TOA株式会社の最新の決算報告が公開されました。売上高が前年同期比9.0%増加し、経常利益は大幅な増加を果たしたようです。この決算報告を詳しく見ていきましょう。
企業情報
企業名: TOA株式会社
証券コード: 68090
決算期: 2023年4月1日〜2024年3月31日
TOA株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
TOA株式会社の決算は年4回の四半期決算が行われています。今回の第3四半期決算(2023年4月1日〜2023年12月31日)の報告が行われました。
主な事業
TOA株式会社は、音響システム機器の製造・販売を中心とした事業を展開しています。主な製品には、放送用アンプ、スピーカー、マイクなどがあり、公共施設や交通機関、医療・教育機関など幅広い分野で利用されています。近年は、AIを活用したアナウンス自動化システムの開発など、技術革新にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が34,389百万円と前年同期比9.0%の増加、経常利益は2,438百万円と181.2%の大幅増加となりました。売上増加と収益性の改善により、営業利益も225.1%増と大幅な増益となっています。
売上・利益の推移
TOA株式会社の直近の3年間の業績推移を見ると、売上高は毎期増加傾向にあり、前年度の通期では45,123百万円を記録しました。利益面でも、経常利益は2,104百万円と安定した水準を維持しています。特に当期の第3四半期では、各地域での販売が好調に推移したことで、大幅な増益となりました。
四半期連結貸借対照表について
TOA株式会社の四半期連結貸借対照表を確認すると、総資産は65,315百万円となり、前期末比1,410百万円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、棚卸資産の増加などにより、流動資産が増加しています。一方で、売上債権の減少もありました。固定資産は、有形・無形固定資産が減少しましたが、投資その他の資産が増加したことで、全体としては微増となっています。
負債の部
負債の部では、支払手形・買掛金の減少などにより、流動負債が減少しました。一方、退職給付に係る負債の増加などにより、固定負債は増加しています。
純資産の部
純資産の部では、為替換算調整勘定の増加などにより、純資産合計は51,068百万円と前期末比2,304百万円の増加となりました。
ROAとROE
TOA株式会社のROA(総資産利益率)は3.7%、ROE(自己資本利益率)は6.1%となっています。前年同期と比べROAは上昇、ROEは横ばいとなっています。これは、収益性の向上と資本効率の維持により、株主価値の向上が図られていることが分かります。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが1,997百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが620百万円のマイナスとなっています。これによりフリー・キャッシュ・フローは1,377百万円のプラスとなっており、財務健全性が維持されていると言えます。
配当の支払額
TOA株式会社は、これまで安定的な配当を継続しています。当期の中間配当金は1株当たり20円、年間配当金は前期と同水準の40円を予定しています。株主還元への姿勢は堅持されているといえます。
今後の展望
TOA株式会社は、「Dr.Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団-」を経営ビジョンに掲げ、音質の追求と新しいソリューションの提供に取り組んでいます。具体的には、AIを活用した放送自動化システムの展開や、ネットワーク対応の放送システムの拡充などに注力しています。これらの取り組みにより、顧客ニーズに合わせたきめ細かなサービスの提供が期待されます。
編集部のまとめ
TOA株式会社の当第3四半期決算は、売上高、経常利益が大幅増加と好調な結果となりました。主力事業での国内外の販売拡大や収益性の改善、為替変動の影響などが寄与した模様です。今後も、音質向上やAI技術を活用した新しいソリューションの提供など、顧客ニーズに応える取り組みが期待されます。
TOA株式会社の決算日や配当についてまとめました。
TOA株式会社の決算は年4回の四半期決算で行われています。当期の中間配当は1株当たり20円で、年間配当は前期と同水準の40円を予定しているなど、株主還元も安定して実施されています。今後の成長戦略や技術開発にも注目が集まりそうです。