四国電力株式会社が所有・運営する伊方発電所は、愛媛県西宇和郡伊方町に位置する重要な発電施設です。この発電所は、四国地方の電力供給を支える基幹電源として、長年にわたり地域のエネルギー需要に応えてきました。佐田岬半島の付け根付近、瀬戸内海に面した立地を生かし、安定した運用を続けています。
伊方発電所の立地と概要
伊方発電所は、四国島の最西部に広がる佐田岬半島の北側斜面にあります。この場所は、瀬戸内海の伊予灘に直接面しており、自然の地形を活かした配置が特徴です。住所は愛媛県西宇和郡伊方町九町字コチワキ3-40-3で、周辺は穏やかな海域に囲まれています。この立地は、海水を利用した冷却システムに適しており、効率的な発電活動を可能にしています。
発電所の総発電設備容量は約202万2千キロワットに及び、四国電力の電力供給ネットワークの中心的な役割を果たしています。1号機、2号機、3号機から構成され、それぞれが加圧水型軽水炉を採用しています。この型式は、安定した出力と信頼性の高い運用で知られています。発電所では、24時間体制の中央制御室が運転を管理し、1日2交代制で専門の運転員が業務を担っています。
各ユニットの詳細仕様
伊方発電所の各ユニットは、独自の仕様を持ちながら、全体として調和の取れた運用を実現しています。まず、1号機について見てみましょう。定格電気出力は56万6千キロワットで、送電系統は18万7千ボルトの4回線です。原子炉は加圧水型軽水炉の2ループ型で、全ウラン装荷量は約49トン、集合体数は121体です。取放水方式は深層取水・水中放流方式を採用し、冷却海水量は約38立方メートル毎秒です。営業運転開始日は1977年9月30日で、建設工事は1973年6月に開始されました。初臨界は1977年2月です。
次に、2号機は1号機と類似した仕様を持ち、定格電気出力も56万6千キロワットです。送電系統は50万ボルトの2回線で、原子炉型式は同じく加圧水型軽水炉2ループ、全ウラン装荷量約49トン、集合体数121体です。冷却海水量は約38立方メートル毎秒、海水淡水化装置は逆浸透膜法による1000トン毎日の2基です。建設工事は1978年2月開始、初臨界1981年7月、営業運転開始1982年3月19日です。
3号機はより大規模で、定格電気出力89万キロワット、送電系統50万ボルト2回線です。原子炉は加圧水型軽水炉の3ループ型、全ウラン装荷量約74トン、集合体数157体、冷却海水量約65立方メートル毎秒です。海水淡水化装置はプレート式多重効用型1000トン毎日の2基です。建設工事1986年11月開始、初臨界1994年2月、営業運転開始1994年12月15日です。これらの仕様は、四国地方の電力需要を柔軟にカバーする基盤となっています。
建設と運転の歴史
伊方発電所の歴史は、1970年代初頭に遡ります。1972年11月に1号機の原子炉設置許可が得られ、1973年6月に建設工事が始まりました。1976年12月に1号機が竣工し、1977年9月30日に運転開始です。2号機は1978年2月工事開始、1982年9月竣工、1982年3月19日運転開始。3号機は1986年11月工事開始、1994年1月竣工、1994年12月15日運転開始です。これらの工程は、四国電力の計画的な取り組みにより順調に進みました。
また、1976年3月には四国電力、愛媛県、伊方町による安全確保及び環境保全に関する協定が締結され、地域との信頼関係を築く基盤となりました。この協定は、以降も更新されながら継続されています。発電所は、四国地方唯一の原子力発電所として、安定供給の要となっています。
運用と設備の特徴
伊方発電所の運用では、蒸気を活用したタービン駆動が鍵です。蒸気の体積を数千分の一に圧縮し、圧力差で巨大なタービンを回転させ、高効率な発電を実現します。発電された電気は変圧器で送電電圧に変換され、四国各地へ供給されます。送電線は高電圧で複数回線を備え、広域カバーを可能にしています。
使用済み燃料の管理も重要で、プール式貯蔵を採用。プールの深さは約12メートル、底部4メートルにラックを配置し、上部8メートルを冷却水と放射線遮蔽水で満たしています。この仕組みにより、安全な保管が図られています。日常的な訓練を積んだ運転員が、中央制御室で監視を続けています。
地域貢献と雇用
伊方発電所は、地域経済に大きな貢献をしています。従業員数は約340人で、協力会社を含めると約1,100人から1,400人が働いています。このうち約6割が愛媛県出身者で、地元雇用を促進しています。発電所は、四国地域への安定的な電力供給を通じて、生活や産業を支えています。
周辺の環境保全にも配慮し、海水利用の深層取水・水中放流方式を導入。冷却海水の効率的な循環が、自然環境との調和を保っています。また、防災計画や原子力災害対策の取り組みを進め、地域住民の安心を第一に考えた運営を心がけています。
安全確保に向けた取り組み
四国電力は、伊方発電所の安全性を高めるために、多角的な対策を実施しています。新規制基準への対応、安全性向上評価、高経年化対策、運転期間延長、長期施設管理計画などが挙げられます。これらは、発電所の信頼性を維持するための重要なプロセスです。
発電状況のモニタリングも充実しており、現在の発電機出力や定期検査状況を公開。原子燃料サイクルやプルサーマル運用も、地域のエネルギー戦略に寄与しています。伊方SSHACプロジェクトなど、先進的な安全研究も進められています。
発電所の日常運用
中央制御室では、熟練のオペレーターが常時監視。1日2交代で、異常時の即時対応を可能にしています。松山市の原子力保安センターでの訓練も定期的に行われ、運転員のスキル向上を図っています。廃止措置計画も整備され、長期的な施設管理を徹底しています。
海水淡水化装置は、各ユニットで1000トン/日の能力を持ち、運用用水を確保。プレート式や逆浸透膜法を活用し、効率的な水資源利用を実現しています。これにより、発電所の自立性が向上しています。
四国電力の役割と伊方発電所の位置づけ
四国電力株式会社は、四国4県の電力供給を担う企業です。伊方発電所はその中核で、基幹電源として機能。株主である一般投資家を含む幅広いステークホルダーから支えられ、安定運用を続けています。株式は一般的な市場取引で扱われ、企業活動の透明性を保っています。
発電所の設備は、原子炉建屋を中心に構築され、大手建設企業が担当。1号機1976年12月、2号機1982年9月、3号機1994年1月の竣工です。これらの施設は、耐久性と機能性を兼ね備えています。
環境と地域との共生
伊方発電所は、佐田岬の美しい自然環境に溶け込みながら運用されています。瀬戸内海の穏やかな波が冷却に活用され、周辺の漁業や観光にも配慮。安全協定を通じて、地元町との連携を強化しています。
発電実績データは公開され、透明性の高い情報提供を行っています。モニタリングシステムで環境影響を常時チェックし、地域住民の生活を守っています。
将来に向けた取り組み
伊方発電所は、継続的な設備更新と技術革新により、四国地方のエネルギー安定供給を支え続けます。規制当局との協力のもと、安全基準を遵守。地域の未来を照らす重要な施設として、役割を全うしています。
従業員の教育訓練、協力会社の育成も進め、多様な人材が活躍する職場環境を整備。約1,400人の労働力が、日々の業務を支えています。
詳細データまとめ
| 項目 | 1号機 | 2号機 | 3号機 |
|---|---|---|---|
| 定格電気出力 | 56万6千kW | 56万6千kW | 89万kW |
| 送電系統 | 18万7千V 4回線 | 50万V 2回線 | 50万V 2回線 |
| 全ウラン装荷量 | 約49トン | 約49トン | 約74トン |
| 冷却海水量 | 約38m³/秒 | 約38m³/秒 | 約65m³/秒 |
| 運転開始 | 1977年9月30日 | 1982年3月19日 | 1994年12月15日 |
この表は、各ユニットの主な仕様を比較したものです。3号機の出力が大きい点が、四国電力の供給力強化を示しています。
発電プロセス詳細
原子炉で生成された熱で水を蒸気に変え、タービンを回す仕組みです。蒸気は凝縮器で冷却され、再利用。変圧器で電圧を上げ、送電線で各地へ。効率的なサイクルが、安定供給の基盤です。
燃料集合体は精密に管理され、プールで安全保管。ラックの碁盤目配置が、効率的なスペース利用を可能にします。
地域イベントと交流
伊方発電所は、地元イベントへの参加や見学会を通じて、地域との絆を深めています。安全説明会や環境モニタリング報告が、信頼を築いています。
技術的進化
長年の運用で培ったノウハウを活かし、新たな安全技術を導入。N-ADRESシステムによる規制対応が、最新基準の遵守を保証します。
まとめ
四国電力 株伊方発電所は、四国地方のエネルギー供給を支える重要な施設です。愛媛県伊方町の美しい立地で、1号機から3号機が安定運用され、地域経済と雇用に貢献しています。安全対策と環境保全を徹底し、未来の電力需要に応える基盤を提供しています。
伊方発電所の全貌:設備・運用と地域貢献をまとめました
総容量202万2千キロワットのこの発電所は、加圧水型軽水炉を活用し、四国電力の基幹電源として活躍。従業員約1,400人が支える運用は、地域の安心と安定供給を実現しています。歴史的な建設から現在まで、信頼性の高い活動を続けています。














