日本電波工業株式会社の2023年度第3四半期決算報告書が公開されました。同社は水晶デバイス製品の製造・販売を主力事業とする企業で、今回の決算では前年同期比で減収減益となりましたが、第3四半期(10〜12月期)は増益傾向にあり、全体としては堅調な業績が確認できます。下期以降の見通しにも注目が集まりそうですね。
企業情報
企業名: 日本電波工業株式会社
証券コード: 6790
決算期: 3月期
日本電波工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本電波工業株式会社の決算日は3月31日です。第1四半期は6月30日、第2四半期は9月30日、第3四半期は12月31日、本決算は3月31日に行われます。
主な事業
日本電波工業株式会社は水晶振動子、水晶発振器、その他の水晶デバイスなどの製造・販売を主な事業としています。特に電子デバイス市場では高い技術力を武器に、スマートフォンや車載機器、基地局など幅広い分野で製品を展開しています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期(4〜12月期)の業績は、売上高37,501百万円、営業利益3,265百万円、四半期利益1,962百万円となりました。前年同期比で減収減益となりましたが、第3四半期(10〜12月期)は増益に転じるなど、回復の兆しが見られます。収益力の維持に取り組んでいることがうかがえます。
売上・利益の推移
同社の売上高は2022年度52,508百万円から、2023年度第3四半期累計で37,501百万円となっています。前年比6.3%の減収となりました。一方で、営業利益は2022年度7,450百万円から、2023年度第3四半期累計で3,265百万円と大幅な減益となっています。ただし、第3四半期(10〜12月期)は1,400百万円と2四半期連続で増益となっており、回復基調にあるようです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産63,773百万円、負債37,857百万円、純資産25,916百万円となっています。前連結会計年度末と比べ、資産は424百万円減少、負債は2,300百万円減少、純資産は1,876百万円増加しました。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が11,458百万円と前期末から1,170百万円増加しています。一方で、棚卸資産が11,420百万円と1,409百万円減少しており、営業活動の効率化が進んでいるようです。
負債の部
負債の部では、借入金が23,638百万円と前期末から1,336百万円減少しました。また、営業債務その他の未払勘定が7,646百万円と1,067百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が15,999百万円と前期末から1,500百万円増加しました。これにより、親会社所有者帰属持分比率は40.6%となり、前期末から3.2ポイント改善しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は、前期の11.6%から2023年度第3四半期累計で4.1%に低下しました。一方、ROE(自己資本利益率)は、前期の26.6%から2023年度第3四半期累計で9.9%に減少しています。減収減益により収益性が低下していますが、自己資本比率の改善により財務体質は強化されてきています。
キャッシュフロー
2023年度第3四半期累計のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが6,423百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが2,886百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが2,422百万円のマイナスとなりました。この結果、現金及び現金同等物は前期末から1,170百万円増加の11,458百万円となっています。
配当の支払額
2023年度の配当金については、年間20円/株の配当を予定しています。第2四半期末に10円/株、期末に10円/株を支払う予定となっています。配当性向は約23.5%となる見込みです。
今後の展望
次期以降の業績見通しについては、世界経済の不透明感から慎重な姿勢を示していますが、自動車市場の回復や移動体通信向けの需要増加など、明るい材料もあります。新製品の投入や生産効率の向上など、収益力の改善に取り組む方針です。中長期的には、5G・6Gの普及やEV化の進展など、成長機会が期待できそうです。
編集部のまとめ
日本電波工業株式会社の2023年度第3四半期決算は、前年同期比で減収減益となりましたが、第3四半期(10〜12月期)は増益に転じるなど、回復の兆しが見られます。資産効率の改善や自己資本比率の上昇など、財務体質の強化にも取り組んでいます。今後の受注動向や、5G・6Gなどの新技術への対応に注目が集まりそうです。
日本電波工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本電波工業株式会社の決算日は3月31日で、第1四半期は6月30日、第2四半期は9月30日、第3四半期は12月31日に行われます。2023年度の年間配当金は20円/株を予定しており、配当性向は約23.5%となる見込みです。業績の推移や新分野への取り組みに注目が集まりそうです。