[シスメックス株式会社は、検体検査に関連する製品やサービスを提供する大手医療機器メーカーです。最新の業績発表では、海外市場を中心に好調な売上と利益を記録しました。社会的な需要の増加や新製品投入などに支えられ、今後の成長も期待できそうです。]
企業情報
企業名: シスメックス株式会社
証券コード: 68690
決算期: 3月期
シスメックス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
シスメックス株式会社の決算期は3月期で、決算日は3月31日となっています。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の各期末に行われ、その結果が四半期報告書として開示されます。
主な事業
シスメックス株式会社は、検体検査機器や検査試薬などの開発・製造・販売を主力事業としています。臨床検査の分野では、ヘマトロジー、免疫、生化学、尿検査などの分野で幅広い製品ラインナップを持っており、世界トップクラスの企業の一つと評価されています。海外市場への展開も積極的に進めており、地域統括会社を通じて各地域の特性に合わせたビジネス展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が326,525百万円と前年同期比9.3%の増加、営業利益が54,212百万円と0.3%の減少となりました。主に海外市場の好調な売上が牽引したものの、販売費及び一般管理費の増加により、わずかではありますが営業利益が減少しています。利益率は高水準を維持しており、営業利益率は16.6%となっています。
売上・利益の推移
シスメックス株式会社は、近年安定的な業績成長を遂げています。過去3年の売上高は、2022年3月期が373,409百万円、2023年3月期が410,502百万円と推移し、当第3四半期では326,525百万円の売上を記録しています。利益面でも、営業利益は2022年3月期が68,713百万円、2023年3月期が68,835百万円と高水準を維持しています。今後も医療需要の拡大に支えられ、売上・利益の成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は567,200百万円となり、前連結会計年度末から36,125百万円増加しました。この主な要因は、営業債権や棚卸資産、有形固定資産、無形資産の増加によるものです。
資産の部
流動資産は304,970百万円で、前連結会計年度末から9,479百万円増加しました。現金及び現金同等物は59,362百万円となり、前連結会計年度末から10,097百万円減少しています。一方、棚卸資産は81,724百万円と8,414百万円増加しました。非流動資産は262,229百万円で、前連結会計年度末から26,646百万円増加しています。
負債の部
流動負債は98,489百万円で、前連結会計年度末から12,613百万円減少しました。これは主に未払法人所得税の減少によるものです。一方、非流動負債は61,784百万円と30,169百万円増加しており、その主な要因は長期借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産合計は406,927百万円で、前連結会計年度末から18,570百万円増加しました。この主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。親会社所有者帰属持分比率は71.6%となっています。
ROAとROE
シスメックス株式会社のROA(総資産利益率)は前連結会計年度が13.9%、当第3四半期連結累計期間は年換算で11.4%と、高水準を維持しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前連結会計年度が16.5%、当第3四半期連結累計期間は年換算で11.2%と、やや減少傾向にあります。これは、利益率の高い製品の販売が好調である一方で、のれんなどの無形資産の増加や自己株式の取得などにより自己資本が増加したことによるものと考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により38,868百万円の収入がありました。一方で、投資活動により41,861百万円の支出があり、主に有形固定資産の取得と無形資産の取得によるものです。財務活動では、長期借入れによる収入があった一方で、配当金の支払いや自己株式の取得により10,707百万円の支出がありました。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末から10,097百万円減少し、59,362百万円となりました。
配当の支払額
シスメックス株式会社は、株主への利益還元を重要な経営方針の一つとしています。当第3四半期連結累計期間では、年間配当金84円(うち中間配当42円)を実施しており、配当金の総額は17,579百万円となりました。今後も、業績の推移に応じた適正な配当水準の維持を目指していくと考えられます。
今後の展望
シスメックス株式会社は、今後も医療分野での技術革新や新製品投入などにより、持続的な成長が期待されます。特に注目されるのが、再生医療やメディカルロボット分野への取り組みです。ヒトiPS細胞から血小板を産生する技術を有する企業の連結子会社化や、手術支援ロボットの販売強化など、新しい事業領域での事業拡大が進んでいます。これらの取り組みが今後の業績に好影響を与えることが期待されます。
編集部のまとめ
シスメックス株式会社は、検体検査機器や試薬を中心とした事業で、国内外で高い評価を得ている医療機器メーカーです。直近の決算では、海外市場を中心に好調な業績を発表しました。安定した収益性と財務体質を維持しつつ、再生医療やメディカルロボットなどの新分野にも積極的に挑戦しています。今後も医療分野における技術革新をリードし、持続的な成長が期待されます。
シスメックス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
シスメックス株式会社の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。当期の配当金は年間84円(うち中間配当42円)で、配当金の総額は17,579百万円となりました。今後も、業績に応じた適正な配当水準の維持が期待されます。