この度の双葉電子工業株式会社の決算報告は、同社の業績が改善の兆しをみせていることがわかりました。タッチセンサーや有機ELディスプレイなどの電子デバイス関連事業が好調に推移し、さらには生産器材事業でも適正売価政策の効果が出始めているようです。売上高はやや減少したものの、経常損失と親会社株主に帰属する四半期純損失がともに大幅に縮小という健全な決算内容となっています。今後は構造改革を進め、持続的成長につなげる取り組みが期待されますね。
企業情報
企業名: 双葉電子工業株式会社
証券コード: 6986
決算期: 3月
双葉電子工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
双葉電子工業株式会社の決算期は3月31日で、通期決算の発表は6月頃に行われます。また、四半期決算は、第1四半期(6月30日)、第2四半期(9月30日)、第3四半期(12月31日)と年3回の開示が行われています。
主な事業
双葉電子工業株式会社は、電子デバイス関連事業と生産器材事業を展開しています。電子デバイス関連事業では、タッチセンサーや有機ELディスプレイ、蛍光表示管などの開発・製造・販売を手がけています。また生産器材事業では、プレート製品や金型用器材、成形・生産合理化機器などの製造・販売を行っています。これらの製品は、自動車やスマートフォン、家電など幅広い分野に使用されています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が42,251百万円と前年同期比6.4%減となりましたが、経常損失は24百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は3,438百万円と、前年同期と比べ大幅に改善されています。利益率は依然マイナスではありますが、構造改革の効果などにより、損失幅が縮小傾向にあります。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比で6.4%減少しましたが、経常損失と四半期純損失は大幅に改善されています。これは、タッチセンサーや有機ELディスプレイといった電子デバイス関連事業の業績が回復傾向にあるほか、生産器材事業における適正売価政策の効果が現れ始めているためです。今後も事業構造の再構築や固定費の統制強化などによる収益性の向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
双葉電子工業の財務状況は、総資産が96,784百万円、負債が12,278百万円、純資産が84,505百万円となっています。前期末と比べて総資産は減少しましたが、有利子負債の削減などにより、自己資本比率は74.9%と高水準を維持しており、財務基盤は安定しています。
資産の部
総資産は96,784百万円で、前期末より1,334百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少や受取手形及び売掛金の減少などによるものです。また、有形固定資産は18,544百万円となっています。
負債の部
負債合計は12,278百万円で、前期末より1,629百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少や短期借入金の減少などによるものです。
純資産の部
純資産は84,505百万円で、前期末より705百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上によるものです。一方で、為替換算調整勘定の増加により、その他の包括利益累計額が増加しています。
ROAとROE
ROAは当期末時点で△3.6%、ROEは△5.2%となっています。前期末と比べ両指標とも大幅に改善されています。これは、経常損失の縮小と純資産の減少によるものです。今後は、収益性の向上と自己資本の効率的な運用により、これらの指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については、四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため詳細は不明です。ただし、営業活動によるキャッシュ・フローは増加基調にあり、財務基盤の強化が進んでいるものと推察されます。今後は、キャッシュ・フローの分析を通じて、より健全な財務体質の構築が期待されます。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間において、中間配当として1株当たり5円の配当を実施しました。前期は年間で1株当たり21円の配当を行っていたことから、厳しい業績を反映した形となっています。今後の業績回復に伴い、配当水準の引き上げも期待されます。
今後の展望
双葉電子工業は、「Re-Futaba -考動(決意と約束)-」と題した事業再生計画に基づき、構造改革を確実に遂行しています。電子デバイス関連事業では、有機ELディスプレイやアウトセル用タッチセンサーの自社生産を終了するなど、事業ポートフォリオの見直しを進めています。また、生産器材事業でも国内外の生産体制の最適化に取り組んでおり、収益性の向上と財務基盤の強化に向けた取り組みが期待されます。
編集部のまとめ
双葉電子工業の決算は、収益性の改善に向けた取り組みが着実に進展していることが分かりました。電子デバイス関連事業では、有機ELディスプレイやタッチセンサーの事業見直しによる損失の縮小が成果として表れています。一方で、生産器材事業の収益性改善にも期待が高まっています。今後は、さらなる構造改革の推進と、新しい事業の柱づくりにも注目したいところです。
双葉電子工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
双葉電子工業の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日に行われています。また、当期の中間配当は1株当たり5円の支払いがありましたが、業績の回復を受けて、今後の配当水準の引き上げも期待できそうです。