日立造船株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は環境や機械・インフラ、脱炭素化など幅広い事業を展開する総合重工メーカーで、今期の業績は前年同期を上回る好調な結果となりました。
企業情報
企業名: 日立造船株式会社
証券コード: E02124
決算期: 3月期
日立造船株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日立造船株式会社の決算は3月期で、年4回の四半期決算を行っています。
主な事業
日立造船株式会社は、環境事業、機械・インフラ事業、脱炭素化事業などを中心に事業を展開しています。環境事業では、ごみ焼却発電施設の建設や運営、機械・インフラ事業ではプレス機や精密機械の製造、脱炭素化事業では風力発電関連設備の提供などに取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は372,317百万円と前年同期から40,914百万円(12.3%)増加しました。利益面では営業利益は9,511百万円と前年同期から3,686百万円(63.3%)増加し、経常利益も9,147百万円と前年同期から5,622百万円(159.5%)増加しています。
売上・利益の推移
日立造船の最近の売上高と利益の推移を見ると、売上高は緩やかな上昇傾向にあります。利益面では、2023年3月期の増益を受けて当期第3四半期も増益基調を継続しています。同社は環境事業の収益改善などにより、業績を堅調に伸ばしてきました。
四半期連結貸借対照表について
日立造船の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は469,378百万円となり前期末から10,304百万円(2.1%)減少しています。一方、負債合計は320,914百万円と前期末から17,456百万円(5.2%)減少しており、純資産は148,463百万円と前期末から7,152百万円(5.1%)増加しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が297,739百万円と前期末から21,114百万円(6.6%)減少しています。これは、主に現金及び預金の減少や売掛金の回収によるものです。一方、固定資産は171,590百万円と前期末から10,829百万円(6.7%)増加しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が227,834百万円と前期末から12,976百万円(5.4%)減少しました。これは主に仕入債務の支払いによる減少です。固定負債は93,079百万円と前期末から4,479百万円(4.6%)減少しています。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が139,825百万円と前期末から2,551百万円(1.9%)増加しました。このほか、非支配株主持分が5,597百万円と前期末から3,905百万円(230.8%)大幅に増加しています。
ROAとROE
日立造船のROA(総資産経常利益率)は2.0%と前年同期の1.0%から上昇しています。また、ROE(自己資本利益率)は8.0%と前年同期の5.0%を大きく上回りました。これは経常利益の増加に加え、株主資本の効率的な活用により、収益性と資本効率性が改善したことが要因です。
キャッシュフロー
詳細なキャッシュフロー計算書は開示されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期に比べ増加しており、手元流動性は健全な水準を維持できていると見られます。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは減少傾向にあるため、今後の成長投資にも注目が必要です。
配当の支払額
日立造船は2023年6月に1株当たり18円の期末配当を実施しました。これは前期から6円増加しており、業績回復に伴い増配となりました。同社は株主への利益還元を重視しているため、今後も安定配当が期待できると考えられます。
今後の展望
日立造船は2023年度から始まる中期経営計画「Forward 25」に基づき、既存事業の持続的成長、成長事業の創出・拡大、持続可能な経営の推進に取り組んでいます。特に脱炭素化事業への注力が期待されており、同社の強みを活かした幅広い事業展開で、中長期的な成長が見込まれます。
編集部のまとめ
日立造船株式会社は、環境やインフラ、脱炭素化分野を中心に事業を展開する総合重工メーカーです。2023年12月期第3四半期は、特に環境事業の好調により増収増益を達成しました。財務面でも健全性が維持されており、今後の成長が期待できます。また、同社は中期経営計画の推進により、持続的な企業価値向上に取り組んでいくことから、今後も注目の企業と言えるでしょう。
日立造船株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日立造船株式会社の決算は3月期で、年4回の四半期決算を行っています。直近では2023年12月期第3四半期の決算を発表しました。同社は2023年6月に1株当たり18円の期末配当を実施しており、業績回復に伴い増配となりました。今後も同社の動向に注目が集まると考えられます。