今期の日本光電工業株式会社の決算は健闘ぶりを発揮しました。業績は堅調に推移し、売上高は前年同期比で8%増と好調な結果となりました。利益面においても、経常利益は前年同期比で4.9%減少しましたが、それでも132億円と高水準を維持しており、堅実な経営が行われていることが伺えます。
企業情報
企業名: 日本光電工業株式会社
証券コード: 68490
決算期: 2023年3月期
日本光電工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本光電工業株式会社の決算期は3月31日となっています。年4回の四半期決算を行っており、通期決算は2023年3月期で2024年2月14日に四半期報告書が提出されています。
主な事業
日本光電工業株式会社は、医療機器の開発・製造・販売を主な事業としています。生体情報モニタ、治療機器、生体計測機器など、幅広い医療機器を取り扱っています。国内だけでなく、海外市場でも積極的に事業展開を行っており、特に米州や欧州での売上拡大に注力しています。医療現場のニーズに的確に応え、医療の質向上と効率化に貢献する製品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
当期の売上高は1,561億円と前年同期比で8.0%の増加となりました。利益面では、人員増強や研究開発投資の増加により営業利益は前年同期比で7.6%減の105億円となりましたが、経常利益は132億円と高い水準を維持しています。売上総利益率は前年同期比で上昇しており、価格適正化の取り組みにより、部材価格上昇の影響を吸収できたことが好結果につながりました。
売上・利益の推移
日本光電工業株式会社の売上高は、長期的に増加傾向にあります。過去3年間の売上高は、2021年3月期が2,066億円、2022年3月期が2,066億円、そして当期は1,561億円と推移しています。利益面では、2021年3月期の経常利益が241億円、2022年3月期が241億円、当期は132億円となっており、安定して高い収益力を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
日本光電工業株式会社の四半期連結貸借対照表をみると、前期末に比べ総資産が9億円減少し2,157億円となっています。流動資産は33億円減少し1,691億円となりましたが、固定資産は23億円増加し466億円となっています。一方、負債合計は48億円減少し443億円、純資産合計は38億円増加し1,714億円となっています。
資産の部
資産の部では、売掛金の回収が進んだことで受取手形及び売掛金が減少しましたが、安定した供給体制確保のために棚卸資産を増加させています。固定資産では、繰延税金資産の増加や、建物の増加があります。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金や賞与引当金の減少がみられました。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金の増加や、為替変動の影響による為替換算調整勘定の増加があり、全体として純資産が増加しています。
ROAとROE
日本光電工業株式会社のROA(総資産利益率)は8.1%、ROE(自己資本利益率)は4.7%となっています。ROAは高い水準を維持しており、資産効率が良いことを示しています。一方、ROEは前期より低下していますが、依然として良好な水準を維持しており、株主価値の向上に貢献しているといえます。
キャッシュフロー
当期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが77億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが32億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが59億円の支出となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に改善し、前期に比べて86億円の増加となっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比で3億円増加しています。
配当の支払額
日本光電工業株式会社は、株主への利益還元を重要な経営課題の1つとしています。当期の配当金は、期末配当41円、中間配当30円の合計71円となりました。前期と比べると1株当たり11円の減少となっていますが、依然として高水準の配当を維持しています。
今後の展望
日本光電工業株式会社は、2023年度を最終年度とする中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」を推進しており、事業と企業活動を通じたサステナビリティの実現に取り組んでいます。国内市場では、医療の質向上と業務効率化に資するソリューション提案の強化、海外市場ではグローバルSCMの構築とコーポレートの主要機能の強化に注力していきます。今後も医療機器業界を牽引する存在として期待されています。
編集部のまとめ
日本光電工業株式会社は、医療機器分野でグローバルに事業を展開する企業です。今期の業績は好調で、売上高、経常利益ともに高水準を維持しており、安定した収益基盤を有しています。また、ROA、ROEも良好な水準にあり、株主還元も積極的に行われています。今後も医療の質向上と効率化に貢献する製品を提供し、着実な成長を遂げていくことが期待されます。
日本光電工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本光電工業株式会社の決算期は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。配当金は年2回(期末・中間)支払われており、当期は1株当たり71円の配当を実施しました。株主への利益還元に力を入れている企業といえるでしょう。