日本電子株式会社の最新四半期決算報告書を見てみましょう。ご好評の電子顕微鏡を中心に、半導体やバッテリー関連など、当社の製品は幅広い分野で活躍しています。この四半期も全体としてはおおむね好調に推移しており、売上高は前年同期比0.8%減の106,877百万円、営業利益は24.0%減の13,251百万円となりました。
企業情報
企業名: 日本電子株式会社
証券コード: 69510
決算期: 3月期
日本電子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本電子株式会社の決算期は3月期で、四半期決算は6月、9月、12月、3月の年4回行われています。今回ご紹介しているのは2023年12月31日を期末とする第3四半期の決算報告書となります。
主な事業
日本電子株式会社は、電子顕微鏡をはじめとする科学計測機器の 製造・販売 が主力事業です。また、半導体製造装置や医療機器の開発・製造にも注力しており、幅広い分野で事業展開しています。最近では先端半導体市場の縮小に伴い、産業機器事業の売上が低下する一方で、電子顕微鏡の需要が堅調に推移し、理科学・計測機器事業が好調に推移しています。
今期の業績と利益率は?
今期の第3四半期の売上高は106,877百万円で、前年同期比0.8%減少しました。一方で、営業利益は13,251百万円と24.0%の減少となりました。売上高営業利益率は前年同期の16.2%から12.4%に低下しています。この背景には、先端半導体市場の縮小に伴う産業機器事業の低迷が影響しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2022年3月期に売上高は162,689百万円、営業利益は23,501百万円と、過去最高を記録しました。その後、2023年3月期は売上高が162,689百万円、営業利益が23,501百万円とやや減少しました。今期の見通しもやや弱含みですが、中長期的には電子顕微鏡を中心とする理科学・計測機器事業の好調が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が前期末比18,593百万円増加の217,873百万円となっています。このうち、流動資産は、棚卸資産の増加などにより1,010百万円増加の160,071百万円となりました。
資産の部
流動資産の増加の一方で、固定資産も17,612百万円増加の57,775百万円となりました。これは主に、投資有価証券が17,459百万円増加したことによるものです。
負債の部
負債合計は前期末より9,881百万円増加の107,265百万円となりました。流動負債が6,749百万円増加の87,656百万円、固定負債が3,132百万円増加の19,609百万円となっています。
純資産の部
一方、純資産合計は前期末より8,712百万円増加の110,607百万円となりました。主な変動は、利益剰余金が6,608百万円増加したことによるものです。自己資本比率は前期末の51.1%から50.8%に若干低下しましたが、健全な財務体質を維持しています。
ROAとROE
当社のROA(総資産利益率)は過去3年間6%前後で推移してきました。同様に、ROE(自己資本利益率)も10%前後で安定的に推移しています。このことから、当社は資産効率や資本効率の面でも健全な経営を行っていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
当社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インフローが安定して推移しています。一方で、設備投資や自社株買いなどの投資活動によるキャッシュ・アウトフローが大きくなっています。この結果、現金及び現金同等物の残高は減少傾向にあります。今後の事業展開に合わせた設備投資やM&Aなど、戦略的な資金の使途が課題となっています。
配当の支払額
当社は、株主への利益還元として安定配当を実施しています。第3四半期には1株当たり33円の中間配当を実施しました。直近3年間の年間配当金は66円前後で推移しており、株主還元に力を入れていることがわかります。
今後の展望
今後の経営環境については、半導体市場の調整局面が続く一方で、科学技術分野での投資需要は引き続き堅調に推移するものと期待されます。当社では、中期経営計画「Evolving Growth Plan」に基づき、電子顕微鏡を中心とする理科学・計測機器事業の更なる強化に取り組むとともに、半導体市場の変化にも柔軟に対応していく方針です。
編集部のまとめ
日本電子株式会社は、これまで培ってきた電子顕微鏡の技術力を活かし、先端半導体市場の動向にも柔軟に対応しながら、着実に業績を伸ばしてきた企業です。今期は先端半導体市場の調整局面の影響を受けましたが、中長期的には理科学・計測機器事業の好調が期待できそうです。また、株主還元も安定的に行われており、投資家にとっても魅力的な企業といえるでしょう。
日本電子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本電子株式会社の決算期は3月期で、四半期決算は6月、9月、12月、3月の年4回行われています。直近の第3四半期決算では、売上高は106,877百万円、営業利益は13,251百万円となりました。株主への還元としては、中間配当が1株当たり33円と、業績に応じた安定した配当を実施しています。今後も、電子顕微鏡を中心とした理科学・計測機器事業の成長に期待が高まっています。