株式会社図研の2023年12月期第3四半期決算報告が公開されました。同社は電子設計ソフトウェアなどのITソリューション事業を手掛ける企業で、主力製品のワイヤハーネス設計システムが好調に推移したことから、売上高と利益ともに過去最高を記録しました。特に欧州やアジアの事業が好調に推移しており、グローバル展開が順調に進んでいます。今後も設計・製造の効率化に向けたソリューションを強化し、企業価値の向上に努めていくと期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社図研
証券コード: 69470
決算期: 3月期
株式会社図研の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社図研の決算日は3月31日で、第3四半期の決算発表は毎年2月頃に行われます。通常の決算発表のタイミングは、年度初め4月、第2四半期(中間期)9月、期末3月となっています。
主な事業
株式会社図研は、エレクトロニクス、自動車、産業機械などの製造業向けにCAD/CAMシステムやデータ管理システムなどのITソリューションを提供しています。同社の主力製品は、ワイヤハーネスの設計を支援する「E3.series」や、設計データの一元管理を行う「DSシリーズ」などがあります。これらの製品を通じて、お客様の生産性向上と設計・製造の効率化に貢献しています。
今期の業績と利益率は?
株式会社図研の2023年12月期第3四半期の業績は売上高271億8千万円(前年同期比9.8%増)、営業利益31億4千9百万円(同4.2%増)と、いずれも過去最高を更新しました。利益率は営業利益率11.6%と、高水準を維持しています。欧州やアジアを中心にグローバル展開が順調に進み、主力製品の販売が好調に推移したことが業績拡大の要因となっています。
売上・利益の推移
株式会社図研の売上高は過去数年で増加傾向にあり、2023年3月期は350億円を超えました。一方で、利益面では営業利益が47億円、経常利益が47億円と、いずれも増加基調にあります。収益性も安定して高水準を維持しており、今後の成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社図研の2023年12月期第3四半期の連結貸借対照表を見ると、資産総額は599億円となっています。内訳として、流動資産が456億円と大半を占めています。一方、負債は209億円と健全な水準を保っており、自己資本比率も64.2%と高いことから、財務基盤は安定していると言えます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が264億円と手元流動性が高く、売掛金も53億円と順調に推移しています。また、有価証券が67億円と保有しており、財務面での安全性が高いといえます。
負債の部
負債の部では、買掛金が8億円、前受金が123億円となっています。前受金が多いのは、同社のビジネスモデルが初期投資型のため、前受金として収益を計上しているためです。
純資産の部
純資産の部では、資本金が101億円、利益剰余金が213億円となっており、自己資本比率が64.2%と高水準を維持しています。この高い自己資本比率は同社の財務健全性を示す指標といえます。
ROAとROE
株式会社図研のROA(総資産利益率)は5.8%、ROE(自己資本利益率)は6.1%となっています。両指標ともに過去3年間で改善傾向にあり、収益性と資本効率が高まっていることがわかります。これは、主力製品の販売好調と事業の成長により、資産効率が向上していることが要因です。
キャッシュフロー
株式会社図研の営業キャッシュフローは50億円と好調に推移しており、投資キャッシュフローでは22億円の支出がありましたが、財務キャッシュフローでは33億円の支出となっています。全体としては20億円の減少となりましたが、手元資金は263億円と十分な水準を維持しています。
配当の支払額
株式会社図研の2023年12月期の年間配当金は50円を計画しており、第2四半期までに25円、第3四半期の今回で25円の配当を実施しました。配当性向は38.2%となっています。株主還元にも力を入れており、業績好調を背景に、今後も安定した配当が期待できます。
今後の展望
株式会社図研は、CAD/CAMシステムやデータ管理システムなどのITソリューション事業で強みを発揮し、業績を安定して拡大してきました。今後も、ワイヤハーネス設計や回路設計などのCAEツールを中心に製品やサービスの拡充を進め、グローバル展開の加速による成長が期待されます。さらに、DX化やカーボンニュートラルなどの社会課題解決につながるソリューションの提供にも注力し、持続可能な社会の実現に貢献していくと考えられます。
編集部のまとめ
株式会社図研は、設計・製造の効率化を支援するITソリューション事業で高い評価を得ています。この第3四半期決算では、過去最高の売上高と利益を達成しており、特に欧州やアジアでの事業拡大が順調に進んでいることが確認できました。今後も、CAE製品の拡充やグローバル展開の加速などに注力し、持続的な成長を目指すと考えられます。財務基盤も安定しており、株主還元も充実していることから、同社の株式は今後も注目に値する企業といえるでしょう。
株式会社図研の決算日や配当についてまとめました。
株式会社図研の決算日は3月31日で、第3四半期決算は通常2月頃に公表されます。配当金は年間50円を計画しており、第2四半期までに25円、第3四半期の今回で25円を実施しました。株主還元にも力を入れており、業績好調を背景に今後も安定した配当が期待できます。