サン電子株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告書がReleaseされました。収益や利益が大幅に減少する一方で、投資やデジタル化への投資が活発という様相を呈しています。今後はこれらの取り組みが企業価値の向上につながることが期待されます。
企業情報
企業名: サン電子株式会社
証券コード: 67360
決算期: 2023年3月期
サン電子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
サン電子株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期は2023年12月期の四半期決算となります。本決算報告書は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期の決算を示しています。
主な事業
サン電子株式会社は、デジタルインテリジェンス、エンターテインメント、IoTなどの事業に注力しています。デジタルインテリジェンス事業ではCellebrite社の製品やサービスを提供し、エンターテインメント事業ではパチンコ・パチスロのコンテンツ開発、ゲームソフト開発などを行っています。また、IoT分野では産業用ネットワーク機器の開発・販売を手掛けています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結売上高は74億67百万円と前年同期比で78.4%の減収となりました。営業利益も2億18百万円と前年同期の営業損失から改善するも、経常損失は42億67百万円と大幅な赤字となっています。これは主に持分法適用関連会社のCellebrite社におけるデリバティブ評価損の影響によるものです。
売上・利益の推移
サン電子の売上高は、前年同期と比べて大幅に減少しました。これは主に、前第3四半期において連結子会社だったCellebrite社が前第3四半期末に持分法適用関連会社になったことが大きな要因です。一方で、利益率の低下も深刻な状況です。原価高騰や半導体不足などの外部環境の影響が続いているものの、新製品の投入やIoT事業の拡大などにより収益性の改善が期待されています。
四半期連結貸借対照表について
サン電子の2023年12月期第3四半期連結貸借対照表は資産が421億90百万円、負債が86億71百万円、純資産は335億19百万円となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が137億70百万円、投資有価証券が158億2百万円となっています。Cellebrite社の持分法適用関連会社化に伴い、のれんや関係会社株式が大幅に減少しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が5億91百万円、短期借入金が38億66百万円となっています。また、繰延税金負債が32億20百万円と大きな割合を占めています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が261億75百万円となっています。Cellebrite社の持分法適用関連会社化による影響から、前期末と比べて減少しています。一方で、その他有価証券評価差額金が59億18百万円と大きく増加しています。
ROAとROE
サン電子のROAは前期末の7.82%から当第3四半期末の-1.07%に大幅に低下しています。これは、Cellebrite社における持分法による投資損失の計上などにより経常損失が拡大したことが主な要因です。一方でROEは前期末の13.04%から当第3四半期末の-11.84%と大きく下落しています。自己資本の効率性が大幅に悪化しているため、今後の収益改善が課題となっています。
キャッシュフロー
サン電子の当第3四半期における営業活動によるキャッシュ・フローは11億26百万円のプラスとなりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは21億89百万円のマイナスとなっています。これは主に投資有価証券の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス10億69百万円となりました。全体として当第3四半期のキャッシュ・フローはマイナス20億32百万円となり、手元流動性は減少しています。
配当の支払額
サン電子は2023年6月に1株当たり20円の期末配当を実施しました。この結果、当第3四半期累計期間の配当金総額は4億52百万円となっています。今後も安定配当を維持していく方針のようですが、業績の回復が課題となっています。
今後の展望
サン電子は、デジタルインテリジェンス事業におけるCellebrite社の強化、IoTやAI、情報セキュリティなどの新事業分野への注力を進めています。半導体不足や原材料高騰などの外部環境の影響は続いているものの、収益力の向上と新たな事業領域の開拓に取り組んでいきます。今後の業績改善に期待が寄せられています。
編集部のまとめ
サン電子は、デジタルインテリジェンス事業の牽引役であるCellebrite社の影響で業績が大幅に悪化しています。しかし、IoT分野などの新事業に注力するなど、企業価値向上に向けた取り組みを進めています。今後の半導体不足や原材料高騰といった事業環境の回復と、新事業の収益化に期待が掛かっています。
サン電子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
サン電子株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期は2023年12月期の四半期決算となります。 2023年6月に1株当たり20円の期末配当を実施し、当第3四半期累計期間の配当金総額は4億52百万円でした。今後も安定配当を維持していく方針のようですが、業績の回復が課題となっています。