株式会社タムラ製作所の2023年12月期第3四半期決算が公開されました。電子部品やエレクトロニクス製品の製造を手掛ける同社は、電子化学実装関連事業などが好調に推移し、増収増益となりました。売上高は前年同期比約0.7%増加の789億6百万円、営業利益は同2.5%増加の32億2千3百万円と、全体として良好な業績を残しています。今後も設備投資需要の回復基調やITインフラ向け製品の堅調な需要などを背景に、引き続き安定的な業績を維持していくことが期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社タムラ製作所
証券コード: E01786
決算期: 3月期
株式会社タムラ製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社タムラ製作所の決算期は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行っています。決算発表は、通期決算が5月中旬、四半期決算は2月中旬、5月中旬、11月中旬に行われます。
主な事業
株式会社タムラ製作所は、電子部品関連事業と電子化学実装関連事業を中心に事業を展開しています。電子部品関連事業では、電子機器向けのトランス、リアクトル、チャージャーなどを製造・販売しています。また電子化学実装関連事業では、ソルダーペーストやソルダーレジストなどの電子化学材料と実装装置の製造・販売を行っています。その他に、情報機器関連事業も展開しており、音響機器などの製造・販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は789億6百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益は32億2千3百万円(同2.5%増)となりました。営業利益率は4.1%と、前年同期とほぼ同水準を維持しています。経常利益は31億3千8百万円(同24.2%増)と増加しましたが、一時的な特別損失の計上などから、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億3千8百万円(同62.7%減)と減益となりました。
売上・利益の推移
最近3年間の業績推移をみると、売上高は107,993百万円(2022年3月期)、78,906百万円(2023年12月第3四半期累計期間)と高水準を維持しています。一方で、経常利益は4,329百万円(2022年3月期)、3,138百万円(2023年12月第3四半期累計期間)と、やや減少傾向にあります。しかし、全体としては安定した経営基盤を維持していると評価できます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,164億3千6百万円となり、前連結会計年度末から46億4千9百万円増加しました。流動資産が32億2百万円、固定資産が14億4千6百万円それぞれ増加しています。
資産の部
流動資産は現金及び預金の増加などにより増加し、737億4千万円となりました。固定資産は株式市況の影響や関係会社への出資などにより、426億9千6百万円まで増加しています。
負債の部
負債合計は601億8千5百万円となり、前連結会計年度末から13億1千7百万円増加しました。これは主に、借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産は562億5千万円となり、前連結会計年度末から33億3千2百万円増加しています。この結果、自己資本比率は48.09%となり、健全な財務体質を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前連結会計年度末の1.8%から当第3四半期連結会計期間では0.6%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前連結会計年度末の3.9%から現在の1.3%にも低下しています。これは主に、特別損失の影響により親会社株主に帰属する四半期純利益が減少したためです。今後は特別損失の影響がなくなることで、ROAとROEの改善が期待できるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比で増加傾向にあります。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の増加などから増加しています。全体としては、資金ポジションが改善しているものと考えられます。
配当の支払額
2023年6月期の年間配当金は1株当たり10円(中間配当5円、期末配当5円)となっています。また、2023年11月7日開催の取締役会において、1株当たり5円の中間配当を行うことが決議されました。引き続き安定配当を継続していく方針のようです。
今後の展望
エレクトロニクス市場は停滞局面にあるものの、自動車関連の需要は回復基調にあるなど、本業の需要環境は概ね良好です。また、設備投資需要の回復や、ITインフラ向け製品の堅調な需要も期待できます。さらに、基幹システムの更新などにより経費増加が見られるものの、継続的な収益力強化に取り組んでいくとのことです。中長期的には、成長分野への注力やグローバル展開の加速など、企業価値の向上に向けた施策に期待がかかります。
編集部のまとめ
株式会社タムラ製作所は、主力の電子部品関連事業や電子化学実装関連事業が好調に推移し、全体として増収増益を達成しました。一時的な特別損失の影響から四半期純利益は減益になりましたが、経常利益は堅調に推移しており、今後も収益力の改善が期待できます。また、財務体質も安定しており、配当政策も継続的に実施されています。今後の成長分野への展開や収益力強化に注目が集まりそうです。
株式会社タムラ製作所の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われています。2023年11月7日開催の取締役会で1株当たり5円の中間配当の支払いが決議されており、年間10円の配当を見込んでいます。引き続き安定配当を継続する姿勢が確認できました。