ルネサスエレクトロニクス株式会社の2024年第1四半期決算が公表されました。自動車向け事業の好調と、一時的な需要減少によって産業・インフラ・IoT向け事業が低迷したものの、連結業績は前年同期比で順調に推移しています。注目すべきは、親会社の所有者に帰属する持分比率が68%と健全な財務状況を維持していることです。今後もルネサスはグローバル市場で着実に成長していくことが期待されます。
企業情報
企業名: ルネサスエレクトロニクス株式会社
証券コード: 6723
決算期: 12月期
ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算日は12月31日で、第1四半期決算は翌年5月に発表されます。毎年4月に定時株主総会が開催され、そこで前期の配当などが決定されます。
主な事業
ルネサスエレクトロニクスは、自動車向けおよび産業・インフラ・IoT向けの半導体製品を提供する総合半導体メーカーです。主力製品はマイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、アナログ半導体、パワー半導体などで、自動車の制御や車載情報システム、産業機械、インフラ設備、IoT機器などに広く採用されています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期の業績は、売上収益3,518億円、営業利益778億円でした。前年同期比では売上収益が1.3%減、営業利益は36.9%減となりました。これは、円安効果や自動車向け事業の伸長があった一方で、産業・インフラ・IoT向け事業が軟化したことが主因です。全体の売上総利益率は56.1%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
ルネサスエレクトロニクスは、2021年以降売上高および営業利益が好調に推移しています。2023年通期では売上収益3,371億円、営業利益494億円と過去最高の業績を達成しました。2024年第1四半期は一時的な需要減少の影響を受けたものの、通期では再び過去最高更新が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第1四半期末の総資産は3兆2,337億円となり、前期末比で667億円増加しました。これは主に為替相場の変動によりのれんが増加したことによるものです。
負債の部
負債合計は1兆313億円で、前期末比で1,300億円減少しました。有利子負債は5,329億円と健全な水準を維持しています。
純資産の部
純資産合計は2兆2,023億円と、前期末比で1,967億円増加しました。親会社の所有者に帰属する持分比率は68.0%となっており、財務体質は非常に強固です。
ROAとROE
ROAは当第1四半期で2.4%、ROEは3.7%となりました。前期からはROAが1.7ポイント、ROEが1.5ポイント低下しています。これは一時的な需要減少による業績悪化が主因ですが、依然として高水準を維持しています。今後の業績回復に伴い、両指標は再び上昇していくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、営業活動により624億円のインフローがありましたが、投資活動により1,102億円のアウトフローが発生しました。また財務活動でも2,002億円のアウトフローがあり、現金及び現金同等物の期末残高は2,318億円となりました。
配当の支払額
ルネサスエレクトロニクスは、2024年3月に1株当たり28円の期末配当を実施しました。前期からは4円増配となり、連続増配を達成しています。同社は株主還元に積極的で、配当性向も約25%と適切な水準を保っています。
今後の展望
ルネサスエレクトロニクスは、自動車向け事業の堅調な伸びと、産業・インフラ・IoT向け事業の回復により、通期での業績目標達成が期待されます。また、ダイバンク増強や生産効率化などにより収益性も向上する見通しです。同社は中長期的に成長を続けるとともに、株主還元も強化していく方針です。
編集部のまとめ
ルネサスエレクトロニクスの2024年第1四半期決算は、自動車向け事業の好調が目立つ一方で、一時的な産業・インフラ・IoT向け事業の低迷により減収減益となりました。しかし、財務体質は引き続き非常に健全で、今後の業績回復が期待できます。同社は今後も安定した成長とさらなる株主還元を目指していくと考えられます。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算日は12月31日で、第1四半期決算は翌年5月に発表されます。また、同社は2024年3月に1株当たり28円の期末配当を実施しました。今後も同水準の安定配当が期待できるでしょう。