いすゞ自動車は、トラックやバス、産業用エンジンなどの製造・販売を中心とする大手自動車メーカーです。この度、同社の2023年度第3四半期の決算報告書が公開されました。売上高は前年同期比8.4%増の2兆5,415億円、営業利益も28.1%増の2,536億円と、増収増益となりました。部品不足の改善や価格対応などが寄与しており、好調な業績となりました。今後も自動車市況の変化に柔軟に対応しながら、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
企業情報
企業名: いすゞ自動車株式会社
証券コード: 72020
決算期: 2023年3月期
いすゞ自動車株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
いすゞ自動車の決算期は3月31日です。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の年4回行われており、本レポートは2023年12月31日に終了した第3四半期の決算状況をまとめたものです。
主な事業
いすゞ自動車は、トラックやバスなどの商用車、ピックアップトラックなどのライトコマーシャルビークル(LCV)、そして産業用エンジンの製造・販売を主な事業としています。国内外で幅広く事業を展開しており、特に海外市場での存在感が強く、世界有数の商用車メーカーとして高い評価を受けています。
今期の業績と利益率は?
いすゞ自動車の第3四半期の業績は、増収増益となりました。売上高は前年同期比8.4%増の2兆5,415億円、営業利益は28.1%増の2,536億円、経常利益は28.5%増の2,702億円となっています。部品不足の改善や価格対応の効果が業績に寄与した模様です。利益率も前年同期と比べて改善しており、順調な経営状況が続いていると言えるでしょう。
売上・利益の推移
いすゞ自動車の最近の売上高と利益の推移を見ると、コロナ禍の影響から徐々に回復しつつあることがわかります。2023年度第3四半期の売上高は2兆5,415億円と、前年同期比8.4%増と大幅な増収となりました。利益面でも、営業利益が2,536億円、経常利益が2,702億円と、いずれも前年同期から高い伸び率を示しています。
四半期連結貸借対照表について
いすゞ自動車の第3四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は前期末比1,449億円増加の3兆1,917億円となっています。主な増加要因は、棚卸資産の増加760億円、投資有価証券の増加333億円などです。一方、負債は同224億円増加の1兆5,589億円で、うち有利子負債が514億円増加しています。純資産は同1,226億円増加の1兆6,328億円となり、自己資本比率は44.6%と、財務の健全性も良好な状況にあると言えるでしょう。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が208億円減少した一方で、棚卸資産が760億円、投資有価証券が333億円増加しています。これは、生産活動の回復や株価上昇などによるものと考えられます。
負債の部
負債の部では、有利子負債が514億円増加しています。設備投資や運転資金の調達などに充当されていると推測されます。一方で、その他の流動負債が128億円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,594億円と大幅に増加したことで、純資産は前期末比1,226億円増加の1兆6,328億円となっています。自己資本比率も44.6%と、財務体質の改善が進んでいることがわかります。
ROAとROE
いすゞ自動車のROA(総資産経常利益率)は前年同期の7.0%から8.5%に上昇しており、経常利益の増加と資産効率の改善が進んでいることが分かります。また、ROE(自己資本当期純利益率)も前年同期の10.7%から12.3%に上昇しており、株主資本の効率的な運用が図られていると評価できます。
キャッシュフロー
第3四半期のキャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが2,918億円の収入となりました。設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは671億円の支出、一方で配当金の支払いなどの財務活動によるキャッシュ・フローは2,491億円の支出となっています。全体としては現金および現金同等物が208億円減少したものの、健全な財務体質を維持しています。
配当の支払額
いすゞ自動車は、株主への利益還元として積極的に配当を行っています。2023年度第2四半期の中間配当では1株当たり43円の配当金を支払っており、第3四半期の期末配当を含めると年間では86円となる見込みです。配当性向は順調に高まっており、株主還元の強化に取り組んでいます。
今後の展望
今後については、インフレや金利上昇などの影響が懸念されますが、新興国を中心とした市況の回復や価格転嫁、生産性向上などに取り組むことで、持続的な成長を目指していく考えです。また、電動化や自動運転、デジタル化などの技術革新に積極的に取り組み、事業基盤のさらなる強化を図っていくとしています。引き続き注目が集まる企業と言えるでしょう。
編集部のまとめ
今回のいすゞ自動車の決算は、増収増益で大変好調な内容となっています。生産性の向上や価格転嫁などが功を奏し、経常利益が2,702億円と大幅な伸びを示しました。また、財務体質の改善も進んでおり、株主還元の強化にも取り組んでいます。今後も、インフレや金利上昇などの懸念材料はありますが、技術革新にも注力しながら、持続的な成長を目指してくことが期待されます。
いすゞ自動車株式会社の決算日や配当についてまとめました。
いすゞ自動車の決算期は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の年4回行われています。配当金は年間86円を見込んでおり、中間配当が43円、期末配当も43円の予定です。株主還元の強化に取り組んでいる企業といえるでしょう。