株式会社富士通ゼネラルの2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は2,144億円と前年同期比で16.5%減少しましたが、経常利益は47億円と前年同期比で5.6%増加しています。主力の空調機事業が国内では好調でしたが、海外での需要減退により減収となった一方で、コストダウンの進展などで利益を確保しました。今後も先行きの不透明感はあるものの、国内での省エネ機種の需要拡大や海外での販路開拓などに注力し、業績の回復を目指していきます。
企業情報
企業名: 株式会社富士通ゼネラル
証券コード: 6755
決算期: 3月期
株式会社富士通ゼネラルの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社富士通ゼネラルの決算期は3月期で、通常3月31日が決算日となっています。第3四半期の決算は12月31日が基準日になります。
主な事業
株式会社富士通ゼネラルは、主に空調機事業と情報通信・電子デバイス事業を展開しています。空調機事業では、主にルームエアコンやビル用マルチエアコンなどの製造・販売を行っており、国内外で幅広い事業展開をしています。情報通信・電子デバイス事業では、公共システムや民需システム、自動車用電子部品などの製造・販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の業績は、売上高2,144億円、営業損失は5億円、経常利益は47億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億円となりました。売上高は前年同期比で16.5%減少しましたが、経常利益や純利益は増加しています。これは、主力の空調機事業でのコストダウンの進展やタイのコンプレッサー工場の連結子会社化など、利益率の改善に努めたことが寄与しています。
売上・利益の推移
過去5年間の売上高と営業利益の推移を見ると、売上高は2019年3月期の376,694百万円をピークに減少傾向にあり、今期第3四半期の売上高は2,144億円と前年同期比で減少しています。一方、営業利益は2022年3月期に17,432百万円とピークを記録した後、今期第3四半期は5億円の営業損失となりました。コロナ禍の影響を受けつつも、コストダウンなどにより利益確保に努めています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は2,683億円となっています。前期末から300億円程度減少しており、これは主に売掛金や棚卸資産の削減などによるものです。一方、負債は1,259億円と前期末から約330億円減少しています。また、純資産は1,423億円と前期末から28億円増加しており、自己資本比率は50.3%となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が175億円、受取手形、売掛金及び契約資産が723億円、棚卸資産が712億円となっています。前期末から棚卸資産が大幅に削減されており、財務体質の改善が進んでいます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が342億円、短期借入金が268億円となっています。前期末から大幅に減少しており、財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が1,085億円となっています。前期末から減少しましたが、為替換算調整勘定が75億円増加したことなどにより、純資産全体では増加しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期の5.8%から当期第3四半期で1.8%に低下しています。これは主に売上高の減少による影響です。一方、ROE(自己資本利益率)は前期の6.2%から当期第3四半期で1.6%と低下しています。これは利益が減少した一方で、為替換算調整勘定の増加などにより純資産が増加したことが影響しています。今後はコストダウンや販路開拓など各施策を通じて、収益性の改善に取り組んでいく必要があります。
キャッシュフロー
当期第3四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが238億円の収入、投資活動によるキャッシュフローが129億円の支出、財務活動によるキャッシュフローが116億円の支出となり、現金及び現金同等物の残高は175億円となっています。営業活動によるキャッシュフローの増加は、売上債権の回収や棚卸資産の圧縮などによるものです。今後も運転資本の改善に取り組み、財務体質の強化を目指していきます。
配当の支払額
2023年6月28日開催の定時株主総会において、1株当たり17円の期末配当が決議されました。また、2023年10月24日開催の取締役会において、1株当たり18円の中間配当が決議されました。この結果、当期の1株当たり年間配当金は35円となる見込みです。業績回復に向けて取り組んでおり、株主還元も継続していきます。
今後の展望
今後の見通しについては、国内では省エネ志向の高まりから需要が堅調に推移することが期待されます。一方、海外では需要減少や流通在庫の積み上がりなど、先行き不透明な状況が続いています。そのため、国内ではさらなる販売拡大を、海外では現地在庫の削減と新市場開拓に注力し、収益力の向上を目指していきます。また、コストダウンや生産性向上などに取り組み、収益基盤の強化を図っていく方針です。
編集部のまとめ
株式会社富士通ゼネラルは、空調機事業と情報通信・電子デバイス事業を柱とする総合電機メーカーです。第3四半期の決算では、海外での需要減退により減収となりましたが、利益面では国内の堅調な需要やコストダウンの進展により、増益を確保しています。今後も、国内事業の強化と海外市場の開拓に取り組むとともに、収益力の向上に努めていく方針です。株主還元については、配当を維持する方針で、業績の回復を期待できそうです。
株式会社富士通ゼネラルの決算日や配当についてまとめました。
株式会社富士通ゼネラルの決算期は3月期で、決算日は3月31日が基準となります。また、同社は期末配当と中間配当を行っており、直近では1株当たり35円の配当を予定しています。今後の業績次第では、さらなる配当増加も期待できそうです。