株式会社エノモトの2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は金属加工品の製造・販売を行う企業で、主力製品はパワー半導体用リードフレームやコネクタ用部品といった電子部品です。今期の業績は、自動車向けは堅調だったものの、スマートフォンなどの民生用機器やその他の産業機器向けの在庫調整の影響を受け、売上高、利益ともに前年同期比で減少となりました。
企業情報
企業名: 株式会社エノモト
証券コード: 69280
決算期: 2023年12月期
株式会社エノモトの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社エノモトの決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日です。2023年12月期第3四半期の決算は2024年2月9日に発表されました。
主な事業
株式会社エノモトは金属加工品の製造・販売を行う企業で、パワー半導体用リードフレーム、オプト用リードフレーム、コネクタ用部品などの電子部品を主力製品として事業を展開しています。自動車向けの電子化、LED化の進展を背景に需要が拡大している製品群を中心に、精密な金属加工技術を活かして収益力の向上に努めています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高191.9億円(前年同期比15.4%減)、営業利益2.4億円(同84.0%減)、経常利益2.8億円(同83.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1.2億円(同90.3%減)と、減収減益となりました。利益率は大幅に低下し、営業利益率は1.3%、経常利益率は1.5%、純利益率は0.6%となりました。
売上・利益の推移
同社は過去3年間で売上高が29.3億円から19.2億円に減少、経常利益も18.1億円から2.8億円と大幅に減少しています。自動車向けは好調に推移しているものの、民生用機器やその他の産業機器向けの在庫調整の影響が長期化したことが主な要因です。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表を見ると、総資産は332.1億円で前期末比8.3億円減少、負債合計は117.8億円で前期末比16.6億円減少、純資産は214.3億円で前期末比8.3億円増加しています。自己資本比率は64.4%と高水準を維持しており、財務体質は健全であると評価できます。
資産の部
流動資産は180.3億円、固定資産は151.7億円となっています。流動資産の現金及び預金48.1億円、受取手形等69.0億円が主な内訳です。固定資産の有形固定資産136.6億円が大宗を占めています。
負債の部
流動負債は88.5億円、固定負債は29.3億円です。流動負債の支払手形及び買掛金54.6億円、固定負債の長期借入金16.2億円が主な内訳です。
純資産の部
株主資本は187.6億円、その他の包括利益累計額は26.5億円で、純資産合計は214.3億円となっています。自己資本比率は64.4%と高水準を維持しており、財務の健全性は高いと言えます。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は、過去3年間で2.1%→3.8%→0.8%と大幅に低下しています。また、ROE(自己資本利益率)も8.1%→6.4%→0.5%と大幅に低下しています。これは主力製品の在庫調整による需要の減少で、売上高と利益が大きく減少したことが主な要因です。今後の事業環境回復に伴い、収益性の改善に期待がかかっています。
キャッシュフロー
キャッシュ・フローの状況は開示されていませんが、連結貸借対照表からは現金及び預金が前期末比7.6億円増加していることがわかります。営業活動によるキャッシュ・インフローが増加し、財務活動によるキャッシュ・アウトフローが減少したことが要因と考えられます。今後も安定した収益基盤の構築とキャッシュ・フローの改善が期待されます。
配当の支払額
株式会社エノモトは、2023年6月期の期末配当金と2023年12月期の中間配当金を合わせて、1株当たり65円の配当を実施しました。前期の年間配当金60円から5円増配となり、堅調な業績を反映した配当政策と言えます。今後も株主還元の強化に期待できるでしょう。
今後の展望
株式会社エノモトは、自動車向け製品の需要拡大や、IoT化、5G化を背景にしたスマートフォンやその他産業機器向けの需要回復に期待しています。同社の強みである精密加工技術を活かし、新規顧客の開拓や既存取引先への提案力を高めることで、収益力の向上を目指します。また、コスト管理の強化や生産性の向上にも注力し、業績の回復に取り組んでいきます。
編集部のまとめ
株式会社エノモトは、自動車向けの好調な需要が支えとなっているものの、スマートフォンやその他の産業機器向けの在庫調整の影響が長期化し、業績は減収減益となりました。しかし、同社の強みである金属加工技術を活かし、新規顧客開拓や生産性向上に取り組むことで、今後の業績回復が期待できます。財務体質も健全で、堅実な配当も行っています。同社の中長期的な成長に期待が高まります。
株式会社エノモトの決算日や配当についてまとめました。
株式会社エノモトは、決算日が3月31日、第3四半期決算が12月31日で、2023年12月期の年間配当金は1株当たり65円と前期から5円増配しました。同社は金属加工品の製造・販売を行い、自動車向けが好調ですが、民生用機器やその他産業機器向けの在庫調整の影響を受けたことで、業績は減収減益となりました。しかし、同社の技術力と財務基盤の強さから、今後の業績回復に期待が高まっています。