エレコム株式会社の決算報告書が公開されました。パソコンやデジタル機器の周辺機器を手掛けるエレコム社の業績は、コロナ禍からの経済活動正常化の影響もあり、好調な数字を残しています。今後も新商品投入や買収など、同社の戦略的な取り組みに注目です。
企業情報
企業名: エレコム株式会社
証券コード: 6706
決算期: 3月期
エレコム株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
エレコム株式会社の決算日は3月31日です。決算発表は翌年の6月に行われます。
主な事業
エレコム株式会社は、パソコンおよびデジタル機器の周辺機器の開発・製造・販売を主な事業としています。主力製品には、ケーブル、ハブ、マウス、キーボード、ヘッドセットなどが含まれます。また、近年はモバイルバッテリー、セキュリティ関連製品の事業も強化しています。
今期の業績と利益率は？
エレコム株式会社の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高81,101百万円と前年同期比3.9%増、経常利益9,636百万円と8.2%増となりました。利益率も改善し、売上総利益率38.9%となっています。家電事業の子会社化など、積極的な事業拡大が功を奏したようです。
売上・利益の推移
エレコム株式会社の直近の業績推移を見ると、売上高は2023年3月期の103,727百万円から2024年3月期第3四半期は81,101百万円と堅調に推移しています。一方、経常利益も同期間で11,376百万円から9,636百万円と増益基調にあります。企業としての成長が続いていると言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
エレコム株式会社の四半期連結貸借対照表を分析すると、総資産は111,167百万円と前期末から4,320百万円増加しました。これは主にＭ＆Ａに伴う資産の増加によるものです。一方、負債は29,210百万円と前期末から3,568百万円増加しており、財務状況もおおむね健全と言えるでしょう。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が35,200百万円と前期末から6,053百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が21,932百万円と増加しています。また、商品及び製品が12,982百万円と在庫も積み上がっています。これらの変動は、Ｍ＆Ａによる影響が大きいと考えられます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が13,837百万円と前期末から3,012百万円増加しています。これは主に仕入の増加によるものです。一方で、未払法人税等は1,306百万円と前期末から517百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が65,661百万円と増加しており、自己資本比率は73.6%とおおむね健全な水準を維持しています。一方で、自己株式が14,689百万円と大きく増加しているのが特徴です。
ROAとROE
エレコム株式会社のROAは7.1%、ROEは9.7%となっています。前年同期比でROAは0.7ポイント、ROEは1.0ポイント改善しました。これは、Ｍ＆Ａなどによる事業拡大や収益性の向上を背景としたものと考えられます。収益力と資本効率性が高まっていると評価できるでしょう。
キャッシュフロー
エレコム株式会社の当第3四半期連結累計期間のキャッシュフローを見ると、営業活動により3,969百万円の資金を確保しています。一方で、投資活動では2,574百万円、財務活動では8,162百万円の資金を使用しました。これは主に、Ｍ＆Ａや自己株式取得などによるものです。全体として現金及び現金同等物は35,200百万円となっています。
配当の支払額
エレコム株式会社は、当期の中間配当を1株当たり22円、期末配当を1株当たり22円と計画しています。前期の年間配当金40円に対し、2円増配となる見通しです。業績好調を反映した配当政策と言えるでしょう。
今後の展望
エレコム株式会社は、新商品投入や買収などを通じた事業拡大に注力しています。2023年6月にはネットワーク事業の子会社化を実施し、また7月にはテスコム電機グループを子会社化するなど、積極的な成長戦略を展開しています。さらに、収益力の向上や財務体質の強化にも取り組んでいることから、今後の業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
エレコム株式会社は、パソコンやデジタル機器の周辺機器メーカーとして堅調な業績を残しています。Ｍ＆Ａを通じた事業拡大や収益性の向上など、積極的な経営戦略を展開しています。また、安定的な配当政策も株主還元の面で評価できるでしょう。今後も同社の成長に注目していきたいと思います。
エレコム株式会社の決算日や配当についてまとめました。
エレコム株式会社の決算日は3月31日で、決算発表は翌年の6月に行われます。また、同社の配当金は1株当たり年間44円と、前期から2円の増配となる見通しです。堅調な業績や株主還元の充実など、同社の経営状況は概ね良好と評価できます。
