株式会社フロンティアインターナショナルの直近の四半期決算報告書が公開されました。プロモーション事業を行う同社は、売上高12,266百万円、経常利益1,143百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益485百万円と、前年同期比でやや減収減益の厳しい状況となりましたが、オフィシャルレポートから今期の状況を確認していきましょう。
企業情報
企業名: 株式会社フロンティアインターナショナル
証券コード: E34657
決算期: 2023年5月1日~2024年4月30日
株式会社フロンティアインターナショナルの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社フロンティアインターナショナルの決算日は4月30日で、四半期決算の発表は5月、8月、11月、2月に行われます。決算期は5月1日~4月30日の1年間となっています。
主な事業
株式会社フロンティアインターナショナルは、プロモーション事業を主力とする企業です。広告代理店業、プロモーション企画・制作、イベントの企画・演出、ダイレクトマーケティング等、さまざまなマーケティング支援サービスを提供しています。特に、従来のPR・広告に加えてデジタルマーケティングなども強化しており、企業のブランディングから販促活動まで総合的にサポートしています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高12,266百万円、営業利益1,129百万円となりました。売上高は前年同期比2.4%の減少となりましたが、利益面では、営業利益が25.8%の減少となっています。
利益率の推移としては、売上総利率は22.2%、営業利益率は9.2%と、前年同期に比べて低下しています。マーケット環境の変化や一部の低採算案件の影響、人件費の上昇など、収益性の悪化がみられた四半期でした。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移をみると、売上高は12,000~12,600百万円の水準で推移しています。一方で、経常利益は1,100~1,500百万円と、年度によって変動があります。
特に、前年同期と比べると、当第3四半期の売上・利益は二桁減となっているため、今後の業績回復が課題になると言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の貸借対照表では、総資産が11,832百万円となっています。前期末と比べて718百万円の増加となり、事業規模の拡大が続いていることがうかがえます。
資産の部
流動資産は9,893百万円で、前期末比635百万円の増加。現金預金が301百万円減少した一方で、受取手形や売掛金が418百万円増加しています。固定資産は1,939百万円で、同83百万円の増加となりました。
負債の部
流動負債は2,978百万円と227百万円増加。買掛金が387百万円増加しています。固定負債は607百万円で、239百万円の増加となりました。
純資産の部
純資産合計は8,247百万円となり、前期末比251百万円増加しました。自己資本比率は69.4%となっています。親会社株主に帰属する四半期純利益が485百万円計上され、剰余金の配当258百万円を行っています。
ROAとROE
ROAは直近12か月ベースで11.4%、ROEは14.4%となっています。
ROAはすでに前年水準を下回っていますが、ROEについては、自己資本の効率的な運用ができており、株主価値の向上につながっているといえます。コロナ禍からの回復基調にはあるものの、収益性の悪化が課題になっています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュフローは、営業活動で352百万円のキャッシュ・インフローとなっています。一方で投資活動では496百万円のキャッシュ・アウトフローを計上しています。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は4,798百万円となりました。手元資金の確保に努めつつ、M&Aなどの投資にも積極的に取り組んでいる模様です。
配当の支払額
当期の予想配当は1株当たり58円となっています。前期の90円から大幅に減少しましたが、配当性向は48.4%と、安定的な水準を維持しています。従業員への平均5%のベースアップなど、人材への投資に力を入れていることから、配当の減少となりました。
今後の展望
株式会社フロンティアインターナショナルは、デジタルマーケティングの強化を進めるなど、時代のニーズに合わせたサービスの拡充に注力しています。最近では、株式会社ガイアコミュニケーションズを子会社化し、事業領域の拡大を図っています。
今後は、M&Aも含めて、更なる事業拡大と収益力の向上に取り組んでいく方針です。2024年4月期の業績は、下半期の回復に期待がかかっていますが、マーケット環境の不透明感などの課題もあるため、注目していく必要があるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社フロンティアインターナショナルは、プロモーション事業を中心に着実な成長を遂げてきた企業です。最近では、M&Aなどを通じて事業領域の拡大にも力を入れ、収益力の向上に取り組んでいます。
当期の業績は前年割れとなりましたが、デジタル化の加速や働き方改革などの事業環境の変化に着実に対応しつつ、財務基盤も安定しているため、今後の更なる成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
株式会社フロンティアインターナショナルの決算日や配当についてまとめました。
株式会社フロンティアインターナショナルは、決算日を4月30日とする1年決算制を採用しています。当期の配当は1株当たり58円と、前期から減少したものの、配当性向は48.4%と、株主還元も安定して実施されています。引き続き、企業価値の向上と株主還元のバランスを取りながら、事業の成長に注力していくことが期待されます。