株式会社三井E&Sの決算報告によると、同社の業績は順調に推移しているようです。舶用推進システム事業や港湾物流システム事業が好調で、売上高は前年同期比24.3%増となりました。営業利益も黒字に転換し、134億円を計上しています。
また、第1回行使価額修正条項付新株予約権の全てが行使され、約85億円を調達したことで財務体質が強化されるなど、同社の成長戦略が順調に進んでいる様子が窺えます。
企業情報
企業名: 株式会社三井E&S
証券コード: 70030
決算期: 2024年3月期
株式会社三井E&Sの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社三井E&Sの決算期は3月期で、四半期決算を実施しています。
今回発表されたのは2023年12月31日で終了する第3四半期連結累計期間の決算となります。
主な事業
株式会社三井E&Sは、主に舶用推進システム、物流システム、産業機械などの製造・販売を行っています。
特に舶用推進システムとして船舶用エンジンの開発・製造に強みを持ち、機関推進システムの世界有数のメーカーの1つとなっています。
また、港湾クレーンやコンテナ荷役システムの開発・製造にも注力しており、物流システム分野でも高い技術力を誇っています。
今期の業績と利益率は?
株式会社三井E&Sの当第3四半期連結累計期間の業績は好調でした。
売上高は前年同期比24.3%増の2,153億円、営業利益は134億円と大幅に改善しました。
収益性も高まり、営業利益率は6.3%となりました。
売上・利益の推移
株式会社三井E&Sは、舶用推進システム事業や物流システム事業が順調に推移しています。
前期から売上高が増加し、当第3四半期連結累計期間は2,153億円と大幅な増収となりました。
また、営業利益についても前期の25億円の損失から134億円の黒字に転換するなど、大幅な業績改善が見られます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社三井E&Sの四半期連結貸借対照表は、資産が前期末比270億円増加の4,670億円、負債が4億円減少の3,288億円となりました。
純資産は274億円増加の1,381億円と、財務体質の改善が進んでいるようです。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産、仕掛品、原材料及び貯蔵品、投資有価証券が増加しています。
特に仕掛品が101億円増加するなど、事業活動が活発化していることがわかります。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金や1年内償還予定の社債、受注工事損失引当金が減少しています。
全体としては、資金調達がスムーズに行われていると考えられます。
純資産の部
純資産の部では、第1回行使価額修正条項付新株予約権の行使などにより資本金が増加したほか、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と為替換算調整勘定の増加により、純資産が274億円増加しています。
ROAとROE
株式会社三井E&SのROAは改善傾向にあり、前期末の4.4%から当四半期末は5.3%となりました。
これは、営業利益が大幅に改善したことに加え、資産効率の向上に努めた結果といえます。
同様にROEも前期末の13.4%から18.9%に上昇しており、収益性と資本効率が高まっていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
株式会社三井E&Sのキャッシュフローについては、当第3四半期連結累計期間の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
ただし、四半期報告書によると、減価償却費が54億円、のれんの償却が7億円と、着実に営業活動によるキャッシュ・インが生み出されていることがわかります。
配当の支払額
株式会社三井E&Sは当第3四半期連結累計期間において、普通株式1株当たり3円、A種優先株式1株当たり29.38円の配当を行っています。
これは同社が6期ぶりに復配したことを示しており、今後の安定配当に期待がかかっています。
今後の展望
株式会社三井E&Sは、舶用推進事業と港湾物流事業を中心としたグリーンとデジタルの両面から成長を目指しています。
具体的には、舶用エンジンの燃料多様化や港湾クレーンのEV化など、環境対応型製品の開発に注力。
また、デジタル技術の活用によるサービス向上にも取り組むなど、中核事業の強化と新たな収益源の確保を図っています。
今後の更なる業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社三井E&Sの決算は全体的に好調と言えるでしょう。
舶用推進システムや物流システムの事業が伸び、売上高、営業利益ともに大幅な増加を果たしました。
財務面でも自己資本比率の向上や配当の復活など、同社の経営基盤は着実に強化されています。
今後も「グリーン」と「デジタル」に軸足を置いた事業展開により、さらなる成長が期待できそうです。
株式会社三井E&Sの決算日や配当についてまとめました。
株式会社三井E&Sの決算期は3月期で、四半期決算を行っています。
今回発表された決算は2023年12月31日で終了する第3四半期の業績で、前年同期比増収増益と好調な数字を示しました。
また、6期ぶりの復配を実現するなど、安定配当に向けた体制が整いつつあります。
今後も「グリーン」と「デジタル」を軸に事業の強化を図り、持続的な成長を目指していくことが期待されます。