株式会社フェローテックホールディングスの決算報告書の内容をご紹介します。この企業は半導体関連製品や電子デバイスなどを製造・販売する老舗企業です。最近では需要調整局面に入っていますが、パワー半導体関連などの好調な部門をはじめ、売上と利益を維持し続けています。今後も中国市場を中心に成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社フェローテックホールディングス
証券コード: 68900
決算期: 2024年３月31日
株式会社フェローテックホールディングスの決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社フェローテックホールディングスの決算期は2024年３月31日です。
通常の日本企業と同様、４月から３月までの年度で決算を行っています。
主な事業
株式会社フェローテックホールディングスは、半導体製造装置関連部品や電子デバイス製品の製造・販売が主力事業です。
具体的には、真空シール、石英製品、シリコンパーツ、セラミックス製品などの半導体製造プロセス向け製品と、サーモモジュール、パワー半導体用基板、センサなどの電子デバイス製品を手掛けています。
これらの製品は、半導体、電子部品、産業機器などの分野で幅広く使用されており、同社は業界をリードする老舗企業の地位を築いています。
今期の業績と利益率は？
当第３四半期連結累計期間の業績は、売上高168,266百万円、営業利益20,926百万円、経常利益23,266百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益13,464百万円となりました。
売上高は前年同期比8.1％増と好調ですが、営業利益は21.8％減となっています。これは原価率の上昇や販管費の増加によるものです。
一方、経常利益は34.1％減となりましたが、これは前年同期に発生した為替差益の反動によるものです。
売上・利益の推移
近年の業績を見ると、2023年３月期の売上高は210,810百万円、経常利益は42,448百万円と好調でした。
しかし、2024年３月期第３四半期では半導体関連需要の調整局面の影響で、売上高が168,266百万円、経常利益は23,266百万円と前年同期から減少しています。
ただし、パワー半導体やＥＶ関連の好調などにより、減少幅は限定的に留まっています。今後の業績については、中国市場を中心とする成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社フェローテックホールディングスの直近の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は508,676百万円となっています。前期末から98,028百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が126,170百万円、有形固定資産が188,740百万円と大きな割合を占めています。
前期末からは現金及び預金が23,054百万円増加し、有形固定資産も49,130百万円増加するなど、資産規模が大きく拡大しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が38,415百万円、長期借入金（１年内返済予定を含む）が78,082百万円となっています。
前期末からは支払手形及び買掛金が2,109百万円減少した一方、長期借入金は40,547百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部は282,249百万円となっています。前期末から32,592百万円増加しました。
これは主に利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加、非支配株主持分の増加によるものです。
ROAとROE
当社のROAは4.7%、ROEは5.9%となっています。
前年同期と比べ、ROAは1.6ポイント減、ROEは2.0ポイント減少しています。
これは、主に経常利益が減少したことが影響しています。
ただし、依然として高い水準を維持しており、収益性は良好と言えます。今後は、中国市場を中心とした成長戦略を推進することで、収益性の向上が期待できます。
キャッシュフロー
当第３四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが26,270百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが47,345百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが46,501百万円のプラスとなっています。
設備投資などの資金需要は増加していますが、営業活動によるキャッシュ・インフローが大きく、また、新株発行や借入などの財務活動によっても十分な資金を確保できている状況です。
配当の支払額
当第３四半期連結累計期間では、年間配当金が105円となっています。
前期の年間配当金は105円でしたので、同水準の配当を維持しています。
配当性向は36.6%となっており、株主還元にも力を入れている企業と言えます。
今後の展望
株式会社フェローテックホールディングスは、近年の業績好調を背景に、さらなる成長を目指しています。
特に中国市場において、パワー半導体用基板や電気自動車関連製品の需要拡大が期待されています。
また、半導体製造装置関連部品も、中長期的な需要増加が見込まれており、同社の強みを生かせると考えられます。
今後も、成長分野への積極的な投資と、グローバル展開の加速により、企業価値の向上を目指していくことでしょう。
編集部のまとめ
株式会社フェローテックホールディングスは、半導体関連製品と電子デバイス製品を柱とする総合エレクトロニクス企業です。
直近の決算では、一時的な需要調整の影響で減益となりましたが、パワー半導体関連などの好調部門により、業績は良好な水準を維持しています。
今後は、中国市場を中心とした成長戦略を推進することで、さらなる収益力の向上が期待できそうです。
安定的な配当水準の維持や高い収益性も、同社の魅力と言えるでしょう。
株式会社フェローテックホールディングスの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は毎年３月31日で、年間の配当金は105円を維持しています。
持続的な成長と収益力の向上により、今後も株主還元の充実が期待されます。
