稼働により更なる収益改善が見込まれます。引き続き同社の動向に注目していきたいと思います。
株式会社アドテックプラズマテクノロジーの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は8月31日で、第3四半期の会計期間は2023年9月1日から2024年5月31日までです。また、2023年8月期の年間配当金は1株当たり22円(うち中間配当10円)となる見込みです。同社は半導体製造装置やディスプレイ製造装置などのプラズマ処理技術を得意とする企業で、今後の収益力回復が期待されています。