アズビル株式会社の直近の決算報告書が公開されました。売上高は過去最高の2,053億円を記録し、営業利益も232億円と大幅に増加しています。脱炭素化やDX(デジタルトランスフォーメーション)への需要が高まり、同社のビルディングオートメーション事業やアドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業が好調に推移したようです。
企業情報
企業名: アズビル株式会社
証券コード: 6845
決算期: 2024年3月期
アズビル株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アズビル株式会社の決算期は3月31日です。第3四半期決算(2023年12月期)の業績が公表されたところで、通期の決算は2024年5月頃に発表される見込みです。
主な事業
アズビル株式会社は、ビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業の3つの事業を展開しています。建物の空調制御、工場の生産設備制御、ガスメーターなどのライフラインに関する製品・サービスを提供しています。省エネや脱炭素化、DXなど、社会課題解決に寄与する先進的なオートメーションソリューションを手がけています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,053億円と前年同期比7.5%増加しました。また、営業利益は232億円と大幅に改善されており、営業利益率は11.3%まで高まっています。中期経営計画の目標達成に向けて着実に進捗しているようです。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移を見ると、売上高は2022年3月期の2,784億円から、2023年3月期の2,660億円、そして2024年3月期第3四半期の2,053億円と順調に増加しています。営業利益も2022年3月期の321億円、2023年3月期の237億円、2024年3月期第3四半期の232億円と高水準を維持しています。事業環境の変化に対応し、収益性の向上に取り組んでいることがうかがえます。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期連結会計期間末の総資産は2,877億円と前期末から91億円減少しています。現金及び預金が減少したものの、棚卸資産が増加したことなどが主な要因です。自己資本比率は72.4%と健全な財務体質を維持しています。
負債の部
負債合計は762億円と前期末から147億円減少しています。仕入債務や未払法人税等が減少したことが主な要因です。借入金残高は86億円と低水準を維持しており、財務の健全性が高い水準にあります。
純資産の部
純資産合計は2,114億円と前期末から56億円増加しています。自己株式の取得や配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により増加しています。自己資本比率は72.4%と高い水準にあり、財務基盤の強化が進んでいます。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前連結会計年度の7.6%から当第3四半期では年率換算で9.9%まで上昇しています。また、ROE(自己資本利益率)も前連結会計年度の12.4%から年率換算で12.1%と、投下資本の効率性が高まっていることがわかります。収益力の向上とともに、資産効率の改善にも取り組んでいる様子が伺えます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で100億円以上増加しています。一方で、自己株式の取得や配当金の支払いなどにより、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっています。全体としては現金及び預金が前期末から50億円減少したものの、健全な財務状況を維持できていると言えでしょう。
配当の支払額
当期の配当金は、中間配当が1株当たり36.5円、期末配当が見込まれる33.5円となっており、年間では70円程度の配当が見込まれています。前期実績の65円から増配となり、株主還元の強化が図られています。
今後の展望
アズビル株式会社は、2030年度の長期目標として、売上高4,000億円、営業利益600億円、営業利益率15%程度の達成を目指しています。現中期経営計画の最終年度である2024年度は、売上高3,000億円、営業利益360億円の達成を目標としています。省エネ・脱炭素化、DX、ウェルネスオフィスなどの社会課題解決に向けた新しいソリューション開発を進め、持続的な成長を目指します。
編集部のまとめ
アズビル株式会社の決算は、売上高、営業利益ともに過去最高を更新し、収益力の向上が目立ちました。省エネ対応やDXへの需要取り込みが奏功し、中期的な目標達成に向けて着実な進捗が見られます。健全な財務体質も維持しており、今後の更なる業績拡大が期待できそうです。
アズビル株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アズビル株式会社の決算期は3月31日で、決算は毎年5月頃に発表されています。当期の配当金は中間配当が1株36.5円、期末配当が見込まれる33.5円の年間70円程度となる見通しです。株主還元の強化が図られている点も注目できます。