日本信号株式会社の2023年度第3四半期決算報告書が公開されました。国内外の経済情勢が先行き不透明な中、同社は受注高や売上高、営業利益、経常利益がいずれも増加し、好調な業績を維持しています。同社の強みである鉄道信号システムや交通管制システムなど、社会インフラ向けの製品・サービスが着実に成長し、収益基盤の拡大につながっています。
企業情報
企業名: 日本信号株式会社
証券コード: 67410
決算期: 2023年4月1日 – 2024年3月31日
日本信号株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本信号株式会社の決算期は3月31日です。2023年度は2023年4月1日から2024年3月31日までの1年間の決算となります。決算スケジュールは、第3四半期決算(2023年12月31日)の報告が2024年2月7日に行われています。
主な事業
日本信号株式会社は、交通運輸インフラ事業とICTソリューション事業の2つが主力事業となっています。交通運輸インフラ事業では、鉄道信号システムやスマートモビリティ関連製品の開発・製造・販売を行っています。ICTソリューション事業では、駅務ネットワークシステムを中心とするAFCシステムや、ロボティクスおよびセンシング関連製品の提供に注力しています。これらの事業を通して、社会インフラの維持・発展に寄与しています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の業績は、売上高は57,105百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は1,395百万円(同15.0%増)、経常利益は2,151百万円(同8.4%増)と、いずれも増加しています。利益率を見ると、営業利益率は2.4%、経常利益率は3.8%と、堅調な収益性を示しています。
売上・利益の推移
売上高は前年同期から6.3%増加しました。これはICTソリューション事業の「AFC」「R&S」が14.9%増と順調に推移したことなどが寄与しています。一方で、交通運輸インフラ事業の「鉄道信号」や「スマートモビリティ」は減少傾向にありますが、全体としては前期から改善されています。利益面では、営業利益、経常利益ともに増加しており、企業収益の改善が進んでいます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は152,739百万円となり、前期末から6,720百万円増加しています。これは主に、棚卸資産の増加と投資有価証券の時価上昇によるものです。一方、負債合計は62,583百万円と5,915百万円増加し、短期借入金の増加などが背景にあります。純資産は90,156百万円と、前期末から805百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、棚卸資産が11,915百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が9,786百万円減少しています。また、投資有価証券が2,096百万円増加しており、全体としては資産が増加しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が3,384百万円増加したほか、電子記録債務が1,686百万円増加しています。これらが負債の増加要因となっています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金の配当による減少1,684百万円はありましたが、その他有価証券評価差額金の計上1,890百万円や親会社株主に帰属する四半期純利益667百万円の計上により、純資産が増加しました。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、前年同期の1.4%から1.1%に低下しました。一方、ROE(自己資本利益率)は、前年同期の0.9%から0.7%に低下しています。これは、収益は改善傾向にあるものの、総資産や自己資本が増加したことで、利益率が若干低下したものと考えられます。今後の事業拡大と収益力の向上により、両指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは1,281百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは1,635百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,753百万円の収入となっています。全体としては現金及び現金同等物が1,364百万円増加し、手元流動性も確保されています。
配当の支払額
当期の配当については、中間配当として1株当たり7円、期末配当として1株当たり20円、年間では27円の配当を実施する予定です。前期と同水準の配当を維持しており、株主還元にも注力しています。
今後の展望
日本信号株式会社は、2022年度から始まった中期経営計画「Next Stage 24」に基づき、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支え、国内外の社会的課題を解決するとともに、コロナ禍後における事業環境変化への適応を推進しています。具体的には、鉄道の自動運転化や駅務のキャッシュレス化、ロボット活用など、デジタル化への対応を強化し、ソリューションビジネスの拡大を目指しています。今後も、社会インフラの発展に貢献していくことが期待されます。
編集部のまとめ
日本信号株式会社は、鉄道信号システムやスマートモビリティ、AFCシステムなど、社会インフラ向けの製品・サービスを提供する企業です。今回の第3四半期決算では、経営環境の不透明感の中にあっても、売上高、営業利益、経常利益ともに増加するなど、着実な業績拡大を実現しています。特に、ICTソリューション事業が好調に推移しており、同社の強みである技術力が発揮されています。今後も、デジタル化への対応を強化し、社会インフラの発展に貢献していくことが期待されます。
日本信号株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本信号株式会社の決算期は3月31日で、第3四半期決算を2024年2月7日に発表しました。配当については、中間配当が1株当たり7円、期末配当が20円の年間27円を実施する予定です。安定した株主還元を行っており、今後も業績の伸びに応じた配当が期待できそうです。