カシオ計算機株式会社の2023年12月期第3四半期決算の概要をお届けします。コロナ禍の経済回復への不透明感が継続しつつも、同社は着実に業績を向上させています。主力の時計事業では、中国市場の回復は低調だったものの、全体としては緩やかな回復傾向が見られました。また、関数電卓を中心とする教育分野の事業も堅調に推移しています。
企業情報
企業名: カシオ計算機株式会社
証券コード: E01935
決算期: 第68期第3四半期(2023年4月1日〜2023年12月31日)
カシオ計算機株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
カシオ計算機の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日が期末となります。決算発表は例年2月頃に行われています。
主な事業
カシオ計算機は時計、電子楽器、電子辞書、関数電卓といった商品の製造・販売を主な事業としています。特に時計部門は同社の主力事業で、全売上高の6割以上を占めています。他にも、プロジェクター等のシステム製品やスマートフォンなども手掛けています。近年は教育分野向けのIT機器の開発にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結売上高は2,012億円と前年同期並みの水準を確保しました。一方で、営業利益は118億円と前年同期比28.3%減少しています。製品価格上昇による収益改善はあったものの、コスト増加の影響が大きかったようです。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と営業利益の推移を見ると、2022年3月期は大幅な増収増益となりました。時計や教育分野の需要回復などが業績を押し上げた結果です。
一方、2023年3月期は増収減益となりました。コスト上昇の影響を吸収できずに減益となったと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日現在の連結貸借対照表を見ると、総資産は3,360億円となっています。前期末から8億円の増加です。一方、純資産は2,185億円で、自己資本比率は65.0%となっています。
資産の部
流動資産は2,341億円で、主な内訳は現金及び預金、有価証券、棚卸資産などです。固定資産は1,018億円で、有形固定資産や投資有価証券などが該当します。
負債の部
流動負債は599億円で、主な内訳は支払手形及び買掛金、短期借入金などです。固定負債は575億円で、長期借入金などが該当します。
純資産の部
利益剰余金は1,260億円、自己株式は132億円となっています。その他の包括利益累計額も171億円と大きな金額を計上しています。
ROAとROE
ROAは前期末の6.2%から当第3四半期は4.6%に低下しました。ROEも前期末の9.5%から当第3四半期は8.7%に低下しています。
これは、売上総利益率の悪化などを背景に経常利益が減少したことが主な要因と考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは開示されていませんが、前年同期では営業活動によるキャッシュ・フローが80億円のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが12億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが35億円のマイナスでした。
配当の支払額
2023年6月期の年間配当金は1株当たり45円(中間配当22.5円、期末配当22.5円)でした。
2023年12月期の中間配当金は1株当たり22.5円で、前年同期より増配となっています。
今後の展望
世界経済の不透明感が継続する中、カシオ計算機は時計事業の復調や教育ITソリューションの拡大に取り組んでいきます。新製品開発や成長分野への投資を強化し、収益力の向上を図る方針です。市場の変化に応じた柔軟な事業運営で、持続的な成長を目指していきます。
編集部のまとめ
カシオ計算機は時計を中心とする主力事業の回復と、教育IT分野での成長によって、全体として堅調な業績を維持しています。一時的なコスト増加の影響もありましたが、中長期的には収益力の向上が期待できそうです。
同社の今後の展開にも注目が集まりそうですね。
カシオ計算機株式会社の決算日や配当についてまとめました。
カシオ計算機の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日が期末となります。
2023年12月期の中間配当は1株当たり22.5円と、前年同期から増配となっています。今後の業績に期待が高まっています。