今期の決算報告を見ると、山一電機株式会社は売上高が前年同期比27.1%減の27,015百万円となり、厳しい状況が続いていますね。
しかし、利益面でも営業利益が75.5%減の1,927百万円と大きく落ち込んでいるものの、対処策を講じて収益改善に努めているようです。
今後は、半導体市場の動向や原材料価格の高騰などの影響に注目していく必要がありそうです。
企業情報
企業名: 山一電機株式会社
証券コード: 69410
決算期: 3月期
山一電機株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
山一電機株式会社の決算期は3月期で、毎年3月31日が決算日となっています。
第3四半期決算は12月31日が決算日で、今回の決算報告書はこの第3四半期の業績を示したものです。
主な事業
山一電機株式会社は、テストソリューション事業、コネクタソリューション事業、光関連事業の3つを中核事業としている半導体関連製品メーカーです。
主力製品はテスト用ソケット、バーンインソケット、車載や産業機器向けコネクタ、光学フィルタなどです。
半導体業界のトレンドや顧客ニーズの変化に柔軟に対応し、高機能・高付加価値製品の開発に注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が27,015百万円と前年同期比で27.1%減少しています。
利益面では、営業利益が1,927百万円と75.5%の大幅減となっています。
利益率も低下傾向にあり、営業利益率は7.1%となっています。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比27.1%減と大きく落ち込んでいます。
利益面でも、営業利益が76.9%減と大幅に減少しており、経常利益も76.9%減と同様の厳しい状況です。
この減少は主に、スマートフォン向け製品の需要低迷や、PCやメモリ半導体向けの需要減退による影響が大きいものと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
山一電機株式会社の四半期連結貸借対照表を見てみると、資産合計は48,003百万円で、前期末比で2,365百万円減少しています。
この減少は主に、現金及び預金の減少によるものです。
資産の部
流動資産は28,414百万円で、前期末比4,279百万円減少しています。
固定資産は19,588百万円と1,914百万円増加しており、生産工場の建設による建設仮勘定の増加が主な要因です。
負債の部
流動負債は7,994百万円と前期末比2,434百万円減少しています。
主な要因は、未払法人税等の減少と賞与引当金の減少です。
固定負債は3,210百万円と284百万円増加しています。
純資産の部
純資産合計は36,798百万円と前期末比215百万円減少しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益が1,388百万円となったものの、剰余金の配当と自己株式の取得によるものです。
自己資本比率は76.3%と高水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期の5.2%から2.9%に低下しており、ROEも前期の14.7%から3.8%に大きく下がっています。
これは、利益が大幅に減少したことによる影響が大きいと考えられます。
今後は収益力の改善が課題となっており、研究開発投資や新製品投入、生産性向上などに取り組む必要がありそうです。
キャッシュフロー
当第3四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは1,956百万円の収入となっています。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは2,711百万円の支出となっており、主に設備投資に伴う支出が大きかったようです。
財務活動では、配当金の支払いと自己株式の取得により2,718百万円の支出となっています。
配当の支払額
当期は、中間配当として1株当たり18円、期末配当として1株当たり69円の配当を実施する予定です。
前年同期と比べると、中間配当は減少していますが、期末配当は増加する見込みです。
株主還元に努めつつ、今後の事業展開に向けた内部留保の確保にも取り組んでいる模様です。
今後の展望
山一電機株式会社は、半導体市場の動向を注視しつつ、新製品の開発や生産性の向上に取り組んでいく方針です。
特に、車載機器向けやメディカル機器向けなどの成長分野への注力と、自動化や省人化によるコスト削減に期待がかかっています。
受注環境の改善と、収益力の回復に向けて努力していく姿勢が窺えます。
編集部のまとめ
今期の山一電機株式会社の決算は、半導体関連の需要低迷の影響を大きく受けており、売上高や利益面で大幅な減少となりました。
しかし、収益力の改善に向けて、新製品開発や生産性向上、成長分野への注力など、様々な対策に取り組んでいます。
今後の半導体市況の回復や、同社の施策が奏功すれば、業績の改善が期待できるかもしれません。
山一電機株式会社の決算日や配当についてまとめました。
山一電機株式会社の決算期は3月期で、毎年3月31日が決算日となっています。
配当は、中間配当が1株当たり18円、期末配当が1株当たり69円の計画となっています。
株主還元に取り組みつつ、内部留保の確保にも努めているようです。