株式会社ジャパンディスプレイは、世界有数のディスプレイ製造企業です。近年、厳しい事業環境の中、経営の立て直しに取り組んできました。こうした中で、同社は当第3四半期連結累計期間においても重要な減損損失を計上し、重要な営業損失と親会社株主に帰属する四半期純損失を計上するなど、厳しい決算結果となりました。
企業情報
企業名: 株式会社ジャパンディスプレイ
証券コード: 67400
決算期: 3月
株式会社ジャパンディスプレイの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ジャパンディスプレイは決算期を3月としており、通常3月末に本決算の四半期報告書を提出しています。また、第1四半期(4-6月)、第2四半期(7-9月)、第3四半期(10-12月)の四半期報告書を順次提出しています。
主な事業
株式会社ジャパンディスプレイは、車載用ディスプレイ、スマートウォッチ用ディスプレイ、VR機器用ディスプレイなどを製造・販売しています。自動車分野とモバイル分野がその主力事業となっています。また、ディスプレイに関連する研究開発や特許の活用にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は180,374百万円と前年同期比で13.3%の減収となりました。一方で、営業損失は27,664百万円、経常損失は26,448百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は37,984百万円と大幅な損失計上となっています。販売減少や原材料費の高騰などが業績悪化の主因です。
売上・利益の推移
直近の3期連続で営業損失を計上しており、また9期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上するなど、同社の業績は低迷しています。特に当第3四半期累計期間の業績が大幅に悪化しており、今後の業績改善が大きな課題となっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は216,571百万円で、前期末から6,125百万円減少しました。一方で負債合計は129,020百万円と前期末から30,755百万円増加し、純資産は87,550百万円と前期末から36,881百万円減少しています。自己資本比率は40.3%と前期末から15.5ポイント悪化しました。
資産の部
主な変動は、建設仮勘定が15,356百万円増加した一方で、売掛金が14,341百万円減少し、減損損失10,997百万円の計上によるものです。
負債の部
主な変動は、Ichigo Trustから24,000百万円の短期借入を実施したことや、設備投資の未払金が8,128百万円増加したことによるものです。
純資産の部
利益剰余金が37,984百万円減少したことにより、純資産が大幅に減少しています。
ROAとROE
当第3四半期累計期間のROAは-17.2%、ROEは-43.4%と低水準となっています。これはキャッシュ創出力の低下や低収益体質が要因と考えられ、収益性の抜本的な改善が求められます。今後の業績回復に向けた施策が重要です。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは11,235百万円のマイナスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは11,373百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは23,487百万円のプラスとなっています。現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は27,548百万円となりました。
配当の支払額
当第3四半期累計期間においては、配当の支払いはありませんでした。業績の回復が優先課題であり、当面は配当の実施は難しい状況にあるといえます。
今後の展望
株式会社ジャパンディスプレイは、「METAGROWTH 2026」と銘打った成長戦略を推進しており、技術力強化やコスト削減など経営改革に取り組んでいます。特に次世代OLED「eLEAP」の事業化や、知的財産の活用など、収益性の改善に向けた取り組みが期待されます。ただし、原材料高騰などの外部環境の悪化もあり、早期の業績回復は容易ではないと考えられます。
編集部のまとめ
株式会社ジャパンディスプレイは長年にわたる赤字決算が続いており、当第3四半期も大幅な減収減益となりました。収益構造の改善や財務基盤の強化に取り組んでいますが、外部環境の悪化も重荷となっています。今後の業績回復に向けた経営改革の実現が課題となっています。同社の今後の動向に注目が集まるところです。
株式会社ジャパンディスプレイの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ジャパンディスプレイの決算期は3月末で、第1四半期(4-6月)、第2四半期(7-9月)、第3四半期(10-12月)の四半期報告書を順次提出しています。当第3四半期累計期間の業績は大幅な減収減益となっており、配当の実施は見送られています。今後の収益改善と財務体質の強化が課題となっています。